週刊少年ジャンプ一覧

バクマン。 #35-4 「嬉しさと寂しさ」 他人の印象と天才への評価

『バクマン。』 35 ページ 「嬉しさと寂しさ」 (週刊少年ジャンプ 2009 年 22・23 合併号)

1D30_7474-Rice,Farmer, Taiwan 農忙-稻田-除草-農夫農作-農業-farmland, cropland, Agriculture, Paddy, traditional (by Harry‧黃基峰‧Taiwan) (by Harry‧黃基峰‧Taiwan)

亜城木夢叶の仕事場を元・川口たろうが使っていた事を知って、港浦がハシャいでいる。その姿が面白い。うすた京介がたまに描く画風に似ている。──あれは、元ネタがあると思うけど、なんだろう?

この港浦を見るだけでも、同じ小畑健さんが描いた『DEATH NOTE』とは、かなり絵柄が異なっていることが分かる。

今となっては、小畑さんの名前には必ずといっていいほど「美麗な絵を描く──」といった枕詞がつく。しかし、そういえば、デビュー作はギャグマンガである『CYBORGじいちゃんG』だったのだ。ギャグとシリアスとの描き分けや動きのある場面は、お手の物である。『DEATH NOTE』だけを見て、「小畑絵は動きがない」などと評論家を気取る人は、反省しなさい。

というか──。G ちゃんは(うろ覚えだが)かなり大笑いして連載を読んだ記憶がある。Wikipedia で設定を読んでも「いい意味でアタマオカシイ」のが最高だ。

そうすると、どうして小畑さんは「原作者付きで」「美形キャラが中心の」「リアルタッチな」絵を描く事に専念しだしたのだろうか?

このあたりは、たぶん、調べれば分かるだろう。ご本人がどこかで語っているかもしれない。しかし、自分としては、なんとなくこの謎を「墓まで持っていく」ことにしよう(わざと誤用している)。

そのほうが、ロマンチックだ……!

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バクマン。 #35-3 「嬉しさと寂しさ」 原稿料とアシスタント代

『バクマン。』 35 ページ 「嬉しさと寂しさ」 (週刊少年ジャンプ 2009 年 22・23 合併号)

Rose and cross (by lant_70) (by lant_70)

今週号の『バクマン。』には、週刊少年ジャンプの原稿料がハッキリと明記してある。読み切りと連載では金額が異なるようだ。当然、連載になると額が上がる。

自分が一番知りたかった、肝心の「年間契約料」は、さすがに書かれていなかった。「高校生の君達には多すぎだ!」という港浦の言葉から想像するしかない。

ジャンプの契約料について検索すると、「Yahoo!知恵袋」の解答が見つかった。ぜひともご覧いただきたい。

──どうだろう。自分と同じような「ガッカリ感」は味わえただろうか?

いつも思うのだが、「○○について知りませんか」と質問する人に、どうして知りもしない人が答えるのか……。某・価格の比較サイトにある掲示板での「カメラの A と B は、どちらが良いですか?」「両方とも使った事は ありませんが──」というやり取りとか。

情報の根拠となる外部の記事や出版物を挙げられないような、「ソースはオレ」という情報には、「自分の憶測ですが」とか「──と自分は思います」と書けばいいのだ。

という事で、「『バクマン。』は、いま世界で一番おもしろいマンガだと、自分は思います」と書いておこう(『HUNTER×HUNTER』が帰ってきたら、ゆらぐかも)。

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バクマン。 #35-2 「嬉しさと寂しさ」 去る服部と感謝する亜城木

『バクマン。』 35 ページ 「嬉しさと寂しさ」 (週刊少年ジャンプ 2009 年 22・23 合併号)

Ilford Sportsman (by Dr Craig) (by Dr Craig)

港浦がジャンプの編集者らしく、荒木飛呂彦の名セリフ(?)を言う。

ああ、そんなのあったね – 2ちゃんねる漫画用語辞典Ver.4.0(仮 @Wiki – あ行

──という事ではなく、たんなる無神経な発言である。「そんなこと ありましたね」、と。

極端な体育会系の人間として港浦を描いているが、編集者には こういうタイプが多いのだろうか。

そういえば服部だって、どちらかと言えば「上下関係をキッチリ」「横同士のつながりを密に」という感じに見える。

作家と違って文章で食っているわけでもないし、マンガ家の原稿を何日も(張り付いて)待ったり、確実に編集部や印刷会社へ原稿を届けることが仕事なので、スポーツマンタイプの編集者が多いのかもしれない。

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バクマン。 #35-1 「嬉しさと寂しさ」 港浦の登場と服部の知らせ

『バクマン。』 35 ページ 「嬉しさと寂しさ」 (週刊少年ジャンプ 2009 年 22・23 合併号)

Change, we fear it.... (by apesara) (by apesara)

先週号から登場したゴツい男の名は、港浦(みうら)という。

前回の感想で、この人物をアシスタントだと自分は予想したが、実際には新人の編集者だった。服装だけを見ると、警備員にも見える。学生時代は体を使ったバイトをしていそうな感じ。

とにかく熱い──というか暑苦しい男だ。相手が初対面でも空気を読まずに、ガンガン押しつけていくタイプに見える。サイコーとシュージンは面喰っているようだ。

この港浦を連れてきた服部の口から、驚くべき事が語られる。本当にビックリした。亜城木夢叶の連載が決まったことよりも、衝撃的だ。

それは──。

まるで、『DEATH NOTE (7)』のあの展開のように、ショックだった。

そのほか、今週号の『バクマン。』は、見どころが多い。週刊少年ジャンプでの連載をねらっているマンガ家志望者は、永久保存で 3 冊は購入するべきである。

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バクマン。 #34-4 「追う者と追われる者」 難解な親娘と悩む三人組

『バクマン。』 34 ページ 「追う者と追われる者」 (週刊少年ジャンプ 2009 年 21 号)

お蝶夫人 (by shibainu) (by shibainu)

亜豆家の美人親娘(おやこ)の会話は、まるで暗号である。読解する難易度がものすごく高い。会話が成り立っていないのでは、と思うほどだ。

まだ、お母さんである美雪のほうが分かりやすい。しかし、美保は異次元に住んでいる。この 2 人が話を始めると、通訳が欲しくなってくるほどだ。

自分はすぐに影響されるため、あまりウェブ上で『バクマン。』の感想は読まない。それでも、亜豆美保についての「解読書」は欲しいところだ。どなたか、美保と同じくらいの不思議レベルの女性か、そのような女性の気持ちが分かる方に、まとめ Wiki を作って欲しい。

──大場つぐみ先生の中でも、亜豆のことは理解できていなかったりして……。

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バクマン。 #34-3 「追う者と追われる者」 母の勘と騒ぐ男たち

『バクマン。』 34 ページ 「追う者と追われる者」 (週刊少年ジャンプ 2009 年 21 号)

Duck Wing (by StephenMitchell) (by StephenMitchell)

エイジからサイコーへ向けた言葉は、エールであり挑戦状だった。これもまた、バトル物に ありそうな展開だ。熱い!

アップになって初めて気が付いた。エイジが身につけている羽(ほうき)は、たんに首元に差し込んでいるだけなのか! ええ !? 執筆中にモサモサして気持ちが悪そうな気がするけど……。何か特別な工夫をして固定している、のかと思っていた。

初登場時の「自分の嫌いな漫画をひとつ終わらせる権限」を要求したときの格好と同じくらい、今回のズキューンですのポーズは決まっている。

ヒーロー物のマンガを描いているマンガ家は、立ち振る舞いも格好良くなるのだろうか。「なん……だと…… !?」の先生は、それが口癖でよく言っているのかもしれない(誰?)。某先生は、どんなに落ち込んでいても「肉食ってドン!!!!」と回復しそうだ。

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バクマン。 #34-2 「追う者と追われる者」 チャンスと文句

『バクマン。』 34 ページ 「追う者と追われる者」 (週刊少年ジャンプ 2009 年 21 号)

yakiniku (by urakido) (by urakido)

世の中には「いまごろ言われても……」と思う事が多い。今週のジャンプだけでも山ほどある。

ヤミー:
十刃の数字は 0 から 9 だ

「いまごろ言うなよ! どんだけ後出しジャンケンが好きなマンガなんだ!!」──と思った読者も多いだろう(責任転嫁)。

十刃(エスパーダ): 破面 – Wikipedia

ツナ:
……そんな 感じなんだ……
ハル:
「……」(そんな、いまごろ──というか、告白じゃなかったんですか……)

そのほか、『いぬまるだしっ』のフルチンになるという症例とか、『To LOVEる -とらぶる-』のペケのフォームチェンジとか、大盛り上がりしている『ONE PIECE』が「作者取材のため休載です」とか──何を今さらなんだよ!(一部、例にふさわしくない気がする)

あと、『アイシールド21』のアメリカ代表チームって、パンサー以外はザコのニオイがプンプンするよね……今さらだけど……。

そんな今さらネタが『バクマン。』の感想に関係があるのか──というと、ちゃんと関連している。こじつけだが。

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バクマン。 #34-1 「追う者と追われる者」 喜ぶ者と不満な者

『バクマン。』 34 ページ 「追う者と追われる者」 (週刊少年ジャンプ 2009 年 21 号)

Drop Tear (by lenifuzhead) (by lenifuzhead)

今回の『バクマン。』は巻頭カラーである。連載(わずか)34 回にして、何回目のカラーだろうか……。相変わらず、美しい色合いだ。

──と思っていたら、何という顔をしているんだ! サイコーもシュージンも(最近はマスコットキャラと化している)見吉も、「面白顔芸大会」で優勝できる(なにそれ?)。

それはそうだよな。だって──。

タイトルページの見開きイラストは、蒼樹紅がカワイすぎる。美しい。心なしか、一部分が「増量キャンペーン中」みたいになっているが、これは自分の目と心が ゆがんでいるのか(きっとそうだ)。

第一印象では、この蒼樹は、キム・ヒョンテが描きそうなカラーリングと表情に見えた。自分の好きな絵柄だ。

Hyung-taekim.org: a comprehensive fan gallery for Korea’s renowned artist Hyung-tae Kim.

そして、キム・ヒョンテといえば、この記事だろう。

キム・ヒョンテ氏のデッサンは素人レベル – ARTIFACT@ハテナ系

──id:kanose さんは、本当に一流の釣り師だよなぁ……(入れ食い入れ食い)。

「釣り」といえば──。感動の最終回を迎えた(!)『魔人探偵脳噛ネウロ』には、桂木弥子の好物が書いてある。今回は、ぶっちゃけ口に入ればだいたい好きとのこと。女の子の口に入るもの、というと──「うまい棒」とか?(抑えて抑えて)。

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バクマン。 #33-4 「ありとなし」 福田の礼儀と雄二郎の国語

『バクマン。』 33 ページ 「ありとなし」 (週刊少年ジャンプ 2009 年 20 号)

Bookmark (by emrank) (by emrank)

個人的には、『編集王』を読んだあたり(15 年も前か……)から、「マンガは好きだが、作られる過程まで知る必要はないか」と思っていた。「マンガを愛していない編集者がいる」と知ったからだ(知ったと言っても『編集王』はフィクションだけど)。

それが、『バクマン。』を読むと、熱い編集者(服部哲)もいい加減な編集者(服部雄二郎)も「面白さ至上主義」の編集長も、みんなマンガを愛している。愛し方には違いがあるけれど。

バクマン。 – Wikipedia によれば、バクマン。」の連載が始まって以降、この漫画の影響と思われる低年齢層の『WJ』編集部への漫画の持ち込みが増えているのにも納得ができる。作中に出てくる編集部へなら、自分の作品と未来とを託すことができるだろう。

ところが、実際は どうなのか?

マンガ編集者に関する興味深い記事を読んだ。刺激的なタイトルだが、中身はそれ以上にスパイシィである。

編集者がみんな優秀なわけではありません。私の個人的な印象としては、10人編集者がいたら7人が凡庸で2人が無能。尊敬できる優秀な編集者は10人に1人くらいしかいません。私の印象が正しいとすれば、作家の10人中9人はハズレを引いていることになります。

どの会社で働くかよりも、どの上司の下で働くかを真剣に考えた方がいい – ラノ漫

編集者の仕事に興味がある人には、下の記事も参考になるだろう。

奥付に載らない仕事・マンガ編集者の世界 – ラノ漫

『バクマン。』はジャンプ誌上に載るだけあって、やはり美化して描いてあるのだろうか……。

あと、すこし気になるのが、「ジャン○編集部にマンガを持ち込んだけど質問ある?」というスレが「数字で呼ばれる掲示板」に立たないのは、なぜだろう?

(答え: 本気でマンガを描いている人間に、そんなヒマはない)

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バクマン。 #33-3 「ありとなし」 許しがたい言葉と天才・平丸一也

『バクマン。』 33 ページ 「ありとなし」 (週刊少年ジャンプ 2009 年 20 号)

Adult Sea Otter (Enhydra lutris)  in Morro Bay, CA (by mikebaird) (by mikebaird)

初登場のマンガ家が名前と説明だけ載った。名前は平丸 一也(ひらまる かずや)という。

班長が平丸の説明をする場面を見て、鈴木みそ氏の『おとなのしくみ』を思い出した。とんでもない人のエピソードを淡々と語るところが、似ているのだ。ゲームやマンガの業界には、並外れた人はゴロゴロいる。

ほかの人へ感動を伝える際は、「どれだけスゴいか」を力説する必要は ないのだ。とくにブログなどへ文章で書くときには、オーバーな表現は逆効果である。顔文字や絵文字が並んだ文章は、見た瞬間に「引いて」しまう。

落語を見よ。落語家は誰もが無表情だ。自分のネタに自分で笑っている噺家(はなしか)は、いない。

表面は冷めていつつも、内面には情熱を燃やす。ひとへモノを伝えるときには、こうありたいものだ。

ところで、自分は落語には興味がないし、見たこともないのである。それでも、2 行上のような文章はシレッと書くほうが良い。「いや、○○家○○朗さんは、笑って話してますよ」と言われたら、舌を出して頭をかけばいいのだ。

そうやって適当なことを書くと、信頼を落として苦労するよ(リアルでもウェブでも)、という話である。

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