『バクマン。』 174 ページ 「あり方と終わり方」 (週刊少年ジャンプ 2012 年 19 号)
『バクマン。』の特徴の 1 つが「作中作の多さ」です。「マンガ家を主人公にしたマンガ」は過去にも存在しましたが、これほど作品のなかで作中作の原稿が描かれたマンガは初めてなのでは?
今回は『REVERSI』の原稿が描かれました。
小畑健先生の画力があったからこそ描けた美麗な絵は、『REVERSI』の最後に ふさわしい! その完成度を見て、全話を読みたくなりました。できれば『PCP』と一緒に描き下ろして欲しいです!
こんな ことを すれば おまえも
見開き 4 ページ分を使って描かれた『REVERSI』の最後は、まっ先に某・名作マンガを思い出しました。──あらためて読み比べるまでもなく、それほど似ていないんですけどね。
「白と黒」・「悪魔の力」・「主人公が死ぬ」・「最大の敵と 2 人」という(ムリヤリぎみな)共通点は多いけれど、描かれている意味は まったく異なっている。
また、「悪魔の力を使った者
」の末路についても、『DEATH NOTE』で「死神の力を使った者」の「死後感」とは違っている。
白悪魔と黒悪魔──いやサトルのは、大都会の交差点で命の幕を閉じました。誰一人として他人に気を遣うことのない その場所では、人々の気持ちは何一つ交差していない──。
原案どおりであれば、サトルは黒悪魔の力で人間を洗脳し、人類を滅亡を早めるつもりでした。サトルの敵である白悪魔は、さらに人間を洗脳し直し、本来の生き方に戻している。「人類を救っている」とも言えるでしょう。
サトルが戻りたかった人間は、白悪魔が守りたかった人間とは、それほど価値のある生き物だったのか──。そう思わせる結末でした。
デビュー前に『この世は金と知恵』を生み出した「エグイ話が得意な」シュージンらしい話とも言えるけど、不思議と「希望」を予感させる最後です。その希望は、菜保が育てていくのでしょう。
どれだけ 時間かけて
新妻エイジの表情が良いですね! 好敵手の最高傑作を心の底から味わい尽くしている。ここには描かれていないだけで、読み終わったら すぐに「亜城木先生」に電話をかけたんじゃないかな。
(忘れられていた)静河流も、食い入るように読んでいる。彼が描きたかった世界観とは似て非なる『REVERSI』に刺激されて、これからもマンガを描き続けて欲しい!
亜豆美保・蒼樹紅・岩瀬愛子の 3 ヒロインたち(と たぶんカヤ)も、『REVERSI』の最後を楽しんでいますね。とくに蒼樹の表情が「ムニッ」と していてグーです! なんで顔が赤いんだろう? ちょっとだけ「腐」だから?
──でも まぁ、「主人公の 2 人が死ぬ」という(バッド・)エンディングを喜んで読む人たちの絵も、そうとうにシュールですけどね!
そして また平丸一也だけ、我が道を行っている。
相打ちに もってったって ことか
学生たちの感想からすると『REVERSI』の最終話は、すぐには意味が読み取れない展開だったようです。
ただし、上で例に挙げた某・マンガのように「説明不足で読者の想像に任せる」というわけ ではなく、ちゃんと読めば何重もの思いが込められた話だと分かる。何度も読み返したくなる最終回なのでしょうね。
単行本の売り上げには、「全部そろえたくなる冊数」も重要です。『REVERSI』は 5 ~ 6 巻
だから すべて集めたくなる。これでコミックスの売り上げも『ZOMBIE☆GUN』を抜くかもしれません。
編集部でも『REVERSI』の評価は上々で、編集長は「ジャンプ史に 残る名作
」と太鼓判を押しています。皮肉屋の港浦までもが、全面的に支持している。
でも、亜城木の 2 人に一番聞かせたい声は、「すげーな 亜城木夢叶
」という読者の叫びですね!
おわりに
ところで「単行本の冊数」と言えば──。
ミステリィ小説の「怖さ」を味わってもらうには、森博嗣先生の「『犀川 & 萌絵』シリーズ全 10 巻と『紅子』シリーズ全 10 巻」を自分は おすすめします!
──と言いたいところですが、全 20 冊を読み終わるころには、日が暮れる(どころではない)。
一方、冨樫義博先生の「マンガ力」(りょく)を知るには、『レベルE』全 3 冊で済むから気軽です。
この 3 冊でも分からない人は、まぁ、『あおぞ■家族』でも読んでいればいーんじゃないですかぁー?
