『暗殺教室』 第 23 話 「湿気の時間」
作中では 6 月です。ジメジメして蒸し暑い描写は、寒がりな自分には待ち遠しくて懐かしい。
殺せんせーは湿気が苦手で、湿気って ふやけてしまう。──修学旅行の回では普通に お風呂に入っていたけれど、あれは殺せんせーの粘液 100% だったのか!
鉛玉でさえ体内で溶かしてしまうのに、湿気で変形するとは妙ですね。
そう言えば殺せんせーは、薬物でも体を変化させていました。──意外と単純に、「液体」が最大の弱点だったりして。
やっぱり、奥田 愛美の天下キター、か!?
暗殺教室 第 7 話 「毒の時間」 まごころを、毒に | 亜細亜ノ蛾
その男、リア充につき
前原 陽斗は、いかにもリア充です! そんな「リア充が失恋した話」だと言えるのに、前原を応援したくなる話でした。彼が繊細な心の持ち主だからです。
恋多き男だし、自分から振る時は振る。しかし、人の心の醜さには敏感に反応して、恐れたり悲しんだりもします。達観しながらも、多感な中学生らしい。
人物の描き方
ごく普通の人物が、ある瞬間には怪物に見える。──『暗殺教室』だけではなく、前作の『魔人探偵脳噛ネウロ』でも よく見られた描写です。
松井 優征先生は、人間の心理の多面性を上手に描きますね。「攻撃モード
」の果穗は笑えるけれど、すぐあとで恐くなってくる。
自分が大好きな『HUNTER×HUNTER』の冨樫 義博先生や、『バクマン。』の大場 つぐみ先生も、人物の心理描写が うまい。
ただし、こちらの両者は「心理そのもの」を描こうとしません。あくまでも、マンガの登場人物を劇中で動かすことが巧みです。
一方で松井先生は、純粋に人の心を描いている。
傷つきやすい心を持った少年が、なぜか化け物のように見える──と言えば、ジャン・コクトーの『恐るべき子供たち』など文学作品に見られる描き方です。
意外と松井先生は『まんがで読む世界の名作』シリーズにも向いているのかも。
報復は妥当か?
次回は未成年の現役女子中学生を恥ずかしい目に あわせて屈辱を与える……だと……!?(ごくり……)
「つらい目に あったけれど、気にせず前向きに生きよう」という展開に なるかと思ったから驚いた。そもそも、前原自身がフラレたこと自体は、それほど気にしていません。
高校に進学したり社会に出た時も、卑屈に ならないように、力を付けることが目的の教育──とも思えます。そういう意味では 殺せんせーらしい。
でも、言ってしまえば「イジメられたらイジメ返す」といった考えです。それは──正解なのだろうか?
これまでの殺せんせーの行動は、一見するとムチャクチャでも、最後には正しい教えになりました。だから のどごしスッキリの読み味になる。
ところが今回の仕返しは、初めての殺せんせーが間違った判断に なるのでは? 理事長に対する怒りで我を失っているようにも見えます。
同級生の行動は
すっかり殺せんせーに順応している(洗脳されている?)クラスメイトも頼もしいけれど──目が怖いぞ!
もしかして、果穗に屈辱を味わわせたあとで、渚たちが「間違っていた」と気がつくのでは……。
まったく自分の思い違いで、果穗たちが最悪の DQN と分かって こらしめる──みたいな話に なるのかも。すでに渚は、「自分が E 組じゃ なかったら
」と考えていますからね。
ちょっとドキドキしながら続きが気になります!
おわりに
殺せんせーが集めたゴシップによると、杉野 友人が神崎 有希子を好きであることは確定な上で、届かぬ思い
も確実らしい。今回の前原ほどハッキリと杉野が振られた描写は ないけれど、たしかにムリ目な彼女ですよね。
このノンフィクション小説の構想からすると、3-E の生徒は全員が恋するのでしょうか? われらが(オレの)奥田さんも(薬物以外に)愛する人が できるのかな。マッド・サイエンティストらしくホムンクルスを造るとか。
ビッチ先生は、とうとう「イメージ映像」だけの出演に なっている。本編で活躍する回は──あるのかな……。
「ニキビケアの プロビッチ
」には笑いました。これは、特定の芸能人を思い浮かべながら書いたのでしょうかね。ソックリの広告があったら おもしろい。
あと、「高尚な ビッチ
」って なんだよ! まるで「清純派■■女優」みたいですねー。