バクマン。 #63-3 「不信と信用」 歳下とベタベタ

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『バクマン。』 63 ページ 「不信と信用」 (週刊少年ジャンプ 2009 年 52 号)

TOM & JERRY_sRGB_500h (by bLOGOS/HA HA) (by bLOGOS/HA HA)

今回の蒼樹は、自分の言動の不一致を感じつつ、確実にシュージンへと惹かれる自分を自覚しつつ、──自分の恋愛への「障害」を確認しています。

──彼女なら、見吉も岩瀬も、年齢の差も、乗り越えてしまいそう。

すべてを押しのけて、まわりを傷つけて、それでもシュージンが「手に入る」としたら──蒼樹は、全力を尽くすのでしょうか。──たぶん、そうしそう。恋に一所懸命──そう、この一か所だけに命を懸けることが、蒼樹にはできそうな気がするのです。そういう危うさを感じます。

ただ、それを、「週刊少年ジャンプ」で描けるかどうか、だなぁ……。そんなドロドロとした恋愛って、いままでにありましたっけ? 三角関係ができても、主人公の男の子視線から見た「都合のいい恋愛」しかなかった気がする。

許せないでしょう

ひたすら蒼樹がカワイイです。この見開きだけを見ると、シュージンと蒼樹が主人公のラブコメ──という錯覚ができる。

今週号では、本来のヒロインである亜豆が登場しました。いくらなんでも真のヒロインなのだから、蒼樹よりもよく見えるはずだ──と思いましたが、そうでもない? 作者の愛情はいま、蒼樹紅へ注がれているようです。

──それより何より、蒼樹さんの胸部あたりが以前より妙に豊かな気もしますが、気のせいでしょうか? 恋をすると、女性はより女性らしくなる、という効果に見えました(極端すぎる)。

赤マル掲載だ !!

遅かったスねと瓶子に言う吉田は、なぜか反抗的な態度をしています。吉田といい山久・雄二郎といい、ジャンプ編集部には、「上」に反抗心むきだしの編集者が多いですね。明らかに、上下関係がしっかりした体育会系の社風なのに。

そんなわけで、一年先輩の港浦に対して、山久はライバル心を隠しません。──いや、これは意外です。山久は、「自分が好きな面白い作品を読みたい!」という気持ちだけを持っている、のかと思っていました。そんな彼が、他人に対抗心を燃やしているなんて……。

でもこれは、山久の絶対的な自信の表われでしょうね。港浦だけを意識しているのではない。相手が誰でも、今回のような態度で接した、と思います。

生き残れない

山久の言うことは、本当かもしれませんね。事実、『未来時計』でも『TEN』でも票は取れなかった。亜城木夢叶は、もう、シリアスで黒い話で勝負するべきではないでしょう。

結果的に、『大発タント』は、蒼樹紅とも静河流とも作風がカブりません。今回は、これで正解だと思います。意図的に避けたわけでもないし、正々堂々とした勝負ができる。赤マルのアンケート結果が楽しみです!

──さて、この見開きを見て、「山久は港浦を嫌っている」「この 2 人は、仲が悪いのだな」と思った人はいますか? もしいるのであれば、ちょっと、洗面所へ行って目を洗ってきた方がいいと思います。きっと、疲れ目なのでしょう。

もし港浦と山久が仲悪く見えるのであれば──。『ONE PIECE』に出てくるルフィたちはケンカばかり、『BLEACH』ではののしり合いばかり、『ぬらりひょんの孫』なんて殺し合いばかり──をしているから、最悪に仲が悪い人(妖怪)たちしか出てこない、ということになります。──ンなわきゃねェべさ!

わざわざ「ベーコンレタス」的な解釈を持ち出さなくても分かるとおり、山久と港浦は、メチャメチャ仲良しですよね! 「仲良くケンカしな」を地で行っています。お互いに意識しあって、お互いに成長していくことでしょう。いい関係です。

風邪かなんか?

恋人から連絡が来なくても平気、という感情は理解できません。

そういう自分も、一か月ほどカノジョから連絡がなく、あとで事情を聞くと「熱があって寝込んでいた」ということが過去にありました。えー! そういうときこそ、カレシたる自分の出番なんじゃないの? 花束を持って見舞い、とかやってみたかったのに……。けっきょく、その程度にしか思われていなかったようです。

シュージンは、そこまで見吉のことを思っていない──のではなく、新作のネームを描くことで頭がいっぱいなのでしょう。そんなに集中できるのは、スゴい。自分には、とてもムリですね。たとえば、この一行を書くまでに、ウェブページを 2-3 分間は見ていました。ずっと、その調子です。

会った けど…

ついにシュージンは、見吉から岩瀬のことを聞かれました。でも、これはまだ救いがありますね。遠回しに探りを入れられたり、一つ一つ証拠をつかまれたりするよりかは、だいぶマシです。見吉が素直で正直な子で、良かった!

これからますます「女泣かせ」に磨きがかかっていくシュージンにとって、初めての修羅場です。ここをどう切り抜けるかによって、彼の今後が決まるでしょう。すべてを正直に話すのか、ごまかしきるのか──。