『SKET DANCE(スケット・ダンス)』 第 8 巻「第1回キャラクター人気投票結果発表」
単行本の 8 巻は、表紙から見どころが多い。
アルファベットの 26 文字に対応する『SKET DANCE』ネタの絵が描いてある。「G」と「H」がヤバ目のネタだし、「S」は「どっち(誰)?」と思ってしまう。ところどころムリヤリだが、カバーだけで楽しめた。
もちろん、内容は表紙以上に面白い。ついつい感想も長くなってしまった。「超痩身スレンダー」を見習って、記事をダイエットしていきたい(5 分の 2 だけ やせればいい、ということか?)。
第 63 話 「バッド・サイエンティスト」
ぞうきんを絞る姿から母を連想する──。どこかで聞いた覚えがないだろうか?
そう、新世紀エヴァンゲリオンのテレビアニメ版・第拾伍話「嘘と沈黙」の綾波レイだ。ヒロインの年齢も状況も似ているというのに、どうして こんなに反応に差があるのだろう(そこはソッとしておこうよ)。
どう書いていいか悩むところだが、「Fu-Fu-風香」にはいろいろな使い道がありそう、と思った。どんな使い道かというと──。
『SKET DANCE』の作者である篠原健太さんは、『銀魂』の空知英秋の元でアシスタントをしていた。二人は師弟関係にあるわけだ。
そして、『銀魂』といえば──ジャンプ誌上でキャバクラをフツーに出したり、もっとキワドいことも描いている。
そのようなお方を師匠に持つ本作品の作者が、読者へのコメントで見せるような「純真・純朴な青年」なのだろうか。本当に?
ということで、「Fu-Fu-風香」くらい精密に動作する機械であれば、「ある層」には需要があるはずだ。──作者は、そのことを十分に分かった上で描いているのでは、と思った。
過去編の見せ方で分かるとおり、けっこう、この作者には意地悪なところがある。読者が望む「気持ちいい・楽しいマンガ」だけを描かない。
だからこそ、こういった「オトナとコドモとでは見た時の印象が変わる、困ったアイテム」を出すのではないか。そう思わせる「何か」を感じた。
スイッチが発明した「ホバーシューズ」を見ると、『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART 2』に出てくる「ホバーボード」を思い出す。宙に浮くスケボーである。どう考えても、日本の法律では許可されないだろうが、一度は乗ってみたい。
(ところで、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』は現在でも人気があるらしく、来月に復刻版の DVD が発売されるそうだ。下のリンク先からゲットしようぜ☆)
部室でグダグダする話で終わると見せかけて、ボッスンが活躍(?)する「助っ人話」につなげる展開が見事である。まるで役に立たないモノを組み合わせて助っ人するところと、「ボッスンが大活躍した!」と断言できない描き方が、このマンガらしい。
コミックが発売されるたびに楽しみにしているのが、「セルフライナーノーツ」である。
ライナーノーツには、今回の話を思いついた きっかけが書いてあった。やはり、どうやって話をまとめるのか、という部分に苦労されているようだ。面白いアイデアを思いつくことはできても、こんな風に(多少は強引に)シメることができるのは、この作者だけだろう。
第 64 話 「パニック・イン・校長室」
生徒会が定例会を開く。──当たり前のことだが、なぜこんなにムチャクチャな事例ばかりが出てくるのだろうか。
ひととおり生徒会のマンザイ(違う)が終わったあとで、校長先生の誕生日を祝う話になる。これには、すこし感動した。学校の校長に対してお祝いをする生徒なんて、いるだろうか。
誕生日ケーキは、榛葉が焼いたようだ。あまりにも さりげなく書いてあるので、単行本で初めて意識した。このルックスで気が利いている彼は、きっと人気投票でも上位になるだろう(ワザと書いている)。
まぁ、ここから先は、校長への思いやりとは逆の展開になっていくのだが……。
デージーの「私と 同じ感じに してみた
」という発言には、ちょっとドキドキした。自分が誤読していなければ、浅雛は自分自身で斜視であることを言った、ということになる。そうだとすると、この時のデージーと生徒会メンバとの やり取りは興味深い。
日本では、何かと「人と違う」ことに対してキビしい。好奇の目で見られたり非難されたりする。同じ人間・日本人なのに……。デージーとの会話は自然で、気持ちがいい。
この話からは、何とかしようとする思いだけあっても、行動が ともなわないとダメだ、ということがよく分かった。
第 65 話 「おねえさん先生」
美空レミという新任教師が登場する。
個人的に、ものすごく好みのタイプだ。ただ、なんとなく、早乙女浪漫と立ち位置がカブっている気もする……。「ウザカワイイ」人物を描かせたら、作者は天下一品だ。
レミはナイスバディであるところもポイントが高い。
今回のレミが着ている服装を見ていると、どうしても想像してしまう。うっかりと、シャツを着忘れた──とか。もちろん、スカーフ(バンダナ?)は、そのままでお願いします!
チュウさんの発明力がヤバすぎる。
ここでは、いったんメタな視点──つまり、「話の都合に合わせて薬を出した」ということを考えないでおこう。そうすると、どんな発想で「あっけらかん」や「高飛車」・「陰湿」といった薬をチュウさんが作ろうと考えたのか、スゴく気になる。
「冷静」を飲んだレミおねえさんは、「こういうプレイ」に見えてしまう。自分にそんなケはないはずだが──ちょっとだけ、しかられてみたい。しかるというか、なじるというか……。奥が深そうな世界だ(なにが?)。
さて、途中でスイッチが勧める酒──もとい、薬の「淫れ桜」(みだれざくら)が出てくる。この薬を(意図せず?)服用したレミの姿を見て、ある意味では安心した。
──この作者も、エロい場面を描く意志があったんだ、と。
どういうことかというと、ずっと『SKET DANCE』にはエロスが見えていた。しかも、「高校生らしい健康的でエロティックな描写」──ではなく、もっとマニアックな感じ。
作者が天然で描いているのに、自分がイカガワシイ目で見ている──と思っていた。どうやら、狙って描いた部分もありそうだ。
そうして見ると、今回のレミの服装は、ほぼすべて胸元を強調している。レミも作者も、「よく分かっている」のだ。これからは遠慮なく、「そういう目」で見よう。
第 66 話 「合コンでツッコんで」
ヒメコのテコ入れキターな話である。このエピソードで、自分もヒメコがずっと好きになった。
まず、冒頭からヤられた!
「同じクラスの女子の胸に、誤ってムニュ
」という『To LOVEる』な展開がベタだけど萌える(「むにゅう」と間違って入力したまま変換して「無乳」となったことも笑えた)。
それ以前に、ボッスンとヒメコはゼロ距離で座ることが よくあるけれど、自分の高校生時代には考えられないな……(女子率 1% の工業高校だったし)。イマドキの高校生でも、珍しいのでは? 『バクマン。』でも「男子と女子の席を くっつけるのは不評」という描写があったし。
そう、普段から無邪気に接していた女子が、急に「女」を感じさせる……。この上ない、至高の状況だ。ボッスンと替わって欲しい。
この作品にはキラリと光る「あるある」な表現がいくつも見つかる。中でも、ボッスンが合コンに誘われて盛り上がったあとで「そんで急に めんどくさく なってきた!
」と思う場面が素晴らしい! そうそう、あるある。なんだろう、あの感覚は?
テンパっているボッスンの姿が最高に面白い。何をどうやったら、こんな顔になるんだ?
「MMJ」(マジでムカつく女子)の描き方が絶妙である。「お…女を殴りたいと本気で思ったのは生まれて初めてだ…
」(by. 夜神月)と思った人もいるに違いない。
自分は「髪の毛カール子ちゃん」が気になる。冷たい目も好きだ。態度にはムカつくだけに、余計に気に入った。
ヒメコがツッコミどころの解説をしている場面は最高に笑える。個人的にツボに入ったのは、「ぶっふぅ~ !!
」という擬音だ。天才すぎる。
合コンのコツとかツッコミの極意として読むのではなく、話の受け答えの心得として、ヒメコの説教はタメになる。すべての合コン参加者に読んで欲しいところだ。


