諫山創 『進撃の巨人』
不吉な数字の第 13 巻は、笑いあり涙ありでした!
おもに笑いはサシャ・ブラウスが提供し(いつものこと)、涙はアルミン・アルレルトが流しています。また放屁かー。
そういえば、「芋を食う」という ことわざ(「割に合わない」とか「失敗した」的な意味)が なかったか? ──と検索したら、下のページが一番上でワロタ。
サシャ・ブラウスとは (イモオンナとは) [単語記事] – ニコニコ大百科
表紙のカラー・イラストは美麗で素晴らしかった!
コミックスの表紙は『進撃の巨人 (1)』から巨人が中心で始まり、ようやく『進撃の巨人 (4)』で登場人物が中心になりました。そのころと比べると絵の上達が すさまじい!
掃除も命懸け
つかの間の休息といった場面に心が和みました。
リヴァイ兵士長を山小屋に向かい入れるために掃除をする──という巨人の討伐並に重大な任務の話です。ここぞとばかりにサシャがボケに走り、ジャン・キルシュタインがツッコミを入れている。
まるで旧『新世紀エヴァンゲリオン』最終話の日常風景みたいでした。「遅刻 遅刻~!」とかボケながら、サシャがパンや芋を口に くわえて逃亡しそう。
あと、スープの皿まで なめ回すサシャが かわいらしい! 彼女の育ちが出ていますね。食事のマナーにも厳しそうなリヴァイに よく怒られなかったものだ。
マキ割り帰りのミカサたちも面白かった!
ヒストリア・レイスもミカサ・アッカーマンもサシャも、3 人とも同じように長いスカートをはいている。それなのに、「天界から舞い降りた女神」「スケバン番長」「あか抜けないイナカ娘」に見えてしまう……!
『進撃』の世界にも女子力の格差がががッ!
そもそも この巻は、回想以外に巨人が出てきません!
これは『進撃の巨人』の歴史で初めてなのでは? 最近では主要人物の退場が珍しくないなかで、たまには息抜きの巻があっても良いですよね。次の巻では地獄に なっていそうだけれど……。
アルミンの受難
アルミンは悲惨でしたね!
胸をまさぐられているのに女装だと気づかれないプリティさは、中年オヤジの「なにか」を呼び起こしてしまいました! きっと、現実世界でも同じ症状の野郎が多いでしょう。
おもわず目を背けたジャンも、「かわいそうで見ていられない」──ではなく「かわいいからオレも どうにかなってしまいそう!(てか なりたい)」な表情です!(?)
解放されたあとの夜もヒドかった。
泣いているアルミンを見ながら、コニー・スプリンガーとサシャは笑いをこらえていますよ! つくづく この 2 人は同じ反応をして仲が良いですね。
ここでもジャンは、アルミンの肩を抱き(意味深)優しく慰めています(意味深)。フ女子の みなさんから見たら、もう「公認」であり「確定」ですよねー。
進撃の女神たち
「今のお前は 何かいいよな
」
──と DQN がオンナ口説く時のキザなセリフ丸出しのエレン・イェーガーです。
幼いころは両親を含めて まわりは敵だらけで、もちろん現在は巨人に囲まれている。それでも容姿からチヤホヤされてきた「クリスタ」は、ありのままの「ヒストリア」として初めて異性に受け入れられました。
エレンとミカサは前巻では非常に良い感じで「告白」していたし、ヒストリアはエレンにネっトリとした視線を向けるし、このまま「三角関係編」に突入ですよ!(?)
『進撃の巨人』 12 巻 諫山創 – 絶望で輝く「ありがとう」 | 亜細亜ノ蛾
ヨダレや鼻水を垂らす素のヒストリアが かわいい!
でも、「もう かわいいだけの女で いられない!」と ばかりに、ヒストリアは「既成事実」を作るための「実力行使」をヤリかねない(期待)。幸いにして、巨人化の実験やら何やらで、エレンは寝ている時が多いし……。
一方のミカサも愛情が有り余って溢れています。
リヴァイにもガンガン意見(という名の私情)をぶつけるし、なによりハンジ・ゾエへの抗議がスゴかった!
「分隊長!! あなたに 人の心はありますか!?
」と食ってかかる場面では、本当に食いかねない勢いでした。
巨人の体からエレンを切り出した直後のミカサをご覧ください! 悪鬼のような表情でハンジをにらんでいます。言った本人が「人の心」を捨て去っている──!
ということで、「2 人とも恐い」が結論ですねー!
巨人の正体
じつは、巨人は人間だった!!!1
──という事実に限りなく近い推論は、読者からすれば以前から分かりきっていました。鋭い人にはエレンが巨人になった時か気がついていたでしょう(自分は かなり遅かった)。
頭が切れるはずのハンジやリヴァイは、なぜ その可能性を今まで考えもしなかったのか?
それは、だれよりも巨人を切り刻んでいる当人だからこそ、無意識に・本能的に考えないように していたのでしょう。だれだって自分が虐殺している「化け物」が人間だとは思いたくない。
ハンジは ともかく、リヴァイまで巨人を倒してきたことを後悔したように見えて、すこし意外でした。以前はゴロツキとして荒れていたはずですが、人の命までは奪っていなかったのかな。
とか言いながら、捕らえたジェル・サネスを拷問する直前では、ハンジの表情が生き生きとしています。潔癖症ぎみのリヴァイも、血の付いたエプロンを気にせず似合っている。
巨人の解体なら お手の物であるド S ふたりを相手に、サネスは何秒間 耐えられるのか?
一方、エルヴィン・スミスの反応は違った!
前後の文脈からすると、どうも「巨人が人間──だからこそ調査兵団に入って駆逐してきた」ように思えます。
そんな男が、「人類すべての 実権を握る
」などとドット・ピクシス司令を説得している……! 巨人でも王政でもなく、人類の危機はエルヴィンが運んでくるのでは?
おわりに
ヒストリアとエレンに つながりがあった!?
と思わせる謎の女性が現われました。ヒストリアと同じような目をした「おねぇちゃん
」は、どうやら記憶を消す能力を持つらしい。その力は、エレンたちの「巨人を操る能力」とも似ている……。
またもや次の巻が気になって仕方がない!