HUNTER×HUNTER No.325 「参戦」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 50 号)
懐かしい空気が漂う回でしたね! たとえるなら、『HUNTER×HUNTER (5)』のころに戻ったかのような感覚です(ものすごく具体的だな)。
もう、あれから 12 年か──。
軽く意識を失いつつ、長々々とした感想を書きました。
さわがしい再会
「ミスタ・いちゃもん付け」ことレオリオの登場です! なつかしい! どれくらい久しぶりの登場かというと──、
- ゴン:
- 「次 会うときは お医者さんだね !!」
- レオリオ:
- 「オメー それは 最短でも 4 年 会わねーって ことか?」
── 2001 年 11 月 2 日 発売・『HUNTER×HUNTER (13)』 p.170 でゴン・キルアと別れて以来です。
作中では数年(1 年ちょっと?)くらい前の話なんですけどね。現実の世界では 10 年が すぎていました……!
レオリオのことだから、ゴンの容体を聞けば、まっ先に駆けつけたはずです。そのわりには、いままで選挙も欠席して、どこにいたのかと不思議でした。医者を目指す彼は、勉強に専念するため「山に こもっていた説」まで考えたり。
どうやらレオリオは、ずっと病院内にいた──のかな。
その男、狂犬につき
暗殺稼業で有名なゾルディックの執事にも、一目で実力者だと分かりそうな初対面のモラウにも、レオリオは遠慮なく噛みついています。あいかわらずで、安心しました。
とくに、レオリオとゴトーとの やり取りは、ゴン・クラピカ・レオリオの 3 人でキルアへ会いに行った時を思い出します(『HUNTER×HUNTER (5)』)。
そう言えば あの時は、ゴンが ひとりでキレていましたね。レオリオは、まるで「借りてきた狂犬」のように おとなしかった。
執事室でも圧倒されっぱなしだったレオリオのことを、ゴトーは「電話では威勢のいいヤツ」と思っているに違いない。ゾルディックに近寄ってくる人間は、そういった連中ばかりでしょう。ゴトーの対応も慣れたものです。
よ 久しぶり
とキルアまでレオリオに軽い対応だったことが、ちょっとモヤモヤしました。昔からキルアはクールだったけれど、3 人が家まで来た時には、とても喜んでいましたよね。
──あ、でも、レオリオには普通の対応で、さらに名前を呼び間違えていた。
家庭の事情で過保護
5 巻での やり取りを考えてみると──、いくら命懸けで友だちが会いに来たからといって、ゾルディック家の大事な息子を、あっさりと他人に引き渡すでしょうか? キルアに言われたとおり、おとなしくゴトーも引き下がっているし。
この謎について、前回のツボネで思いつきました。
──やはり、こっそりとキルアを監視・護衛する執事がいたのでは? ハンター試験中にも試験官が尾行していたけれど、彼ら以上に「絶」が得意な執事もいるでしょう。
移動手段に疑問
てっきり、キルアたちは「ゾルディック専用飛行船」で出発するのかと思いました。大金持ちなんだから、飛行船が無理でも、ヘリコプタくらい持っていそうなのに。あるいは借りるとか。
乗った飛行物がことごとく墜落するというジョセフ・ジョースターでもあるまいし、なぜ、車で移動しているのだろう?
病院にいるモラウに対して、今回一番 難しいのは そこへ行く事
──と前回のキルアは語っていました。その意味は、家族や執事たちを振り切り・アルカを守りながら・「おねだり」も何とかして──という点が大きかったはず。
今となっては、ゴトー・ツボネ・アマネに守られながらの移動であるため、なんの問題も ありません。道中に危険があるとは思えない。殺し屋一家だから敵が多いけれど、それは いつものことです。
つながった時間軸
前回・No.324 の感想で書いたように、自分は「時間の入れ替えトリック」を疑っていました。イルミとヒソカが乗っていた飛行船には、すでにキルアたちも同乗しているのでは──と。
しかし、今回の「レオリオ無双」のおかげで、ゾルディック家・選挙・病院での できごとが、ほぼ同時進行だったことが判明しました。さすがレオリオはんや!
キルアとアルカは、公共の飛行船に乗り換えて移動すると思われます。『HUNTER×HUNTER (5)』によれば、キルアの家とハンター協会との間は、飛行船で 3 日
もあれば着くらしい。
──車と(おそらく)飛行船でアルカを移動させる意図が、なんとなく見えてきましたね。このあと、イルミ・ヒソカが乗ってきた飛行船に、キルアたちは乗り込むのでしょう!
そして、そのまま すれ違いになったりして。──いや、それは ないでしょうね。久しぶりに兄弟同士の対面が見られそうです。
でも──、キルアくんのことが好きすぎるイルミとヒソカは、会った瞬間に理性が吹っ飛んで、アルカを■そうとするのでは。──ん? なんだかそんな話を、最近のウェブ上で見たことがあるような……。
ダディはクール
ジンは、あまりにもゴンに冷たい。
「父親失格」だとレオリオは考えているだろうし、今回の騒動で そう思い込んだハンターも増えたはず。そもそも、ずっとジンはゴンを放っておいた。責められても仕方がない。
──本当に、そうでしょうか?
グリードアイランドは、ゴンの「育児施設」としてジンが設計した可能性があります(『HUNTER×HUNTER (15)』・ビスケの推測にすぎないけれど)。すくなくとも、ゴンがジンに会える手段を残したことは間違いない。
そんな「親バカ」なジンが、危険な状態のゴンを放置できるのは、なぜか?
そこで考えたのは──。
誓約と制約により自身の限界を引き出した結果、除念師も手に負えず、医者も手を上げる状態になったゴンは、それでも死なない──とジンは「知っている」のかもしれません。
つまり、怪物・ジンを生み出したフリークス家か、あるいはゴンの母親に、そのような特性が備わっている──と予想しました。問題作である『フリークス』(邦題『怪物園』)と語感が同じ点も興味深い。
自分から 「来てほしい」と でも言ったのか?
──というジンのセリフも、ゴンが以前から その意思を示していたのか──という意味だと、単純に受け取ることもできます。
──ということで、まさかの「ぐっすり寝て 肉 食ったら治った!!!!(ドン!!!!」オチが予測されるため、いまから避難訓練が必要です。──あ、「非難」か。
煙には巻かれず
モラウは渋かった。必要最低限なことしか語らず、一つ一つの言葉が重い。念能力では煙を使うのに、言葉は鉛のようです。長い間「現場」で命を削ってきた風格を感じさせる。
あのヤンチャなナックルをも弟子にしているモラウからすれば、猛獣のように吠えまくるレオリオも、ちょっと強がっている仔猫のようなものでしょう。
吠えると言えば、「寅」であるカンザイは、レオリオと役割がカブっていますよね。とりあえず、何か気にくわないことがあれば、騒いで噛みつく。酒を飲んで暴れる人物を「大トラ」と呼んだりしますが、まさに そんな感じ。
ところが、レオリオは さらに猛獣だった……!
プチ・ゴールデンハンマー
いつの間にか、レオリオは放出系っぽい「発」を体得しています。思わずジンも不意打ちを食らった──のだろうか(今回は疑いっぱなしだな)。
「黒いうず」を目で確認した上で、出現した「こぶし」自体も、しっかりとジンは目で追っている──。あのネテロが実力を認めた念能力者なのに、この状況から攻撃を食らうとは、とても考えられません。
そこから考えて、「こぶし」を食らった場合の威力や、特殊な「念」が込められていないことも、ジンは「凝」で見極めたのでは? そして、ここで素直に殴られておいたほうが、避けるよりも面倒が すくないと計算したのかもしれない。
さらには、ダチのオヤジで・初対面の・「十二支ん」にケンカを売る──。そんな「きっぷが良い」人物が選挙に参戦したら面白い──というところまで、ジンが考えた可能性もあります。
──とか書きながら、次回、「気を うしなって病院へ運ばれるジンの姿から始まる」に 5,000 ガバス!
票の流れを追う
ハンター協会の会長を決める選挙に、レオリオという「大穴」が現れました。こんな展開、どうやったって想像できません!
第 3 回 13 代会長総選挙の欠席は 68 票、今回の第 4 回は欠席が 19 票でした。この 49 票差が、そっくりそのままレオリオに流れた──わけではない。なぜか、ビスケの票が増えたりしている。
興味深いことに、今回の一件があっても、パリストンの票数はまったく変化が ありません。前回と 1 票の違いもない。対照的に、チードルは 8 票も伸ばしている。
以上から考えると、いままで欠席していた人は、本当に「たんなる棄権」だったのでしょう。レオリオに票を投じたのは、パリストン派でもチードル派でもなく、なんとなく票を入れなかったハンターだと思われます。
いままでずっと、パリストンが裏で票数を操っているのかと考えていました。しかし、この人は本当に選挙を(というか もめ事を)楽しんでいるだけなのかなぁ……。
一コマ進んだ選挙
さて、ようやく投票数が 95% を上回りました。No.321 の感想で追記したとおり、いよいよ候補者が 16 人に減ります!
HUNTER×HUNTER #321 「怪者」 けもの×ケモノ×のけもの | 亜細亜ノ蛾
このまま勢いに乗って、レオリオが会長になっても良いですね。それなら、わざわざ医者にならなくても、病気に苦しむ人たちを救える。
でも、その展開は、ないのだろうなぁ……。
いまだに謎の人物・イックションペが気になるところですが──、何だかんだ言って、パリストンが会長になりそうな気がする。チードルは副会長になって、「なかよく けんか」しながら、うまく運営していきそう。
おわりに
パリストンがウザかったですね! 最初は「マンガ的な効果」に見えたスーツの柄が、本当に光っていたところは笑いました。ファッション雑誌からパk ──インスパイアされたのだと思う。
ジンが挙手している時の、ピヨンの顔が かわいい! こういう人形ありますよね。今回は「アルカ成分」が控えめだったので、ピヨンで補給しました(?)。
あと、二次創作のイラストを描く人に 1 つだけ言いたいことは、ピヨンの「耳」は折れていないという点です。チードルの「羽」と同じで、あくまでも飾り・象徴である点が重要だと思う。
ピヨンをウサギっぽく描きたくなる気持ちも、よく分かりますけどね! でも、彼女(?)の「耳」を折ることは、アルカを金髪で描くくらいの「アレンジ」だと、個人的には考えます。
──てか、その前にイラストの数が すくないよ!