『フォーガットン』
「まだ見ていないメジャ作品を見よう企画」!(ドンドンドンパフパフ)2007 年夏の部・第壱弾は『フォーガットン』です。──いきなりマイナじゃね? というのは NG ワードの方向で。

- フォーガットン
- ジュリアン・ムーア ジョセフ・ルーベン ゲイリー・シニーズ
- ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 2005-11-02
- 楽天ブックス: フォーガットン
by G-Tools , 2007/07/04
これは、前知識なしで見て欲しい映画、というか、ネタバレを読んでから見ると確実につまらなくなる映画ですね。しかし、「オチ」を知っていても、前半部の「自分の知っている人を周りが忘れていく恐怖」は見るべきところがあります。
主演のジュリアン・ムーアは、本作のような「神経質な母親」役がピッタリと思いました。「エリート FBI 捜査官」よりも……。
前半部はいい感じ
前半だけを見ると、短編小説で書けそうな内容。それを映画として公開できる長さに膨らました、という印象です。そう思って調べてみると、脚本家が見た夢が元になっているとのこと。
title="フォーガットン | [洋画] [サスペンス] | 関西どっとコム">『フォーガットン』は脚本家のジェラルド・ディベゴが見た奇妙な夢がアイデアとなっている。3人の親子の写真から息子の顔が消えていくというイメージ。彼は目覚めてすぐにストーリーを書き始め、2時間で終わらせたという。
なるほど。できたら、もうあと 2 時間かけて後半部分を(以下自主規制)。それくらい、前半部の、徐々に周りが変わっていく恐怖感、というのが良かったです。
前半部はミステリィとして書けそうな雰囲気なので、そのイメージで後半部分を創作する、というアンソロジーがあったら面白いかも。
シャマランじゃなくて良かった
見終わって思ったのが、この作品の監督が M・ナイト・シャマラン監督じゃなくて良かった、ということですね(笑うところ)。
彼の作品は、「種明かし」を出さずにはいられないようです。しかも、スクリーンいっぱいに、しっかりとわかるように。はっきりとタネを明かさなかったら良かったのに、と思う事が多いです。
例えば『サイン』も、「アレ」が出てくる直前のシーン(地下室だっけ?)あたりで、突然に、曖昧に終わっていたら、傑作だったかも(たとえ観客の半数がポップコーンをスクリーンに投げつけたとしても)。『ヴィレッジ』もそう。
まあまあ成功したのが『シックス・センス』と『アンブレイカブル』でしょうか。ようするに、「タネ」以外に見るべき所があるか、「タネ」が無くても面白いか、の差ですね。
それで、(ようやく)『フォーガットン』はどうかというと──ギリギリ「タネ」をぼかして描いたのが、自分にとっては好印象でした。いや、人によっては、「あの(衝撃的な)シーン」ではっきりと出てくるじゃないか、と言われそうですが……。
たしかに、あそこは「気が付いたら隣に居た人がいつの間にかいなくなっていた」という描写の方が、怖かったかも。制作費も少なくて済んだだろうし。
無理矢理まとめ
そんなわけで、ネットで酷評ばかりを聞く映画(最近見たのはこんなのばっかり)ですが、見るべきところはちゃんとある、そこから話を膨らませることもできる、さらには「どこがダメだったか」まで学べる、というお得な作品でした。