『SKET DANCE(スケット・ダンス)』 第 11 巻 感想・2

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『SKET DANCE(スケット・ダンス)』 第 11 巻 「会えて嬉しい」

raspberry jam (by ginnerobot) (by ginnerobot)

今回の感想を書く 3 話分は、どれも「萌え」の要素が強いです。しかし、まぁ、この作者のことだから、単純に萌え萌えとはしてません。

それでも、ヒメコは良かったなぁ!

第 94 話 「なんでもやりまっせご主人様」

1 コマ目の描写がヤバイ! その後の展開もキケンで、いちおうは「良い子はマネしないでね!」という注意書きが必要かもしれません。今のご時世では……。ヘリウムガs ──いや、なんでもないです……。

というか! マンガやゲームのマネをして、人に迷惑をかけたりケガをしたりするような人は、普段から問題のある人だと思いますよ。地球上で人間のみに許された「創作する、という行為」を、そんなアレな人たちのせいで汚して欲しくありません。

人を助けたい! という一心で部活を始めたのに、部員からケガをさせられたというボッスンなら、上で書いたことに共感してくれそうです。それこそ、ぐちぐち くどくどとイヤミを言ってくれるでしょう。

「あの」ヒメコが従順なメイドになる、という展開は素晴らしいのひと言ですね。少年マンガらしく、『To Loveる』な展開が巻き起こる──はずもなく、『SKET DANCE』らしいボケとツッコミでした。

もし自分が同じ状況になっても、ボッスンみたいに照れてウマく命令ができないですね。たとえば、コーラをこぼしてヒメコに体を拭いてもらう場面があります。自分も、カノジョに体を拭いてもらった時に、なんか思ったより 恥ずかしい感じがしました。ましてや、女友だちになんて、頼めません。

高橋キャプテンは、本当に良いキャラですね。スケット団のことを、よく分かっている。彼女が出てこなければ、「なぜヒメコはそこまで素直に命令を聞くのか」が分からない人もいたのでは?(自分も分からなかった)

いつも感じている感謝の気持ちを、ヒメコなりにボッスンへお返ししようと思ったのでしょうね。

第 95 話 「コマちゃんの困りごと」

初登場の「コマちゃん」こと「森下 小麻(もりした こま)」は、破壊力バツグンですね! 自分の世代だと、どうしても「ダイナマイトバディ」という単語が頭に浮かんでしまいます。イマドキだと、なんて言うんでしょうね?

「森下」という名字からして、元となった人物は、森下悠里さんでしょうか。それとも、作者は自分とタメ年なので、森下千里さんだったりして。

体が大きいのに、声と気は小さい。かなりの力持ちで、緊張すると力の制御が効かなくなる。──このマンガのキャラとしては、「おいしい」設定なワケですが、現実世界にいたら本人は悩むでしょうね。

小麻は、気が小さいながらもスケット団に相談をしにきて、前向きなのが良いです。いまは自分に自信が 持てなくても、そのうち自分のミリョクに気がつくことでしょう。

そういう意味では、デリカシィのないボッスンの評価は、非常に的を射ています。よくもまぁ、面と向かってハッキリと言えるモンだ……。

今回の話のように、ボッスンの近くでいつもデリカシィ・ゼロ発言を聞いていたら、いつかは小麻も慣れるのでは。ただ、その前に、ボッスンのカラダが持たないでしょうね……。

恐怖が体に刻み込まれとる! の場面は、かなりウケました。とんでもない破壊力です。しかし、これだけコワい目にあったのに、すぐあとで自分から「コマ・アタック」に飛び込んでいくボッスンは、やっぱりスゴい! ヤムチャ状態になってまで、人助けをしているのです。

ボッスンの誠意が伝わったためか、スケット団の部室を去るときには、森下は普通に話している。表情にも余裕が出てきて、非常に良いですね。

名もなき評判がよくない 男は、自分の中では評価が高いです。

小麻に対して喜ばせようという気持ちが伝わってくるし、心の中でかわいいなあと男は思っている。つまり、「落とせればいい」とは考えていないようです。ゲーム感覚で口説いていないワケですね。

なによりも、森下の特技である戦国武将の想像モノマネを、男は本気で面白がっている。恥ずかしがっていますが、小麻は本当に嬉しかったのでしょう。

ということで、ちょっと話の展開的には、男の描写が良すぎるのです。この男が森下と付き合えば、心を入れ替えて本気で好きになりそう。その可能性は、あるはずです。なので、オチに書いてある残念だけど… 良かったとは言えない。小麻も男も、両方とも気の毒です。

ここは、ベタに「心の底まで腐ったナンパ男」にするべきだったと思いますね。

第 96 話 「エキサイト・エクササイズ」

ヒメコが、二の腕をさわって太ったかどうかを判断する、という場面が妙にリアルに感じました。

たとえば男だったら、腹の肉で肥満を調べそうですよね。作者自身も、そうするはず。でも、仮にも男子の前で、女子がお腹なんかさわれない。アゴの肉まで付いていたら、さわらなくても分かるわけです。

そんな恥じらい乙女のヒメコなのに、ダイエットすることを決意したら、スイッチに言われてすぐに体操着に着替えられる。男子が 2 人いる部室で、自分ひとりだけショートパンツ姿って、かなり恥ずかしいと思うのですが──グーです!(えー)

「ビニーズミュートアンプ」の、あり得ないくらいグダグダな収録は、「ネタとしてやっている」ワケではないから面白いわけです。「The World of GOLDEN EGGS」以降、似たようなグダグダ感を楽しむ作風も多いですけどね。

急に隊長に昇格したアンドレは、ものすごく日本通です。というか、オタク文化に詳しすぎる! いったい、何が彼をギャルゲーに走らせたのでしょうか。アンドレ隊長は、夏・冬とコミケに通っていそうですね。彼がコミケ会場にいたら、かなり目立ちそう。

アンドレとビニーの「新旧隊長コンビ」は、味のあるキャラで好きなので、再登場して欲しいです! またいつか、「うさんくさい DVD」ネタで出そうですね。