『ランド・オブ・ザ・デッド』
『ランド・オブ・ザ・デッド』はゾンビ映画の巨匠、ジョージ・A・ロメロ監督作品だけあって、ゾンビへの愛にあふれた映画です。
- Land of the Dead DVD ? Land of the Dead – Land of the Dead movie 公式サイト(英語)
- ランド・オブ・ザ・デッド – Wikipedia
- ランド・オブ・ザ・デッド – allcinema
ホラー映画だけあってスプラッタな表現も多いのですが、不思議なくらいユーモラス。ありがちなお色気シーンも少なく、ゾンビ物にありがちなチープさを感じない、いい作品でした。
- ランド・オブ・ザ・デッド ディレクターズ・カット
- サイモン・ベイカー ジョン・レグイザモ デニス・ホッパー
- ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン 2005-12-23
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by G-Tools , 2007/07/30
死んだらゾンビ
よくある作品のゾンビは、
- 主食は人肉
- 動きが鈍い
- 頭部を破壊すると「死ぬ」(停止する)
- 噛まれた者もゾンビになる
という設定がほとんど。
その「前提」でゾンビ作品を見るからこそ、『ドーン・オブ・ザ・デッド』の「走るゾンビ」という設定が活きてくるわけです。
『ランド~』ではどうかというと──なんとこの映画の世界では、
人間は死んだらゾンビになる!(ええー !?)
ゾンビに噛まれたら、とか、ゾンビに殺されたら、ではなく、自然死でもゾンビ化してしまう。実際、金持ち父さんが首を吊ってゾンビ化する場面がありました。
おちおち死ねない時代。
というか、自殺するということは「死んでからおまいら喰い殺してやる!」と言っているに等しい。どうしても自殺したい人は、『ハエ男の恐怖』方式がお勧めですね(?)。
考えるゾンビ
本作のもう一つの特徴が、「考えるゾンビ」。
冒頭で、あるゾンビが人間だった頃を思い出したのか、ガソリンスタンドで働いていた頃のように、給油する動作をしています。
その黒人じーさんゾンビは、仲間と会話し、武器も操る。最終的にゾンビのボスになり、ゾンビ達を率いて人間たちの住む街まで乗り込んできます。
仲間が倒されると嘆き、ゾンビが人間の見せ物にされているのを見ると憤ったり。人間と同じように、感情があるかのように振る舞います。
悪いヤツはいない?
そんなじーさんゾンビも含め、まるでこの作品では、
「この世には本当に悪いヤツはいない」
かのような描き方です。
主人公達から、圧政を住民に強いていると非難された街のボス。しかし、彼は街をゾンビから守るために資金を投資した、という過去があります。その人がいなかったら、とっくに街はゾンビに滅ぼされていたかもしれない。だったら、見返りがあってもいいじゃないか、と思えてきます。
その悪役のボスは、いかにも金持ちという風貌なのですが、なんと、かのデニス・ホッパー!
また、主人公のライバル役の男も、最初は金にがめつい奴、という見せ方。しかし、「自分の家が欲しいから汚い仕事も引き受けた」という、なんだか真っ当な理由。しかも、後半でボスに反旗を翻した理由が、当然の報酬を得られなかったから。反抗する方法はともかく、労働者としては当然の態度を取ったまで、のような。このライバル役の最期も、なかなか見せてくれました。
ゾンビたちもまた、まるで「居場所を追われた野生動物」のような描き方。途中でゾンビを見世物にする店が出てきて、それを楽しむ人間の方がたちが悪い、と思わせます。
──とはいえ、人間が近づいたら喰われるわけだが。そのあたりが、野生動物っぽい。
主人公とヒロイン
主人公と、彼の影のような相棒、そしてヒロイン。
この三角形が作中に出てきた場合、当然のように、相棒は「スピードワゴンはクールに去るぜ」になるかと思いきや、意外とヒロインとの掛け合い漫才が何度か出てくる。主人公は孤独を愛する人物なので、彼はこのまま独りなのかも。
「安易に主人公とヒロインのラブシーン禁止・友の会」会員としては、この展開は非常に面白かったです。
ラストの、ゾンビのボスと主人公が見つめ合うシーンといい、ラブシーンが無いところといい、血みどろなのに上品さを感じる良作でした。
coco さんの感想
──と、まともにロメロ監督のゾンビ三部作を見ていない(スンマセン)、シロートの感想はこれくらいにして。
ホラーの歴史も絡めた、coco さんの素晴らしい感想をどうぞ。
Horror & SF – coco's bloblog: [映画]『ランド・オブ・ザ・デッド』 ジョージ・A・ロメロ監督