『HUNTER×HUNTER(ハンター×ハンター)』 No.21 「再会」
少年マンガらしく「主人公とラスボス」を描いた第 21 巻の表紙です。ゴンのイメージ・カラーは緑なんでしょうね。NGL で購入した衣服も鮮やかなグリーンでした。
──ただたんに、塗りに使っていると思われるコピックの緑が大量に余っているだけだったりして。
この巻に出てくるサブ・タイトルの いくつかは、あとの展開でも まったく同じ題名で再登場します。これは冨樫先生や編集者のミス──ではなく、意図的だと思いました。
「誰と誰とが『再会』したのか」・「誰の『遺言』なのか」によって印象が大きく変わる。その効果を狙ったのでしょう──と見せかけて、考えることが面倒くさかったのかな……。
No.212 「破水」
どうやらシュートは「操作系」の能力者らしい。
それにしては──元の腕は どうしたのだろう? フランクリンの指と同じ理由(「なんかぁ、威力 出そうかもぉー? みたいな」)で切り落としたのかな。
そもそも この「手」も作り物なのかナマモノなのか分からないし、カゴの謎も残っている。本人と同様に能力も不気味です。
キルアのように武器を持っているか、かなりの実力差がないと、シュートが操る 3 つ手の攻撃でダメージを負ってしまう。しかもシュート自身も攻撃してくるし、体術も優れている。
──ナックルのことを「ゴンが一番苦手な相手」と書いたけれど、シュートのほうが戦いにくい。たとえば同じ「強化系」のウボォーギンだったら、浮いている手なんて「練」や「硬」で防げるけれど、ゴンには まだ早い相手ですね。
一方のキルアは、以前から強くなっています。ヨーヨーが以前と同じであれば、片方が 50kg もの重量なのに、もう こんなにも使いこなせるように なったのか……! というか、シュートの手も異常に頑丈ですね。
「イルミの呪縛」は気味の悪い表現でゾクッと来ました。戦闘中に背後に兄貴が立っている──ように感じたり、左顔面が消失したり(ちょっと『スティール・ボール・ラン』を思い出した)、まともな神経では戦い続けられません。
さらには、この戦闘中に「カゴの中」を覗いてしまったら──もっと精神的に追い込まれたかも。
シュートとキルアは、何の共通点もないような 2 人でしたが、戦いの最中に余計なことを考えるクセが似ています。肝心なところで弱気になるところも同じ。
ほとんど会話がないのに、もう友人以上に お互いのことを知り合っている。じつにバトル・マンガらしい展開ですが、心の中では もっと複雑な闘いが起こっています。
「オレは 1 度も 闘って いなかった
」というキルアの嘆きや、敵の ふところへ飛び込むことしかできない無鉄砲さは、いつも生意気な態度の彼だけに痛々しい……。
シュートがキルアの電撃に気づいたのは なぜだろう? p.11 で見せたポーズと同じだからでしょうかね。もしくは、浮遊している手の 1 つが「シュウゥ…
」と妙な効果音を出していることと関係があるのかな。
いずれにせよ、一瞬の攻防だけで攻撃の本質を見破るほどの相手です。そのことを思い知ったキルアが、戦意を失うことは仕方がないでしょうね。相手の前に、呪縛に負けている。
今回は、少年誌では なかなか見られないサブ・タイトルでした。女王様が大股開きになっているなんて、ごくり……か?
「ま 待って !!
」と焦っている様子は、なんだか女性っぽくて生々しいですね。アリなのに汗をかいているし。この「擬人化」された印象は、次回に思わぬ形で昇華するのであった。
No.213 「誕生」
とうとう産まれてしまった王を初めて見た時には、正直なところ──『ドラゴンボール』のフリーザそっくりだな、と思いました。いまでも ちょっと思っている。
爬虫類・あるいは恐竜が、甲虫の外殻をまとったような感じです。人間の形を元にしながら、ほど遠い容姿に なっている。
衣服が必要なさそうな点も また、知恵と同時に羞恥心を身に付け──弱くなった人間とは、まるで逆の方向へ進化したことを思わせます。
ところが、王の異質さは、容姿よりも性格でした。
キメラアントのなかでも とくに目立って活躍していたペギーが、まさか こんな形で退場するなんて、とても予想想像できません! しかも、こんなに理不尽な理由で……。
王の暴虐ぶりを示すには この上ない描写でしたね。
鳥型のキメラアントが反乱軍の頭になることを、現時点で王は見抜いていたと思われます。
それなのに、わざわざ鳥型に背中を見せたり(正面や横でもシッポは拭けるだろう)逃亡すら見逃しているのは、王の特別な意図を感じる。「拭け
」という命令を無視しかけたのは鳥型なのに、出しゃばった亀型のほうが消されているし。
作者のなかでは、鳥型と王との間に、何かの「つながり」を持たせるつもりだったのでは? ようするに、鳥型の人間時代に守りたかった妹は、じつは生まれ変わって王になった──とか。
または単純に、鳥型の反抗的な態度に「骨がある奴だ」とでも王は思っただけなのかな。
初めて明かされたモントゥトゥユピーの顔は、ほかの美形な護衛軍とは似ても似つかない。その前に、何の動物が元になっているのか見えてきません。
パッと思いついたのは──カメムシでした(失礼)。
ネフェルピトーは、残酷さを前面に出して描かれています。これは おそらく意図的なもので、猫のイメージなのでしょうね。
極めつけは、「女王(アレ)は もう 要らない
」という──発音自体は「エサ」(ポックル)の 1 つと女王を同じ扱いにしたことです。
カイトを自分のためだけに修復したことから考えても、ネフェルピトーは以前から女王に従う意識は弱かった。この調子では、いずれは王も「要らない」と言い出すのでは──と思わせる冷徹さです。
産まれたばかりなのに、数多くのアリのなかでも王は身体能力が飛び抜けている。また、見よう見まねで翼を出して、すぐに空を飛べるモントゥトゥユピーも恐ろしい。
護衛軍や王を見ていると、「才能」という言葉の意味が無意味に思えてきます。
「不味い
」と吐き捨てられた「肉団子」のなかにも、「お前には才能があるな!」と言われて喜んだ人が いただろうな……。
そして、ずば抜けた才能の持ち主である念能力者ですら、「レアモノ」の ひと言で──つまりは「食材の 1 つ」として数えられている。
──鳥型が「奴らは 悪魔だ… !!
」と叫びたくなる気持ちも分かりますね。でも この鳥だって、村人たちから見たら鬼や悪魔にしか見えなかったと思うけれど……。
しかし この無粋なツッコミは、「(本物の)ニワトリから見れば人間は──」というブーメランになって返ってきます。キメラアントが人間を襲う理由は、単純な「食物連鎖」とは言い難い。でも、人間だって楽しんで狩りをします。
似た者同士は、因果の鎖で繋がっている。
No.214 「決着」
今までにもキメラアントに襲われる人間の場面は あったけれど、親と子が命を奪われる状況をこれほどハッキリと描くとは予想外でした。
しかも、親子が「マズい食材」として扱われている上に、「生きたまま脳を食われる子ども」まで読者に示している。はたして、ここまで描く必要があったのだろうか──。
冨樫義博先生も「人の子」であり「人の親」でもあるのに、よく描けますね。本当に私生活を作品に反映させない作家です。
たとえば、キメラアントの王──つまりは子どもが無事に生まれて、「女王の子育て日記」なんかが始まったら、自分は こうして感想を描いていなかった。
王の不条理さは、本当にワケが分かりません!
「人の最も 美味な部位が 脳ミソ
」と王は知らなかったくせに、「レアモノを 見分ける方法
」については怒り出している。
また、ペギーも亀も、王は「エサ」として食べていました。王の手足にも ならないと判断すれば、護衛軍ですら即座に腹へ収めるでしょうね。
以上から、「ピトー
は王を裏切るな」と予想しました。
キメラアントの師団長たちは、女王側・反乱側に別れています。連載の当時に(恥ずかしい文体で)書いたように、ネテロたちは女王を倒すことを目的にしてきたはずが、急に師団長たちの驚異へ すり替わっている。
2004 VOL.18 : HUNTER×HUNTER | 亜細亜ノ蛾
女王を倒せば終わり──なんて、最初から夢物語でしたね。ただ これは、女王の生前・死後では、キメラアントたちの生態が まるで変わってしまうからなのかも。
自分から見ると、ここで「王を目指さないアリ」のほうが不思議だと思う。ノヴが語るキメラアントの生態から考えても、(ようやく名前が判明した)コルト
のように、女王の近くに残ろうとするアリたちのほうが異常です。
これは、人間や動物の性質が色濃く出ているからでしょう。そのことが、キメラアントたちにとって・人間にとって、良い方向へ動くだろうか──。
「5 人全員が来る
」というノヴの予想は当たっていたか──と思わせて、ゴンには かわいらしくも憎たらしい「トリタテン」が付いています。キルアもシュートに負けたらしい。
ここで御都合主義的にゴンとキルアを参戦させなかったことは、今後の 2 人のためにも良かったと思います。敗北の味を知る機会がないと、いつかは限界に突き当たったり、調子に乗って自滅する。
自分が弱いと悔し涙で濡れるゴンは、これから もっと強くなるはずです。しかし その時に、キルアは隣にいられるだろうか──。
No.215 「遺言」
ネテロの「有能で活きのいい外科医
」という言い方が おもしろい。たしかに、キメラアントの巣穴へ潜り込むには、ただ優秀なだけの医師では意志が持ちません。
やって来た外科医は、女性のブラックジャック先生っぽかった。まさに この仕事にピッタリと合った人でしたね。人を食うアリを前にしても、まったく物怖じしていません。
「勝負服
」とは、もともとは競馬・競輪の用語だったらしい。この言葉を若者文化に取り入れた人は、かなりセンスが良いですね! ──自分のために勝負服を着てくれた女性は、過去に何人いたかなぁ……。
ネテロが着た「心」 T シャツ
を見て、ノヴもモラウも真剣な表情なところが笑えます。いや、笑っていられる状況ではないけれど、だからこそ余計に笑いを誘う。この あたりの呼吸は、作者には お手の物です。
常人のオーラをたとえるならば、湯上がりに体から立ちのぼる蒸気のような感じでしょう。熟練すると力強く体の周りを覆うようになる。
さらにネテロ会長ほどの熟練者になると、針で突き刺されて
いるかのような研磨されたオーラ
に なりました。十年や二十年の修業では、この領域には達しないはずです。
──それでも、護衛軍にすら届かない……。
「血湧く血湧く♪
」と楽しそうに笑うネテロは、誰かの力を借りに行くようです。その古い知人
とは誰なのか──。
女王の手術には、不思議な感情が わき上がりました。さんざん人間たちをエサにしてきた「化け物」なのに、なぜか彼女の死に涙が出てくる──。
親が子を思う気持ちは、キメラアントも人間も変わらない。
そう、それは肉団子になった人たちも同じです──。
客観的に見れば、やはりキメラアントたちは人間の敵だし、許しがたい存在です。それなのに、同情して味方したくなる。なんとも不可思議だ。
──もちろん それは、冨樫義博先生の生み出した話に、良い意味で読者が だまされているからです。この作者の魔術は、かなり冷静にならないと見破れません。
恋する気持ちと同じですね。
読者は何度も目撃してきたけれど、ヒトだった頃の記憶
がキメラアントに残っている──と ようやく人間側にも示されました。
ヒトであったことを覚えていながら、ヒトを襲い・ヒトを食ってきたわけで、より罪深い存在ではある。それとも、人間だった過去を思い出した者は、人食いをやめたのだろうか?
また、コルトが取り上げたキメラアントの子どもは、はたして彼の妹・レイナの生まれ変わりなのか──も気になります。王・メルエム
以外で、女王から直接 産まれた子という点が珍しい。
最後に、ヒトだったころの「コルト」とレイナが、母親と暮らしていたころの記憶が描かれました。ここで完全に、「産まれた子はレイナ」という印象が残ったけれど──。
以前の感想でも(つたない文章で)書いたように、人間を襲ったキメラアントを見逃す──どころか保護するモラウには違和感を覚えました。プロ・ハンターらしからぬ態度に見える。
久しぶりのH×H!! (次回も作者取材のたm | 亜細亜ノ蛾
ただし これは、巨獣を専門に狩ってきたカイトと、何ハンターか不明なモラウとでは、守るべき決まりや考え方が大きく違う可能性があります。
そもそも、ハンター世界の法律は基準が見えませんね。暗殺稼業の一家や殺人鬼の奇術師が、普通に暮らしている世の中だし。
No.216 「東ゴルトー共和国」
理由は どうであれ、「ゴンとキルアはカイトを見殺しにした」とスピンは思っているはずです。だから今でも、彼女は心底怒っている。
しかし それ以上に、ウジウジしているゴンの態度のほうを叱っています。彼女が尊敬しているカイトの性格と よく似ていますね。
もしもカイトとスピンの立場が逆になっていたら、カイトも同じことをゴンに言うはずです。「あんた達に 望んでいるのは 反省や後悔じゃ ない
」──と。
それでも──、正しい選択と それを 貫き通す 意志
は、誰よりもゴンが強く持っている。読者は何度も その意志の強さ──からくる意地っ張りを目にしてきたけれど、スピンは それを知らない。
キルアは、スピンに文句を言ってやりたかったのでは?
しかし、当のゴンは、素直にスピンの言葉を受け入れている。この純粋さが、ゴンの最大の長所ですね!
ここでスピンが語った「コクチハクチョウ
の群れを見せる」という約束も、いつかは果たされるでしょう。その時までの お楽しみです。でも、いつになることやら──。
コルトが人間側に付いて、なんとなく和解ムードが漂った前回──をあざ笑うように、ヂートゥやワニ型のキメラアントたちは好き勝手をしている。とくにワニが、牛や豚と人間を同列に考えている点が おぞましい。
彼からすれば ほかの生物は、子を産ませる道具かエサか、どちらかでしかない(そんな発言をした政治家がいたような?)。それは王・メルエムと同じ考え方です。
女王や王だけを倒せば勝ち──という考えは甘すぎた。
東ゴルトーにも、すでにウサギ形のキメラアントが いたのか!? ──なんて白々しく驚いたフリをしましたが、なんとも楽しそうな食事会ですね。
まるで現実世界の某国を見ているかのような感じです。宮廷を守る「レアモノ」の兵士も、顔が いかにも──な感じだし。
No.217 「肉樹園」
王は、いまでも兵士として鍛え上げられた念能力者を倒せるのに、さらに食べる程 強くなる
という。どれだけ強くなるのか──。
しかも この王の能力
は、念能力の すべてではないはずです。言うならば「体質」に近いのかも。
冷静に王を観察しているピトーには、やっぱり反感の意思を感じます。じっくりと様子を見て、いつかは「王(アレ)は 要らない」と言い出すのでは?
マサドルデイーゴ
も すさまじかった!
あきらかに警備兵を蹴散らして やってきた化け物に対して、こんなに横柄な態度を取れるなんて、さすが王の中の王
ですね! たしかに、彼ほど愚かしい人間は、ほかでは見られなかった。
マサドルデイーゴは、「壊れる」前の言動がアレなだけに、あまり気の毒にも思わないし、一瞬で命を奪われてラッキィだったな──とすら感じます。今後も彼の悪事が暴かれていく一方で、ますます同情の余地がない。
ところが──、作者は この点すら引っ繰り返します! それは また、長い長い物語の終わりに出てくるので、楽しみに待っていてくださいね。出てくるころには絶対に忘れているけれど。
そして、ここでもネフェルピトーは、冷静に「肉の品質」について語っていて、ますます「人間じゃない」感じが よく出ています。
自分は猫が大好きだし、猫の かわいい動画や画像も姉妹サイトで集めている。でも、彼らをあまりにも「擬人化」しすぎると、それは それで──奇妙に見えるかも。猫は、猫だから・人間じゃないから、かわいい。
“cat”タグの付いた記事 — Ciao! I am a harsh thug.
そんなことより、前回では よく分からなかったけれど、ウサギ娘さんたちは半裸だったのか……(ごくり……)。
彼女たちは表面上は楽しそうに踊っていながらも、いろいろとイヤな思いをしてきたでしょう。その上で、こんな悲劇が待っているなんて……。まぁ、放っておいても、いつかはクーデターが起こりそうな国家だけれど。
すでにフジリュー(藤崎竜氏)版の『封神演義』に出てきた「ハンバーグ」を上回る残虐ぶりが何度も登場しました。その上、肉樹園
は「酒池肉林」を超える描写になるのでは?
人間たちの受難を思うと、いまからドキドキワクワk ──もとい、気が重くなってきますねー(棒)。
東ゴルトーには悪魔が舞い降りたけれど、この家には鬼が棲んでいる──。
もう絶対に作者は、パームのことを人間として描いていませんよね。下手なキメラアントよりも恐ろしいぞ……。これだけの数の人間をそろえて(自作?)、一体一体切り刻む過程を想像すると、それだけで気が変になりそうです。
でも、なんとなく──こういうクレイジィな人物が、作者は好きそうに思える。コロコロと顔や絵柄を変えてパームを描いている点からも、楽しんでいる感じが出ています。
「オメーは それ言いたい だけだろ
」というキルアのツッコミからも、ノリノリな気分が現われている。ゴン・キルア・パームの 3 人は、ピッタリと歯車が かみ合った漫才トリオみたい。
隣の国ではエライことが起こっているのに、「あたし達 2 人の 問題
」で一喜一憂する──。この様子は、じつは少年マンガ・アニメでは定番だったりします。人類の存亡を賭けた戦いの最中に、学園内でイチャイチャしていたり。
──そう言えば『幽☆遊☆白書』でも、魔界の頂点を決める戦いに蔵馬が参加する条件は、「夏休みの間だけ」だったなー。もしかしたら、登校日には ちゃんと登校していたのかも。
「デートに慣れているゴン」は最高に面白かった!
ゴンくらいの年齢だったら、ちょっと女の子と しゃべっているだけでも「女~の中にぃ 男~が 1 人ぃ♪(x256 回ループ)」と男友だちから冷やかされたものです。──って、それはオレらの年代くらいなのかな。
このゴンの女性の接し方については、後半で もっと楽しい展開を見せます。すでにパームとカレシ気取りだったり、「マニア
」(ショタコン)を語ったりするゴンが、さらに笑わせてくれますよ! それは明日書くとして──。
トレーニングの場面も、さりげなくギャグになっています。この 2 人には、こんなバーベルなんて紙切れみたいなものでしょうね。しかし、ジムに通っている男たちからすると、自分の目が信じられない。
いつものように緩急が付いた展開で、笑わせた後には──つらい現実を見せてきます。いまは平気な顔をしているけれど、キルアは 1 か月後に立ち去る気でいる──。
たぶん、ビスケが「ゴンの元から 消えなさい
」と忠告した理由は、「それがイヤだったら逃げずに戦いなさい」という発破を掛けただけだと思う。負けたら負けたで、また鍛え直せばいい──という意味だったのでは?
ただ、ビスケの本心が どうであろうと、ゴンから離れることは、キルア自身が決めたことです。本当に離ればなれになるのかな──。
カイトが発見されたことで大喜びのゴンですが、このままではキルアも読者(オレ)も、心の底から笑顔に なれません。親兄弟でも いつかは離れるから、仕方のないことですけどね……。
──そう言いながら親子 2 人で暮らす自分だった。