『SKET DANCE(スケット・ダンス)』 第 15 巻 感想・1

シェアする

『SKET DANCE(スケット・ダンス)』 第 15 巻 「ビスケット・ダンス」

Cheese, Bread and Cookies
(個性豊かで小さなビスケットたち)

とうとう魔の 15 巻がやってきました!

そう、あの「修学旅行編」が収録されているコミックスです……! サブタイトルも「トイレット・ダンス」とか「オフロット・ダンス」・「ストリップ・ダンス」あたりが良かったのでは?

その感想は後半に書くとして──。

15 巻の前半では、番外編にあたる「ビスケット幼稚園」の話が面白かったです。番外編の番外編として、『いぬまるだしっ』の、いぬまるくんも出てくる。

さらには、新たな登場人物が出てきたりして、実りの秋にふさわしい、中身がはじけそうな充実の 1 冊です(新キャラの胸部の話ではないよ)。

第 127 話 「ビスケット・ダンス 楽しいおゆうぎ会の巻」

いつものキャラクタが、それぞれ幼稚園児になったり、幼稚園の先生になったりしている。かわいらしいチビッコたちになったキャラを見ているだけで、心が和みます。

「萌え」や「腐」ではない、かわいらしさ!

各人物たちの説明書きが、面白い。ボッスンみたいに、歌う時に 目が大きくなる子、いますよね。これには笑った。

番外編といっても、じつに『SKET DANCE』らしい話の作りです。ふわっと話をふくらませて、最後にピタッとキレイに閉じていく感じ。

とくに、おゆうぎ会の演目を決める、「劇を決めましょう」が見事でした。園児たちや「ミモリン先生」が、それぞれ好き勝手なことをランダムに言っているのに、最後に「安形先生」がサラッとまとめる。

さらに、決まった演目という設定を、最後まで上手に活かしています。今回の主役は誰だったのか──がよく分かる、心にストンと落ちる終わり方でしたね。

第 128 話 「ツインテールツンデレガール」

新しいキャラクタが登場しました。

えっと、お胸が豊かな「いもうと」系で、名前が「紗綾」──って、グラビアアイドルの紗綾さんしか思い浮かばないよ! こちらの「サーヤ」さんも、ツインデーレ──いや、ツインテールをしていた。お好きな人は、どうぞ(?)。

ベタなキャラクタでも、面白く料理するのが『SKET DANCE』です。サーヤは、用意されたテンプレートのセリフを話すキャラクタのようでいて、微妙に外してくる。

初めて読んだ時には、サーヤもたんなる「依頼人の一人」かと思いました。まぁ、これからも何度か出てくるだろうけど、それほど深くスケット団とかかわることはないのかな、と。

そう思っていたら、ヒメコだけが良からぬ空気を感じ取っている……。

いや、友だち思いのイイ男にしては、ロマン以外は女っ気がないボッスンによっては、良いことなんだろうけど。

「ボッスンとヒメコの微妙な関係──をかき乱すキャラクタ」として、サーヤは登場しました。その座にはロマンがいて欲しかったけれど──、もともとロマンは、「作品を引っかき回すキャラ」だったりする。

第 129 話 「飛べ! ホウスケ」

「ゆるい猛禽類」のホウスケが初登場です。

スケット団にもマスコットキャラを──と考えて出されたキャラなのでしょうが、学園内でフクロウを飼うのは、ムリがありますよね。フクロウは 夜行性なのに、夜中にはどうしているんだろう……。修学旅行の最中とか。

たぶん、いつかは「飼い主との再開→感動的なお別れシーン」が描かれるのだと思います。それまでは、ホウスケもゆるく・たくましく生きていくのだろう。

せっかくの新キャラや、いつものように見事なオチなのに──、ヒメコがサーヤに遠慮して、暗い表情で帰って行く場面があって、読後感が重い話でした。ロマンの時には、こんなことはなかったのに……。

第 130 話 「椿ダサ T コレクション」

椿は、第 97 話 「会えて嬉しい」では、なかなかオシャレさんな普段着を披露していました。

『SKET DANCE(スケット・ダンス)』 第 11 巻 感想・3 : 亜細亜ノ蛾

それなのに──、椿が自作した T シャツはダサい、というギャップが面白い。私服も格好悪いのなら分かりますが、なぜ自作 T だけダサいのか……? というか──、あんまり、T シャツって自作しませんよね。

同じ両親から生を受けた 2 人ですが、絵を描く才能はボッスンがすべて吸収したようです。将来のボッスンは、「絵がうまい探偵」として食っていけるかも。

せっかくだから、兄弟でコラボレーションした T シャツを作れば良かったのに。

第 131 話 「Skip!」

「ツン」しかないホリィ(堀井)がいることによって、ツンデレ娘。であるサーヤの「デレ」部分が引き立ちますね。スイカと塩との関係みたい(失礼)。

もうすでに、サーヤはボッスンの前ではツンツンしていません。このブログで何度も「ツン:9・デレ:1」こそ至高のツンデレと(キモい)主張をしている自分としては、もうすこしデレを抑えて欲しいところです。

ボッスンとサーヤが一緒に縄飛びをする場面は、最高に良かったですね。セリフなしで、見事にキャラクタを描ききっている。

ヒメコがドロップキックしたがる気持ちも分かるけれど、じっっっと目と目を見つめ合って縄飛びをするのは照れるし、素直におしゃべりできない