冨樫義博一覧

『HUNTER×HUNTER』 #376 「決意」 感想

HUNTER×HUNTER』 #376「決意」 感想

les enchaînés (心と心を──繋ぐ扉)

オカマ・キャラ = 強者」はバトル・マンガの鉄則です!
まっ先に思い浮かぶオネエと言えば、『ONE PIECE』のボン・クレーと『銀魂』の西郷 特盛ですね! どちらも信念の人です。

しかし、「性的少数者 = 世間の声に逆らって生きている = だから強い」という流れも、そろそろ古い考えになるかもしれませんね。彼ら・彼女らも、ごく普通に同じ社会で暮らす仲間の一人です。

近い将来、「さらわれて虐待されていたヒロインの男の娘を救出する」といった場面も増えるでしょう。ここで重要なことは、「ギャグ」としてではなく、「ヒロインのバリエーション」として描かれることです。

(そう書きながらも、性の趣向を人物造形に絡めることは、すくなくとも少年マンガでは難しいだろう。『ゆらぎ荘の幽奈さん』の冬空 コガラシが「ちょっぴり──いや、かなり変わった性癖の持ち主」だったら、「週刊少年ジャンプ」では載せられないよ!)

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『HUNTER×HUNTER』 #375 「説得」 感想

『HUNTER×HUNTER』 #375 「説得」 感想

Angel Bear (愛こそは すべて──を束縛する)

守護霊獣の能力が次々に明かされました!
今回だけで、第2・5・6・7・9王子に憑いた霊獣の能力が判明しています。ただし、読者にだけ明かされた情報です。本人も含めて登場人物たちは まだ知らない。

──このまま知らずに敗退もあり得そうで、あからさまな敗北フラグにしか思えません……。

まだ能力が不確定な霊獣は、第8・10・11・(12・)13王子に憑依しています。
──モモゼの〈念獣〉は、「ヒマ?」の能力が すべてだったのかな……。

そして、第1・3・4・14の霊獣は、どんな能力か不明な ままです。
これまた明らかに勝ち組グループですね!

──第3王子・チョウライの霊獣の能力が「無限にコインを生み出せてメッチャ儲かる(けどアカウント凍結)」という時事ネタでなければ良いけれど(アカウント?)。

ビットコイン2千兆円男がZaifに苦言 「怒りというより呆れています」

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『HUNTER×HUNTER』 #374 「能力」 感想

HUNTER×HUNTER』 No.374 「能力」 感想

smoky alien reflection (おぞましいほどに──愛おしい)

自分探しへの不安

ハンゾーが「自分の体に帰れる」と信じていて不思議でした。

現在は、1013号室の居住区 全体が別の場所に 転移させられていると考えられます。どこへ移されたかは不明で、おそらくは〈念獣〉──〈念能力〉の配下にあるのでしょう。
以前に出た能力で言えば、ノヴの〈4次元マンション〉が近いはず(あとはヂートゥの鬼ごっこ)。情報が少ないため憶測ですが、どう考えても簡単に外部から侵入する手段はないでしょう。

そんな状況で、どうやったらハンゾーは元に戻るのだろうか?
「絶対に体と離れたままでは いられない」という幽体の制約が あるのかもしれませんね。
あるいは、次回あたりに戻れなくて焦るハンゾーが見られたりして。

似た者きょうだい?

今回は「似たような念能力の対比」が面白かった。

まずは「壁を無視して移動する能力」の二組です。

  • 魔法の抜け道〉(マジーク ワーム)による空間移動(フウゲツ王子の能力?)
  • ハンゾーの〈幽体〉による壁抜け

次は「口から何かを出す能力」ですね。

  • 煙を吐き出すサレサレの念獣
  • 口からコインを生み出すチョウライの念獣

──ん? どちらも こじつけじゃねぇか! とは書きながら思った。
しかし、このタイミングで わざわざ4つを並べてきたということは、なんらかの関連があるのかも。(ハンゾーは ともかく)それぞれの王子の能力は連動している、とか?

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『HUNTER×HUNTER』 #373 「継承」 感想

HUNTER×HUNTER』 No.373 「継承」 感想

Mother cat caressing her kittens (けがれを知らぬ──新生の白)

第1王子と第2王子の能力が公開されました!
どちらも上位王子らしい強力な念能力です。しかも、両方とも両王子だからこそ使いこなせそうな能力でした。もしクロロが盗んだとしても、王子ほどには扱いきれないのでは?

「死後に発動する〈〉」は、最近になって急に増えてきました。
第1・第2王子の念能力も死が鍵となっている。今後も死者の念が登場し、生者を救ったり苦しめたりするでしょう。
ゴンの念能力の復活も、何かの形で死が絡んでくるのか……?(ナニカが一瞬で治しそう)

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HUNTER×HUNTER #369 「限界」 付け焼き刃と両刃

HUNTER×HUNTER』 No.369 「限界」

Kalis seko kris moro sword 1b
鈍く光る刃は──親子を救うか

ブラックホエール1号は、その名の通り巨大なクジラに見えます。
そして王位継承戦は、船の1層で繰り広げられています。1層そのものがクジラの頭に浮かぶ「小さな船」みたいで面白い。

無限に広い海では、巨大なはずの鯨は、まるで砂漠をさまよう虫けらのようです。この構図は、これまでの(ごく一部を除いた)人類が知る「小さな」世界を模している。

同様に、寝ている間に寿命を削ったクラピカは、寝落ちして原稿を落としたマンガ家を模しているのかも。
──あ、冨樫先生なら無傷か(出版社と読者に大ダメージ)。

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HUNTER×HUNTER #367 「同期」 G、船上のアリア

HUNTER×HUNTER』 No.367 「同期」

G
汚らわしく蠢く──わずかな希望

『H×H』史上、もっとも読んでいてキツかった回です!
冨樫先生、なぜ「アレ」をターゲットに したのですか!? 「小動物」だったら何でも良かったはずなのに……。

ミッキー
「ボクは駄目だよ! ハハッ!」
今回の見どころ
  • 華麗に舞い、優雅に旋回し、皆のために働く──、G
  • ついにビルにも見せ場が!
  • 登場のたびにカワイらしくなっていくオイト王妃

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HUNTER×HUNTER #366 「其々」 殺戮はディナーの あとで

HUNTER×HUNTER』 No.366 「其々」

Agatha Christie
素知らぬ顔をして漂う──猛毒

まるで「ランキング形式」のように全王子が登場しました。
これだけ人数が いればキャラが被っていても不思議では ありません。ところが、誰一人 似ていません。父親が同じナスビー゠ホイコーロ──なのか疑わしいくらいです。
もしも違っていたら、この〈王位継承戦〉の前提が すべて崩れ去るけれど。

今回の見どころ
  • 「真顔」な警備兵
  • ツェリ様、それ知ってたわー、二年前から予想してたわー(ミサワ
  • 登場人物が多すぎて紹介が追いつかないよ!
  • 求愛力の変わらない ただ一人の王子、タイソン(←?)
  • 「王位継承戦か……フッ……まるで将棋だな」(←は?)

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HUNTER×HUNTER #365 「選択」 赤ちゃんと お出かけ

HUNTER×HUNTER』 No.365 「選択」

eye2thomastolkien
見えない驚異か──見える恐怖か

海外ドラマでは、主人公の足を引っ張る人物が次々に現われる。
一つの例を挙げると、【PR】Amazonプライム・ビデオにて一年中・24時間の見放題である『24』です。この連続ドラマでは、「主人公以外は敵」といった状況が延々と続いていく。
なにしろ、一番ジャマしてくるのは主人公の家族ですよ!(ネタバレ)

最近の『HUNTER×HUNTER』も似たような局面です。誰が味方で敵なのか、ハッキリとは断言できません。
今回は、意外な人物が突然に牙を剥いてきました!

今回の見どころ
  • クラピカの味方が裏切り!?
  • いくらでも蘇る「〈守護霊獣〉が見える条件」
  • 「彼女」は二人いる?

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HUNTER×HUNTER #364 「思惑」 泣く子と王子には勝てぬ

HUNTER×HUNTER』 No.364 「思惑」

phone
電気信号に置換される──死神の伝言

正規国王軍を兼ねた第一王子の私設兵は、最悪に厄介な存在です。
ビンセントは「防衛権」を盾にして(むしろ矛にして?)好き放題できる。念能力や拳銃を使い、王子や側近を消せれば良し。あるいは、正当防衛で退場させられることも計算済みでしょう。

たとえるなら、〈伸縮自在の愛〉(バンジー ガム)で全身を覆ったヒソカが襲ってくる感じです。
クラピカからすると、受けても攻めても──もとい、攻撃しても防御しても排除させられる。当然、クラピカのことだから、ビンセントに「協力」するハズもない。

この危機をクラピカたちは どうやって乗り越えるのか?

今回の見どころ
  • クラピカの人差し指の鎖に新しい事実が発覚
  • ……おや!? ワブルおうじの ようすが……!
  • 「エンペラー タイム」には恐ろしいルールが……
  • 一難去ってまた四難!

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