『バクマン。』 159 ページ 「テンポと観覧車」 (週刊少年ジャンプ 2012 年 02 号)
蒼樹紅の『神様がくれた…』は、連載の第 1 話目でアンケート 1 位を取っています(『バクマン。 (14)』 p.164)。あまりにもサラッとセリフだけで語られていたので、下の感想では うっかりとスルーしている。
バクマン。 #123-3 「ピザとお茶」 マンツーマンとゴチャゴチャ | 亜細亜ノ蛾
ラブコメというだけではなく、ファンタジーの世界観を取り入れ、バトル要素まで盛り込んだ。『神様』は かなりの意欲作でした。2 年ほど連載が続いていたから、コミックスも 10 冊くらい出ているはず。
『神様がくれた…』を手がけたことで、蒼樹の実力も相当に上がっているでしょう。次の連載でも人気を勝ち取れるに違いない! 蒼樹先生の次回作にご期待くだs(ry
落ち込んでるに 違いない…
将来が期待できる作家である蒼樹を、かつての相田は見捨てようとしていました。もう 100 話以上も前の話だけれど、いまだに自分のなかで相田の印象は悪いままです。「墓まで持っていくリスト」に入っている。
その時の感想で、このあとの蒼樹の成長は、山久がカギを握っているのかもしれません
──と書きました。おお、さすが自分! いつもながらの「数撃ちゃ当たる」ですね!
バクマン。 #53-2 「18 と 40」 夢の終わりとスケベ根性 | 亜細亜ノ蛾
勢いでかけて しまった
勢いに任せてしまうことが、恋のアタックでは肝心だったりする。あれこれ計算して計画を立てることも有効だけれど、けっきょくは自分の心しだいですからね。「心」は「欲望」と言いかえても良い。
さわやかなラブコメの場面だけれど──、やっとお茶から 遊園地?
という言葉に、蒼樹紅の心の闇を感じました。意外と腹黒!?
ムスッとしていた昔の蒼樹は、心の中でドロドロとした感情が渦巻いていたのかもしれませんね。ネットでは暴言を吐くタイプだったりして。
スケジュールも ちゃんと詰めます
蒼樹のことを何気にプライドが 高いはず
──と吉田も認識している。苦手なタイプなのでしょうね。
平丸を自在に「操縦」する吉田が、もしも蒼樹の担当だったら──、彼女を誘導できていただろうか。吉田のことだから、お姫様・蒼樹でも女帝・岩瀬でも、完全にコントロールできていたに違いない!
可能性とか 言ってる時点で 男じゃない
。──これは名言ですね! 今回の平丸は積極的で男らしい。一人前の男として・一流のマンガ家として、ようやく彼も成長してきましたね。
──何かあるたびに吉田氏に電話をかけている時点で、まだまだ自立していませんケド。
こいつはまずいぞ
平丸が蒼樹に振られることを異常に恐れている吉田は、第三者から見れば「思いやりがある」ように見える。まるで友だちみたい。実際は、「担当作家の体調管理」と同レベルに すぎません。
しかし、作家の体も心も気づかっていない編集者ばかりだから、やはり吉田は「優しい」と言えます。とくに吉田と港浦を比べると、月と「トイレのスッポン」くらいの差がある。
(トイレのスッポンことラバーカップって、なんだか「恋愛作品の優劣を競う賞」の名前みたい)
なんと! 平丸と吉田の初対面──運命の出会いが描かれました! でも、独身
とか関係ないし!
この場面は完全にお見合いですね。──ある意味では合っているか。どの担当者に当たるかで、作家の人生は大半が決まってしまうから……。
いきなり君は 天才だ
と言い切る吉田も すごいし、サラリと受け入れる平丸も突き抜けている。天才マンガ家と天才編集者──、この 2 人でしかコンビは組めませんね。担当替えをしたら、絶対に失敗する。
大人気マンガ家に なれる
初めて合った時から、吉田は こんなに大風呂敷を広げていたのか!
売れなければ 「さようなら」
──と多くの作家を使い捨ててきたからこそ、吉田は班長という立場にいる。それで こんなにも冷め切った細い目になり、発言にも熱がこもっていないのでしょう。目の細さは関係ない。
平丸の人生は大きく変わったし、吉田のおかげで幸せになりました。もちろん、大半は平丸自身の力です。吉田は きっかけにすぎない。それでも、これ以上はない きっかけであり、最高の原動力でした。
「幸せに して ください
」とか「幸せにしてやる 責任
」とか、完全に──恋愛ですよね! 愛があるなー。
名ピッチャと名キャッチャが「夫婦」と称されるように、マンガ家と担当者も夫婦以上に結ばれた関係に なるのかもしれません。いや、なってる。