バクマン。 #145-4 「提供と停止」 合格点と若造

『バクマン。』 145 ページ 「提供と停止」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 38 号)

Temmangu Shrine: Ema 絵馬
(若者たちの──思いが重い)

今回の七峰社長は、のんきにダーツで遊んでいました。投げたダーツの先には、不思議な物体が置かれている──。『DEATH NOTE』のニアが(イヤミたっぷりに)遊んでいた人形に似ています。

最初は七峰に、髪型(というかアホ毛)からサイコーの人形に見えました。亜城木夢叶が好きすぎて、とうとうオリジナル・グッズまで作ったのか !? と思ったら、なんだかマントのような衣装を着ている。

──あ、『疑探偵 TRAP』のフィギュアか!

かつて大好きだった作品にも、その作者にも、もう未練はない──という意味かもしれませんね。それは さみしいな……。

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バクマン。 #145-3 「提供と停止」 『ヒーロー残酷物語』と下手な絵

『バクマン。』 145 ページ 「提供と停止」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 38 号)

Get rid of plastic bags! | Ecopera.net
(残酷さを──かわいさで包み込んで)

本編とは まったく関係ありませんが──、ガモウひろし先生が「ジャンプ」で最後に連載していた『バカバカしいの!』は、2001 年までの連載でした。惜しい!(何が?)

とっても! ラッキーマン』から数えて 3 作目──というところも、非常に似ています(だから何と?)。

バカバカしいの! – Wikipedia

このあたりは、ガモ──大場つぐみ先生が勘違いしたのか、それともわざと ずらしているのか、じつに悩ましい!

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バクマン。 #145-2 「提供と停止」 イレギュラーとネームの元

『バクマン。』 145 ページ 「提供と停止」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 38 号)

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(眠さの元は──どこから来るの?)

七峰透の宣戦布告を、一方的に・しつこく・たっぷりと聞かされたあとで、サイコーとシュージンは──おそらく七峰の会社の車で送ってもらいました。個人的に、ここが一番のツボです!

HUNTER×HUNTER』に出て来た「ウヴォーギン対クラピカ戦」の直前を思い出すんですよね、こういう場面を見ると。

これから因縁の対決をする! という時に、2 人きりで車に乗って移動するのは、どんな気分なんだろう? 「ガム食うか?」「──必要ない」みたいな会話があったのかも。前にも同じことを書きましたが──。

バクマン。 #112-1 「パンチと一人立ち」 「走れメロス」と温室 | 亜細亜ノ蛾

今回の『バクマン。』で、亜城木夢叶が乗って帰ってきたのは、タクシーかもしれません。でも、もしかしたら、「またオレ?」とか思いながら響が車を運転したのでは──と想像するのが楽しい。

かつてはライバル同士だった 3 人の、その居心地の悪さを考えると──、脳のスミっこや背筋がムズムズしてきます。とても悪趣味だけれど、だから面白い。

みんなも、「コマとコマの間」を読もうぜ!

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バクマン。 #145-1 「提供と停止」 挑発的と友情ごっこ

『バクマン。』 145 ページ 「提供と停止」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 38 号)

Animal friendship 2
(種を超えた友情ごっこも良──なんかベトベトする)

(かつての?)「ジャンプ」マンガの三本柱である、「友情・努力・勝利」への皮肉が出ましたね!(「友情」と「感動」だったけれど)

「皮肉グルメ」の自分は、今週号の『HUNTER×HUNTER』と一緒に、おいしく いただきました(?)。

バトルマンガの多い「ジャンプ」では多くの場合、この三本柱が語られるのは、命懸けの場面です。ところが──、戦いも友情も「ごっこ」に見えることが多い。

自分は何度も何度も書いてきましたが、一対一で命懸けの戦闘をしている最中、「敵に背後に回り込まれる」なんて あり得ないから! そこから「九死に一生を得た」としても、何回も描かれると萎える……。

こんな調子では、『めだかボックス』で一番好きなキャラ・球磨川禊のように、「ジャンプ」を批判する登場人物が増えてきそうです。


同じような「メタ批評キャラクタ」は、ほかのマンガ雑誌にも いるのでしょうか?

──自分が知る限りでは、『さよなら絶望先生』くらいです。あのマンガは、「マガジン」どころか「ジャンプ」や「サンデー」にもガンガン食い込んでくるけれど。

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HUNTER×HUNTER #313 「一言」 人間として生きる者・ヒトと生きる者

HUNTER×HUNTER No.313 「一言」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 38 号)

Words have a power all their own
(膨大な書物よりも──ただの一言が世界を変える)

思い切り不安をあおるだけ あおって、前回は終わりました。それから 1 週間、あのあとの展開を何度も想像してみましたが、どうしてもイヤな映像しか頭に浮かばない──。

いやいや、主人公側のキャラクタではないけれど、ウェルフィンは登場回数も多いから、まさか、命を奪われたりは しないとは思いました。

(ヒント: ポックル・カイト・ヂートゥ)

さまざまな思いを胸にして、今週号の『H×H』のページを慎重に開いてみると──、

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OLYMPUS PEN Lite E-PL3 – E-P3 譲りの性能と可動式の液晶モニタ

OLYMPUS PEN Lite E-PL3

Quill
(羽ばたくほど──軽やかなペン!)

オリンパスの PEN Lite E-PL3 が発売されます! パッと見た感じは、まるでコンパクト・デジタルカメラですよね。ところが、レンズが交換できる上に、高機能・高性能な、実力派カメラですよ!

E-PL3 の発売日は 2011 年 9 月 3 日・土曜日です。忘れないように、下のリンクから予約しておきましょう!

E-PL3 の おもな特長は、次のとおりです。

オリンパスのコンパクトなカメラと言えば──、同じ PEN シリーズの E-P3 が先月に発売されたばかりです。世界最速のオート・フォーカス速度を誇る E-P3 と、今回の E-PL3 とでは、どこが違うのでしょうか?

OLYMPUS PEN E-P3 – 世界最速のオート・フォーカスにタッチする : 亜細亜ノ蛾

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バクマン。 #144-4 「会社と必勝法」 爆発的なヒットとマンガ界

『バクマン。』 144 ページ 「会社と必勝法」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 37 号)

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(こんなヒットを──打ってみたい!)

今回のサイコーとシュージンは、なぜか必要以上に七峰透を挑発しています。「普通のマンガ家」ではなくなった七峰のことを、ライバルではなく「敵」として見ている──。

マンガ家と編集者以外には極端に冷たい 2 人です。

七峰が亜城木夢叶にファンレターを送っていたことなんて、2 人とも すっかりと忘れているのでは? 彼が亜城木を目指していることも、まったく気がついていません。

それは高浜昇陽も同じですね。

高浜も「打倒・亜城木夢叶」を目標に掲げていました。現在の彼は、ドラマ化の勢いに乗っているから、すでに師匠である亜城木よりも人気作家なのかもしれません。しかし、当のサイコーとシュージンは、これまた高浜を気にもしていない。

マンガ家にさえも冷たい亜城木なのでした。

──などとボロクソに書いていますが、これで亜城木夢叶の 2 人が「へー すごいじゃん 七峰くん!」「やるなー」みたいな反応をしていたら、何もドラマになりません。サイコーとシュージンが冷たいのは、「必要悪」なのか。

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バクマン。 #144-3 「会社と必勝法」 プロデュースとマンガ喫茶

『バクマン。』 144 ページ 「会社と必勝法」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 37 号)

Manga Kissa
(個室の時代は──もう終わる)

マンガの講義を受ける立場でもあり、「社員」でもある──という、ものすごく待遇の良い原作者たちが出てきました。本人たちに向上心さえあれば、マンガ家としてのデビューも狙いながら、報酬も もらえる。

「マンガだけの話じゃないの? 非実在青少年?」

そんなことを言う人も多そうですが、現実世界でも似た制度がありますよ。それは、企業から賃金をもらいながら大学院に通う、社会人大学院制度です。

──などと知識を披露しましたが、森博嗣先生の『数奇にして模型』で読んだだけですからー! 残念!!(何もかもが借り物の人生)

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バクマン。 #144-2 「会社と必勝法」 ゲスな人間と通常業務

『バクマン。』 144 ページ 「会社と必勝法」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 37 号)

Guess shop
(ゲスな人は──格好いい)

前回はスルーしてしまいましたが、HIBIKIのあとにつづく M.SM.K というフロア名は気になっていました。

響が「マジ スネ夫」と「メッチャ 気さく」という意味──ではないとは思ったけれど。

CorporationCO と略しているくらいだから、上の 2 つも英単語の略かというと──ものすごくテキトーな名付け方であることが分かりました。

七峰には、ネーミングのセンスが欠けているのかも。

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バクマン。 #144-1 「会社と必勝法」 逆世代交代と えげつないこと

『バクマン。』 144 ページ 「会社と必勝法」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 37 号)

your dirty mind
(いともたやすく見間違える──えげつない言葉)

前回のラストを読んでも、「黒幕は七峰透ではない説」を(ネタ的に)押してきましたが──、なんと! やっぱり彼は七峰でした。当たり前ですね。

──いや、まだまだ「七峰が『パパ』と呼んでいた人物は父親ではない説」を猛プッシュしていきますよ! 根拠は、社名の誤字です(しつけェーーー!)。

参考: バクマン。 #143-1 「お金とリサイクル」 アルバイトとカラスマン : 亜細亜ノ蛾

今週号は「七峰の回」と言っても良いくらいでした。彼の過去まで描かれている。とても良かった!

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