• 更新:
  • 投稿:
  • カテゴリィ:

HUNTER×HUNTER No.332 「喝采」 (週刊少年ジャンプ 2012 年 08 号)

Tauro, Piscis y Cáncer病院を出る全員が──笑顔で いられたら

毎回のように驚きの展開が待っています。ところが、過去の話を読み返してみると、ちゃんと答えへの糸口が見えることも多い。感想を書いていると、どうしてそこを見抜けなかったのか──と思ってばかりです。

ちゃんと今までの展開を頭に入れていれば、今回の話にも自然と つながっていました。だから読解力が高い人には、何もビックリするところがなく普通に読めたでしょうね。そういう人は、匿名の掲示板に何人もいそう(本当かどうかは さておき)。

自分は驚けて良かった!

何度も書いているように、マンガはクイズではないですからね。答えを探るために読むものでも、教訓を得るためのモノでもない。読んで自分が どう思ったか。──それだけが重要です。

捨て石にイヌ

一時期は「黒幕」的な存在かと疑ったミザイストムは、あっさりと捨て石になって選挙を降りました。

それは当然の結末だけれど、動くまでが遅すぎましたね。さらにはチードルと相談し合った結果ではなく、ミザイストムの独断で降りたように見える。どうしてこんなになるまで放っておいたんだ

一方、あまりにも簡潔で衝撃的なチードルの演説には、度肝を抜かれました。ジンに言われて「勝ちに行かない」戦略に出たのでしょう。まったく意図が分からないミザイストムやパリストン・ほかのハンターは、ただただ戸惑うしかない。

結果的にはチードルの決断は良い方向へ動きましたが、ただたんに彼女は、「パリストンの思惑どおりに物事が進むこと」を嫌っただけです。その点ではミザイストムも同じ。どうも そこに「自分の意思」が弱いように感じる。

ジンが言っていたように、残った 4 人でネテロの意志を継いでいるハンターは、パリストンただ 1 人だけですね。良くも悪くも。もしもネテロが生きていて、今のような選挙が始まったら、やっぱりノラリクラリと遊んでいたのでは?

主役登場!(?)

ピヨンに名前を呼ばれても気づかず、怒鳴られて前に出ても、まだレオリオの考えは まとまらない。

──この やり取りって、ものすごく「少年マンガの主人公」って感じがする! 学園ラブコメで何度も見た構図です。ということで次回から、レオリオとピヨン・チードルの三角関係を描いた『ウサコイ』が始まりま、せん。

いきなり「ハンター協会を私物化する」なんてレオリオがブチかましたから、もしかしたらパリストン以上の野心家だった !?

──なんてことはなく、ただただ彼は友人のことだけを考えていた。これまでの演説とは逆に、他人のことを思って選挙に出ていたのは、レオリオだけです。

パリストンは言うまでもなく、チードルもミザイストムも「清凜隊」(笑)も、会員のことなんて まるで眼中になかった。ただただ自分が勝つ未来しか見ていない。

読者である自分は、レオリオの思いやりを何度も見てきたんですけどね。それなのに、この展開は読めなかった。もう くやしくて仕方がない!(満面の笑顔

ネテロは あまりにも強すぎた。おまけに地獄耳で、先を見通す目も持っている。だから「会長は何でも 1 人でやれる人物」という印象が強かった。

しかし、レオリオのように、まわりのサポートが必要な会長も良いでしょうね。協力し合う関係が築ければ、それこそ本当の意味での「協会の私物化」を避けられる。

ジンと神の意図

レオリオの念を わざとジンは食らったのでは──という予想は すでに書いています(どやっ。

HUNTER×HUNTER #325 「参戦」 医師×遺志×意志 | 亜細亜ノ蛾

ただ自分は、「きっぷが良い」人物だからジンはレオリオに目を付けた──と読みました。そんなことよりも、自分の息子のために──友人のために心の底から心配して、本気で怒れる男だからこそ、レオリオに将来を託す夢を見たのでしょう。

言うまでもなく作者は、選挙が始まる前からこの展開を考えていたはずです。だからハンター全員が候補者の選挙になった。ジンの読みの深さをビーンズは恐ろしいと言ったけれど、さらに神は上を行っている。

ネズミの反撃

レオリオの演説は たしかに聴衆の心をつかんだ。多くの票を集めるはずです。それでも、チードルの読みは甘すぎると思う。パリストンが すべてを引っ繰り返すのでは──と今から不安になりました。

パリストンは演説で何を語るのか?

100 万人が思いつきそうで恥ずかしいけれど、いちおう『HUNTER×HUNTER (8)』ネタを書いておきますね。

パリストン
それでは 堅苦しい あいさつは ぬきにして くたばると いいね

冗談はさておき、選挙を勝ちに来るかどうかによって、パリストンが語る言葉は変わってきます。

あくまでもパリストンが会長を狙いに来た場合は、「一個人のために『協会を私物化する』人物を会長にして、本当に それで良いのか?」といった点を突いてくると考えられます。しかし、これでは真っ当すぎて味気ない。

レオリオ(やチードル)にとって不利な情報を、パリストンは握っているのかもしれません。副会長派の情報網を使えば、何らかの弱みを探ることくらいはできそうです。それらしい映像や音声を でっち上げても良い。

負けるが勝ち?

また、パリストンが選挙を勝ちに行かない展開も あり得そうです。その場合は、「私もレオリオ氏を会長に推薦します! 友人のために協会を使うなんて 素晴らしいじゃないですか!」とか何とか心にもないことを笑顔で しゃべりそう。

選挙が始まったころはパリストンの考えがサッパリ分からなかった。前回によると、どうやらマユから かえったキメラアントたちで「遊びたい」らしい。もちろん、本当に お手々をつないで お遊戯する──わけではないでしょう。

HUNTER×HUNTER #331 「X 日」 この世は閉じられている | 亜細亜ノ蛾

さて、この「5,000 人の兵士」を動かすには、パリストンが会長になる必要は あるのだろうか? マユを回収したことも、ほかの「十二支ん」には秘密だったし、記録にも残していない。「副会長の特権」を使ったわけでも なかった。

ここから考えると、すでに張り巡らされた「ネズミのネットワーク」(マルチ商法?)だけで、十分にパリストンの野望は叶えられる可能性が高い。野望が何かは不明だけれど。

ただ、前回でも疑問を持ったのですが、モラウやノヴたち「討伐隊」は、どうしてマユのことを気にしていないのだろう? ゴンのことが心配なのは分かるけれど、自分たちでは力になれないと分かった以上は、マユの件を優先するべきです。

いずれはモラウたちが動くとすると、パリストンにとって大きな驚異になる。会長選なんて、パリストンには どうでもいいイベントなのかも。すでにアリ退治の対策を考えていたりして。

眠れる美妹

まずはアルカが目覚めてくれて安心しました。前回は何となく「永眠エンド」みたいだったからな……。無邪気に すねているアルカが可愛らしかった!

「おねだり」なしでアルカがナニカに変わったことには驚いたけれど、これまたウラのルールらしい。ナニカが何かを治して眠った後は、続けて「アルカ」にお願いができる──。アルカが括弧書きな点も気になりますね。

さみしそうな表情でキルアは、ナニカに何も 「お願い」しないことを望んでいる。ウラを返せば、「まだ終わりではないこと」を悟っているからでしょう。

ナニカを利用しようとするのは、イルミだけではなく、親兄弟の全員であることが悲しい──。

イルミが壊せて直せる 能力を知った以上は、今回の追跡よりも もっと大がかりなワナで襲ってくるに違いない。

その果てにあるイルミの邪な野心とは何だろう? なぜかパリストンと つながりそうな予感がしました。さらには、ジャイロとも──。

治っても不安

ゴンの容体は思った以上に むごたらしかった……。てっきり歳を取った「ゴンさん」状態で眠っているだけかと思ったのに、血まみれになっている。成長した筋肉や皮膚が痛んでいるのでしょうね。どれほどの苦しみを味わったのだろう。

さて、ゴンが元どおりに治るかどうかと同じくらい心配なことがある。キルアとアルカの今後です。兄としてずっと一緒にいると誓った以上は、キルアは約束を守ろうとするでしょう。イルミの追撃も恐ろしい。

そうなると今後は、ゴンとキルアが一緒に冒険することも なくなるのでは? 長々とコンビを組んできた 2 人だけれど、とうとう お別れの時かもしれませんね……。

さらには、全快したゴンがハンター協会へ行き、ジンと再会して「──終わり──」という可能性まである。

いやだーーーッ! もっとゴレイヌ神の活躍とか、ミトさんの恋バナとか、モタリケ先輩の ちょっといいとこ見てみたい!

おわりに

ズリセン」って何? とかいう質問は受け付けていません! お母さんに聞きましょうね!

てか、レオリオは猛勉強の毎日かと思ったら、女連れ込んでいたりしたのか。『H×H』が始まったころは、『幽☆遊☆白書』の桑原とレオリオは立ち位置がカブっていると感じた。でも、レオリオは普通にモテそうですよね。

桑原和真
「……」

大人たちは子どもに対して、まるで聖人君子のような生き方を説く。ところが、いざ社会に出てみると、「学校では教えていない知識」や「禁止されていた行為」を平気で要求してくる。

レオリオのように、ほどほどに勉強して、思う存分に遊びまくるような人間のほうが、社会に出ても成功するでしょうね。なにより彼は優しい。良い会長になれそうです。それでも──、

将来は前会長と同じく「スケベジジイ」だな。

[2] このページの一番上へ戻る