『暗殺教室』 第 167 話 「信頼の時間」
お互いに「会いたい…
」と震える生徒たちと先生です。
──震えているか どうかは さておき。
卒業式のあとは、もともと殺せんせーは生徒とは離れる予定でした。陰から見守るつもりでしょうが、基本的には二度と関わらない心構えだったはず。
だから、このまま「お別れ」でも ほぼ変わりはない。
しかし、望まない形での別れは許せなかった。
「赤の他人に踏みにじられるのは絶対に嫌だ
」という気持ちは、殺せんせーも生徒も同じです。
その先へ
殺せんせーは、すでに再会した「その後」を見ている。
ただ、「地の盾」や「天の矛」から先生が自力で逃げることは不可能でしょう。つまり、烏間や生徒たちの助けを信頼している。
殺せんせーは ずっと生徒たちと導いてきました。
その生き方には烏間も影響を受けている。「最後の授業
」とは、殺せんせーへの恩返しのことです。
2 人の指導者
赤羽 業が ようやく動き始めました。
やる気の無さそうだったカルマは、なにやら彼なりの計画を練っていたようです。カルマが磯貝 悠馬に頼み事をするなんて初めてのことでは? それだけ自信がある証拠です。
磯貝も さすがでした。
有無を言わせぬ眼力で にらむカルマに対して、悠馬は余裕の笑顔で返している。
一見すると、「リーダ vs. リーダ」といった頂上対決を思わせる場面です。ところが、クラスの調和を重んじる磯貝らしい態度で丸く収まりましたね。
技の使い所
イリーナ・イェラビッチならではの脱出術でした!
交渉術だけなら矢田 桃花も十分に素質が あります。しかし、爆薬をディープに飲み込む術なんて、イリーナくらいしか習得できないでしょう。
──と思ったけれど、矢田の口にも けっこう大きなモノが収まっているな……(ごくり……)。
この場面は お笑いとして描かれています。
しかし、イリーナのスキルは そのままテロ行為に活用できる。彼女が殺し屋のままで あれば、その機会が訪れたかも しれない。その可能性は、今となってはゼロでしょう。
イリーナが E 組に来て本当に良かった!
空をかける少年
母の愛は地球よりも重く超生物よりも強い!
とはいえ、潮田 広海も丸くなりました。以前のままだったら、「ウソをついて裏切った」渚を許さなかったはずです。そうなったら、さっきまでの監禁なんて手ぬるい お仕置きが待っていたでしょう。
「無茶
は していない(?)」渚に見覚えが あります!
貞本 義行版『時をかける少女』が思い浮かびました。あの有名すぎるイラストは、ただたんに「女子高校生を超ロー・アングルから撮影した写真」といった構図です(大問題じゃねェか!)。
しかし渚は、高層マンションから軽やかに飛び出している。無事に帰ってきたら、また お母さんの心配性が発症するのでは……。
どちらが狩る側か
クレイグ・ホウジョウとの対決は避けられない!
カルマが仕切ろうとしていた理由は、ホウジョウが率いる「群狼」への対策を立てたからでしょう。
ホウジョウは E 組の生徒を「坊や達
」と呼ぶ。そこには歴戦の兵士としての誇りと、そして大きな油断がある。そのスキを突ければ良いけれど──。
おわりに
茅野カエデはネっトリしたキス攻撃に嫉妬しています。
その泣き顔は倉橋 陽菜乃を思い出しました。以前は「イリーナに烏間を取られた」と悔しがっていたけれど、もう吹っ切れたのかな……。
題名は「信念は山をも動かす
」から借りました。
原文は英語の ことわざです。元の意味からは完全に変わっているけれど、このサイトの平常運行でもある。
同じく英語の教訓で、まっ先に見つけたのは「信頼は詐欺の母
」でした。たしかに「信じてくれ!」と言ってくる人ほど疑わしい。