バクマン。 #109-1 「ロミオと一周年」 恋愛バトルとシュール

『バクマン。』 109 ページ 「ロミオと一周年」 (週刊少年ジャンプ 2010 年 50 号)

Miku Hatsune
恋は戦争──たたかうのよ)

今週号の「ジャンプ」には、ステキな偶然があります。

巻頭のゲーム特集で、右ページでは『るろうに剣心』に出てきた飛天御剣流奥義・「天翔龍閃(あまかけるりゅうのひらめき)」を繰り出し、左では『ONE PIECE』のボア・ハンコックが屈辱の紋章である「天駆ける 竜の蹄(あまかける りゅうのひづめ)」を見せている。

おそらく、紋章のほうが『るろ剣』へオマージュかと思います。作者もまさか、このような場で共演できるとは思わなかったでしょうね。

恋の始まりにも偶然がつきものです。

でも、天使のいたずらから始まった恋のきっかけも、幸せをつかむには自分から動くことが大切ですね。──今回の恋愛マンガの読み切り祭も、そのあたりがテーマになってきそう。

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バンテージ・ポイント – ただ見るだけでは観たことにならない

『バンテージ・ポイント』 (Vantage Point)

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(そんなにじっと見つめると──疲れるよ!)

リアルなアクションが見どころの映画です。

アメリカ合衆国大統領を護衛するシークレット・サービスのトーマス・バーンズ(デニス・クエイド)が主人公です。大統領がスペインで演説中に狙撃され、さて犯人は誰だ──という部分が大筋のストーリィになっている。

主人公の主観だけではなく、さまざまな人物の視点に切り替わるところが、この映画の大きな特徴です。大統領の狙撃される前後・数分から数十分の映像が、何回も視点を変えて映される。そのたびに、真実に近づいていく──という具合です。

DVD のパッケージには、「目を凝らせ――」とうたい文句が書いてある。上記のあらすじとあわせて考えると、「なるほど、かなり序盤で犯人グループの手がかりが出てくるのだな……」とミステリィ好きは思うことでしょう。

じつは、それこそがトリックだッ!(?)

何度も時間を巻き戻しながら少しずつ話が進んでいきますが、重要なことは後半にしか描かれていません。「目を凝ら」して観ると、(自分のように)非常に疲れるのでご注意ください!

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バクマン。 #108-4 「愛読者と一目惚れ」 グレートと運命の人

『バクマン。』 108 ページ 「愛読者と一目惚れ」 (週刊少年ジャンプ 2010 年 49 号)

Got milk?
(運命の相手とは──自然に引かれあう)

今回のラストで亜豆は、「サイコーのどこが好きか」という話をします。「『バクマン。』は、恋愛の話でもあったんだよなぁ」と久しぶりに思いましたね。ものすごく密度が濃い恋の話で、原液のカルピスを煮詰めて練乳で割った感じ。

ところが最後の最後まで、サイコーは読み切りで描くマンガの話だけを、亜豆は自分たちの恋愛の話だけを言い合って終わるのです。

男は仕事の話ばかり、女は私事の話ばかり。

お互いにすれ違っているようでいて、それでもサイコーと亜豆の話はちゃんとかみ合っている。出会い方から付き合い方まで、奇跡のような恋人同士です。2 人とも、別の人とは付き合えないでしょうね。

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バクマン。 #108-3 「愛読者と一目惚れ」 愛読者賞と投稿時代

『バクマン。』 108 ページ 「愛読者と一目惚れ」 (週刊少年ジャンプ 2010 年 49 号)

I'd Be Tickled
(はがきには──たっぷりの愛を込めて)

福田の男らしい行動が出てきました。

ルックスもイケているメンだし、言動には責任を持つし、男気があって格好いい──。そんな福田なのに、公称ではカノジョがおらず、男 3 人のむさ苦しい仕事場で働き、たまに雄二郎と会話するだけ。蒼樹とは仕事上だけの関係で、ほかに浮いた話の一つもない。

もしかして、福田って……。

そういう(どういう?)視点から見ると、福田が描こうとしている「少年恋愛マンガ」というジャンルが、あやしく輝いて見える──、という人もいるとかいないとか。

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バクマン。 #108-2 「愛読者と一目惚れ」 大見得とミスジャンプ

『バクマン。』 108 ページ 「愛読者と一目惚れ」 (週刊少年ジャンプ 2010 年 49 号)

Slippin'
(ジャンプに失敗した人──という意味ではない)

2010-11-12T04:13:49+09:00 追記

パソコンが壊れていて、更新が遅れました。すみません!

平丸を見てると 何か 落ち着くというサイコー(シュージン?)の発言は面白い。癒し系だったのか、平丸は。平丸自身は不安定の固まりで、吉田がいないと自己崩壊しそうなのに、まわりから見ると和む。

めだかボックス』で自分が一番好きなキャラ──球磨川禊(くまがわ みそぎ)と平丸は、ある意味では似ているのかも。この作品に出てくる「過負荷(マイナス)」の人物たちは、球磨川を見て「自分よりも下衆(げす)な存在がいる」──と安心する。

いまは「ダメ癒し系」がウケる時代なのかも。

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バクマン。 #108-1 「愛読者と一目惚れ」 マンガ家の嫁と甲子園

『バクマン。』 108 ページ 「愛読者と一目惚れ」 (週刊少年ジャンプ 2010 年 49 号)

まんが甲子園通り
(マンガの世界にも──甲子園はありまして)

今回は、「シュージンとカヤが仕事場でイチャラブして、サイコーにしかられる」という場面が出てきます。この「仕事場でイチャイチャ→注意」の光景を見ると、高浜の自宅を思い出しますね。

あっちは、イチャが一方通行だったケド。

──元気かなぁ、加藤さんと、中……いや、中……まぁ、中……そう、中……フッヘヘw、中……まぁいい、さんは。

元ネタ: ワールズエンド・エルシャダイにPVつけてみた【エルシャダイ】 ‐ ニコニコ動画(原宿)

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『SAW』 私的ソウ集編 – 永遠の 1・混沌の 2-6・初まりへと続く 3D

『ソウ (SAW)』シリーズを振り返る

Il bagno? In fondo a destra!
(老朽化したバスルームで目覚めたら──二度寝)

映画・『SAW』のシリーズは、完全に終了しました。

参考: ソウ ザ・ファイナル 3D – Wikipedia

もしも今後、『SAW』の名がついた作品が作られたとしても、おそらく別物になることでしょう。──まぁ、「彼」がジグソウになるまでの経緯はやや唐突に感じるので、「ソウ(ジグソウ)・ビギニング」くらいは観たいけれど。

ここで一度、シリーズ作品を振り返ろうと思います。

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ソウ (SAW) – この一作から映画史の新しい時代が始まる

『ソウ』 (SAW)

big foot
(そう、バスルームと言えば──足)

もう、何も言うことがない最高の映画です!

大ざっぱに言えばジャンルは「ホラー映画」になりますが、ハラハラドキドキのサスペンス要素あり、犯人を捜すミステリィ的な楽しみもあり、親子愛・家族愛を確かめ合う場面もある。ちょっぴりセクシィなシーンもあるよ!

どのみち、「家族がみんな集まるひととき」に観るような、のどかな作品ではありませんが……。

「謎解き要素のあるホラー・スリラ映画」は以前から存在したのでしょうが、『SAW』以降はより加速した──、と私のゴーストがささやいています(?)。これからも確実に、『SAW』を意識した作品が作られ続けるでしょう。

それくらい、影響力・存在感の大きな作品です。

映画の大半は「老朽化したバスルームの中」だし、屋内の場面ばかりが出てくる。でも、その閉じられた感じが心地よい。最後の場面に向かって一直線に駆け抜けていく快感があります。

また、「劇場で観たからもういいよ」という人も、DVD・ブルーレイは必見ですよ! アダム・フォルクナー役であり脚本を書いたリー・ワネルと、監督のジェームズ・ワンが解説をするオーディオ・コメンタリィ(音声による解説)が楽しい! 2 人の悪ふざけが面白すぎる。

ここから、この最高傑作について語っていきます。

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プレステージ – 自由を勝ち取るために 100 回生まれ変わる男の悲劇

『プレステージ』 (The Prestige)

Here they are!! Part 1
(水槽は天国!──彼女にとっても)

ふんいきがバツグンに良いサスペンス映画でした!

舞台は 19 世紀末のロンドン──切り裂きジャックのいた時代です。レトロなファッションと近代的な設備が混ざり合った街並みが、なんとも美しい。

霧の煙るロンドンの街──闇夜にまぎれて殺人者が暗躍し──またひとり消えていく──、みたいな場面は、まったくありませんケドね! 2 人のマジシャンが主人公だけに、そういった非科学的な描写はほとんどありません。

──後半までは……。

なんだか意味ありげに書きましたが、自分にはこの映画の後半は納得がいきませんでした。前半の良さを、すべて台無しにしている。でも、「観なかったこと」にするには、あまりにも惜しい映画です。

そこで今回は珍しく、「この映画の何が不満だったのか」を主題にして感想を書きました。

まぁ、この映画の見どころは、上で挙げたように舞台の素晴らしさと、オリヴィア(スカーレット・ヨハンソン)の美しさだけで十分です!

あとはロバート・アンジャー(ヒュー・ジャックマン)とアルフレッド・ボーデン(クリスチャン・ベール)との対決に目を凝らすだけで良い。それだけでも楽しめる作品でした。

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バクマン。 #107-4 「合ってるものと好きなもの」 真剣とニヤニヤ

『バクマン。』 107 ページ 「合ってるものと好きなもの」 (週刊少年ジャンプ 2010 年 48 号)

Kimonos + Katanas = AWESOME
(恋もバトルも真剣に──しないとあとが恐い)

新妻エイジが言う ALL YOU NEED IS LOVE とは、The Beatle の超有名な曲のタイトルです。聴いたことがある人は、そろそろ減ってきているかな……。

YouTube – The Beatles – All You Need is Love (HQ)

このサビにも使われているシンプルな英語のタイトルは、日本では『愛こそはすべて』と訳されることが多い。でも自分は、誰かがブログで描いていた「君に必要なのはさ、愛だろ、愛」という訳しかたが好きです。

「愛こそはすべて」と言われると、人類全体への愛だとか世界平和だとか、なんだか対象が大きすぎるに感じる。マンガでたとえると、「オレは 家族や仲間だけが 救えれば 十分なんだよ……」と言っていた主人公が、知らぬ間にセカイを救っている感じ。

「君に必要なのは──」のほうだと、ちょっと訳がつたない気がしますけれど──、愛を伝えるのにうまい・ヘタはない! 愛の対象は「君」ひとりだ──という部分が重要なのです。

愛は、ギョウザの皮やピザの生地みたいに、何でもかんたんに包み込んだり載せたりする。でも、できれば、地に足の着いた・出所のハッキリしたモノだけにして欲しい。──愛だって、つかれる。

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