『時をかける少女』
『時をかける少女』の劇場版アニメを見ました。
主人公は高校生の男女三人で親友同士、しかも微妙な三角関係。主人公の真琴は活発を通り越してガサツな女の子。
──このような人たちや関係性とは全く無縁の学生時代を過ごした自分でも、どことなく懐かしい、何となく切ない。舞台は現代なのに、なぜか昭和の香りがする雰囲気が、いまの時代、しかもアニメ作品では新鮮に感じました。
時間旅行物
よくある時間旅行物は、時間旅行が可能になるまでが長かったり「タイムパラドックス」の説明に終始する、つまり「なぜ時間旅行ができるのか」そのものがテーマになることが多いです。
ref.: タイムトラベル #タイムパラドックス – Wikipedia
それに対して『時かけ』は、いきなり主人公がタイム・リープ(時間跳躍)できるようになります。ちゃんとできるようになるきっかけがあるのですか、それにしても「ちょっと足が速い」「ちょっと高くジャンプができる」、「ちょっと歌が上手い」というような、ちょっとした特技程度の気軽さで主人公の真琴はタイム・リープを連発するのです。このライトな感覚が、いま風な感じですね。
それにしても──とにかく真琴の「元気が有り余って爆発しそうな感じ」が凄い。まさに時を「駆ける」少女です。
原作版小説
原作版の小説も、併せて読んで欲しいですね。文庫版のサイズで 100 ページくらいなので、意外とあっさり読めます。
もう 30 年も前の小説なので古さは否めませんが、この作品の影響を受けた作品は多いでしょう。
ただ──いまでも支持されている理由はタイトルかも、とちょっと思いました。これが TV ドラマ版のタイトル『タイムトラベラー』などという、アメリカンなセンスのタイトルだったら、これほどいつまでも愛されることは無かったような。