『三色ボールペンで読む日本語』
このブログでも何回か書きましたが、三色ボールペンを愛用しています。──実際は、黒色が入った四色ボールペンを、半ば仕方なく使うことに なるのですが(会社で書類を書くとき など)。
それというのも本書に出会ったからですが、じつは、パラパラと読み飛ばして「わかった気」に なっていただけでした。今回、改めて(三色の線を引きながら)読んでみて、
三色ボールペンで線を引く、という「技」
を深く知ることができました。やはり、これは「技術」なので、日々 鍛える必要がありますね。──とは言っても、読書を、よりいっそう楽しむための技です。
三色方式体験者の感想
まず、「三色方式」とは何か、と説明したりする前に──、実際に三色ボールペン体験者の声が巻末に載っているので、紹介します。
線を引くときに頭をつかうし赤だけをよんでもどうゆうお話かわかる。ガルガンチュワが引きやすい。先生にもすすめてみました。赤はけっこう引きにくい。青は引きやすく、緑は楽。 (小学 4 年・男)
皆にアドバイスをするなら「気軽にバンバン引いていいよ」と言いたいです。 (小学 6 年・男)
シェイクスピアや有名な人物についての話を読み取るという、大人でもできない様な能力がついた。 (小学 5 年・男)
『三色ボールペンで読む日本語』 p.207-209
(「ガルガンチュワ」は原文ママ・日本ではガルガンチュアと表記されることが多い)
──どうですか。読みたくなった──というか、読まなければ! と思いませんでしたか?(笑)
自分は、巻末の感想や後書きから読み始める、という習慣がないので、初めから読んで上記の体験談を目にしたとき、すごく納得できました。小学生でも、三色ボールペンを片手に世界中の文学に親しむことができる、と。
三色ボールペンの引き方は?
たった これだけです。
- 青
- 客観重要
- 「まあ大事」というところに引く
- 赤
- 客観最重要
- 客観的に見て「すごく大事」と思ったところに引く
- 緑
- 主観大切
- 自分が勝手に「おもしろい」と感じたところに引く
(p.13-14 から抜粋)
「たった これだけ」だから、すぐ始められます。しかし──、野球が「走る・打つ・投げる・捕る」だけのスポーツだからといって、すぐにプロになれると思う人は いないでしょう。そこが、冒頭の自分がハマった罠ですね。
けっして難しい技術ではないですが、ちゃんと意識しないと、なかなか身につきません。──あ、それ以前に、
初めて本に線を引くときの勇気
は、他と比べられない、何とも言えない気持ちですね(笑)。
齋藤 孝
著者の齋藤孝 さんは、すべての教室で常にこのボールペンを用いて学習が行われる様子
(p.218)をイメージしているそうです。自分も賛成ですね。
(可能性が低くなってきたけど)自分に子供ができたら、三色ボールペンを勧めると思う。
齋藤 孝さんの著作は何作も読みました。一貫して「技化」(わざか)すること、そして身体学(とくに呼吸法)が中心になっていること、そして、最初の数ページで全体が把握しやすい構成が特徴です。とにかく、読みやすい!
ref.: インターネット NIE 齋藤メソッドから学ぶ
まとめ
三色ボールペンは楽しい! そして、少なくとも「本を売って得られる物」以上の物が手に入る!(線を引きまくった本がブックオ■で売ってたりするけど)