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『HUNTER×HUNTER(ハンター×ハンター)』 No.4 「最終試練開始!」

Coffee Shop 44一杯の借りで済んだら──楽だったのに

もう時効だろうから白状すると──、ヒソカが言った下のセリフを、連載当時に決めゼリフとして掲示板で使っていました……。あのころのオレは青すぎた。いま思い出すと、顔が青くなる。

しかし 青い果実ってのは どうして ああも 美味し そうなんだろう ねェ…

H×H』の とくに初期は、自分にとって黒歴史の宝庫でした。似たような人も多いでしょうね。すっかり熟れきった果実の今、それはそれで良い思い出です。だから 10 年後にも感想が書ける!

No.027 「一触即発」

奇術師・ヒソカに対するクラピカの判断が素晴らしかった。すぐに戦いを挑めば瞬殺されていただろうし、逃げれば もっと悲惨な死に方をしたかもしれない。この場は交渉を持ちかける以外、クラピカとレオリオが生き残る道は ありません。

──いや、そもそもヒソカはプレートを くれないか? と言っているだけなので、「おとなしくプレートをすべて渡す」という選択も あり得るでしょう。

しかし、そんなことをしたらヒソカは興味を失って、あっさりと 2 人とも始末した可能性が高い。

戦う意思を示したレオリオが、じつに良い表情をしていますね! いままでにも彼が真剣な態度を取ったことは多かった──というか彼なりに いつも真剣だったのでしょうが、「レオリオが格好いい!」と思えたのは初めてでした。


欲情して きちゃったよ」のヒソカは、「強いけれど変わり者」という設定の真骨頂が存分に発揮されています。もう、半分以上は人間として描いていないのでは──と思わせる。

気がクレイジィってる人をマンガで描くとなると、普通は わざとらしくなります。よっぽど画力がないと、「たんなる雑な絵」で終わってしまう。見ていて冷めます。

ところが、「欲情ヒソカ」は強烈だった! 次回の冒頭も突き抜けていたし、作者自身がクレイジィだから描けたのでしょうね(誉め言葉?)。

No.028 「大きな借り」

淵 !? い、いや」というセリフが連載時には謎だった。いまではインターネットのパワーを使えば数秒で分かります。

淵!い、いやヒ・・・ヒソカ!!|HUNTER×HUNTERのどうでもいいことを真面目に考えてみるブログ

このころから(もっと以前から?)冨樫義博先生は、伊藤潤二先生の作品が好きだったようですね。不勉強な自分は、No.322 で ようやく気がつくのであった──。

HUNTER×HUNTER #322 「兄妹」 ブラック・オア・ホワイト | 亜細亜ノ蛾


新條まゆ先生の『覇王・愛人 (3)』に出てくる一場面で、「サイト・スコープが付いていないライフル」なのに「照準が出ている」ことなどを指摘する(バカにする)人がいます。

こんなことで落ち込む作家が多い中、新條先生は ありあまる余裕(と お金)を見せつけていて笑いました。

『ちょろいもんだぜ そのキレイな顔をフッ飛ばしてやる!!』の漫画家の新條まゆさんスナイパーライフルを手に入れる → とりあえず担ぐ:【2ch】ニュー速VIPブログ(`・ω・´)

ところが何冨樫先生は、3 年ほど早くゴンの目に照準を付けていた。新條先生を笑う人は、冨樫先生も笑うと良いでしょう。そして自分は「『マンガ的表現』って意味分かりますか?」と笑う。


プレートを取られたことに驚いて、ほうけた顔をするヒソカが、なんと 5 コマも描かれています。それくらい彼にとっては衝撃的だった。

おそらく、いかにも弱そうな「浦島太郎モドキ」ことアゴン相手に、ヒソカは「あの力」を使っていなかったでしょう。もしもゴンの竿が殺傷力のある武器だったら、ヒソカの命に届いた可能性がある。

ヒソカが こんなにスキを突かれたのは、もしかして生まれて初めてかもしれませんね。完全にゴンのことを認めた瞬間です。「一瞬のスキ」が「一生の好き」に つながった。


そのあとのヒソカの行動が興味深い。狙撃手・ゲレタを わざわざ仕留めています。

結果的にはヒソカのターゲットだったから得をしたけれど、そうでなければゴンのために「ただ働き」したに近い(1 ポイントは入ったけれど)。本当に「ほめに きただけ」だったんだな。

もしもゲレタの攻撃をゴンが食らっていなかったとしても、ヒソカなら余裕でゴンに追いついたはず。その場合、ヒソカは──どうしただろう。

ヒソカからすれば、「キミは ずっと ボクに生かされて いるのだよ」という心境は変わらなかったはず。ゴンの意地っ張りも同じでしょう。ここで本気のバトルになったかもしれません。

しかし いずれにせよ、ヒソカの一発で終わりだったかな。上で書いたように、ひょっとしたら「初めての相手(はぁと)」なゴンを、この時点で消すとは思えません。

No.029 「キルアの場合」

アモリ・イモリ・ウモリの 3 兄弟は、トンパから謝礼を受け取って新人いびりをしていました。そのわりには ちゃんとプレート集めをしています。つまりは、合格する気でいる。

ここから考えると、3 兄弟が試験を受けるのは 2 回目以上なのでは? 見知らぬ人間の言うことを、最初の試験で聞くとは思えません。美女の頼みなら ともかく。

ここまで勝ち残ったからイモリも それなりの実力者なのでしょうが、暗殺のプロであるキルアの敵ではなかった。みぞおちを蹴られながら、どうやってプレートを奪ったのでしょうかね。「胸骨を無視した心臓抜き取り」よりは簡単なのかな。

余裕しゃくしゃくなキルアと、彼の実力を察したアモリ・ウモリとの温度差が悲しくも面白い。目まぐるしくカメラが動いていて、いかにも壮絶なバトルが始まる──と思わせている点にも注目です。実際には、ネコが虫で遊ぶような結末だった。

ネコと言えば、この緊迫した空気のなかで、唐突に「ネコ化したキルア」を出す演出がニクいですね! テンポ良く緊張感をコントロールして、読者を飽きさせない。

アモリからすれば生きた心地がしなかっただろうし、ウモリには試験の合格と兄弟の命を秤に掛ける苦渋の選択だった。──そんなことを まったく感じてきないキルアの軽さが、残酷ながらも楽しい。


お笑い担当の忍者・ハンゾーのオチも笑えました! 美味しいところを総取りですね! でも この場面は、たんなる笑いで終わっていません。

おそらく 3 兄弟には まったく気づかれずに尾行を続け、キルアの剛速球にも追いつけるような忍者が、なぜプレートを間違えたのでしょうか

こっちの いらないのは」と言いながらキルアは、投げる前のプレートを掲げています。──これ、もしかしたらハンゾーに見せたのかもしれませんよ。その上で すり替えた──と自分は思っています。

ハンゾーがマヌケだった──というオチでも良いのですが、さまざまな可能性を考えることが面白い。それだけの器を持った作品です。

No.030 「蠢く罠」

十年来の夫婦──いや親友のように、レオリオとクラピカはガッチリと同盟を組んでいる。あまりにも濃厚で親密な空気を作っているから、ゴンがいることにも気がつかなかったくらい。本当に仲が良いですねー(疑惑の目を向けながら)。

前の試験はゴンのおかげで突破できたのに、この 4 次試験では、クラピカは まっ先にレオリオとの同盟を結びに行った。以降、自分たちより年下であるゴンを心配する様子もない。──怪しまれても仕方がなかったりして。

また、木の上にいたのがゴンだったから良かったけれど、悪意を持った受験生だったら危険でしたね。ヒソカを一日中 尾行できたゴンだからこそ、気配に気がつかなかったとは思うけれど。

自分が受験生だったら、スタート地点に いくつもワナを仕掛けます。そのほうが効率的ですよね。──そしてヒソカに命ごと消される。


ポンズは薬品を使う──というトンパからの情報を鵜呑みにしていることは気になりますが、ゴンの鼻を使う作戦は賢い。たとえば、標的に特殊なニオイを付けておく──という戦略が思いつきます。今後、そんな場面があるのかな……。

──あ、いまごろ気がついたけれど、レオリオは特別な 香水を今回の試験中も付けているのでしょうかね。それでゴンも居場所が分かったのかもしれない。これは かなり不用心ですよね!

「ゴンくらい鼻が利く人間が ほかにもいる」とも考えられるため、クラピカも指摘すれば良かったのに。やはりレオリオには、いつもピシッとしていて欲しいのでしょうか(疑惑と確信が半々の目)。


こまかい部分まで考えられている作品だから、どうしても「罠らしき ものは ねーな」というレオリオの判断が引っかかります。薬品を扱う相手だから、無臭のガスで洞穴を満たす──といった戦術など いくらでも考えられる。

ただ、現時点で どれだけ警戒しても、洞穴に入ってみなければ結果が分からない。それに、このまま様子を見続けるほどの余裕はありません。まさに「虎穴に入らずんば虎児を得ず」ですね。虎の赤ちゃんは可愛らしいし(そんな意味だっけ?)。

抱きしめたいほどカワイイ…虎の赤ちゃんたちの写真16枚:らばQ


レオリオの容体を見たクラピカは、彼にしては異常なほど驚いています。「目の横に縦線が入る」ほど動揺するなんて、ヒソカが現れた時にも なかった。やっぱりクラピカはレオリオのことが──(確信の目)。

すぐに「種明かし」が あったので気にも止めなかったけれど、レオリオが噛まれた傷に比べて、蛇の数が すくなすぎます。普段のクラピカとゴンだったら、その違和感からバーボンのワナに気がついたでしょうね。

ポンズの態度が冷静すぎて、この話を読んだ時点では不気味でした。そもそも すべてポンズが一人で言っているだけだから、「すべてが彼女のワナだった」とも考えられるわけです。

ポンズこそ悪の総大将──という展開も面白かったな。

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