バクマン。 #112-1 「パンチと一人立ち」 「走れメロス」と温室

『バクマン。』 112 ページ 「パンチと一人立ち」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 01 号)

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(メロスは感動した──温室が美しかったからだ)

明けまして、おめでとうございます!

──って、「ジャンプ的に」という意味ですケドね。今週号が、2011 年の 1 号目です。雑誌や本の世界では不思議なことに、出版した日付は現実世界よりも未来になっている。なぜでしょうかね?

いろいろと説があるらしい:


正月とは関係がないけれど、今回の『バクマン。』は、おめでたい内容でした。亜城木夢叶の進む道が見えている。先週まではけっこう重苦しいムードだったので、まずは一安心です。

──いまのところは……。

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バーン・アフター・リーディング – 恋人の欠点は美点──と思いたい

『バーン・アフター・リーディング』 (Burn After Reading)

[serie] La musique s'enflamme 2/4
(「焼いた CD」の取り扱いには──ご注意を)

最高に面白いコメディ映画でした!

『バーン──』には、とにかくヘンテコな性格の人たちが出てきます。しかし、ふざけた演技はしていない。奇妙な人たちが、マジメに生きているから面白いのです。

ゆかいな彼らを紹介しましょう:

上の説明で「好き」と書いてあるところは、「マニア」や「バカ」と読み替えて構いません。他人からみればドーデモイーことに、人生のすべてを賭けようとしている。そこに笑いが生まれるのです。


ブラッド・ピットの演技には、とくに注目ですね! こんなにおバカな彼は、見たことがない! 『ファイト・クラブ』や『セブン』のシリアスな彼とは大違いです。

『オーシャンズ』シリーズでブラッド・ピットとコンビを組んでいるジョージ・クルーニーも、まったく違う表情を見せている。『バーン』では、下品なトークで盛り上げてくれます。

残念ながらこの 2 人は、本作品では一瞬しか共演していません。お見逃しなく!(おそらく、見逃しようがないと思うケド)

全体的にノンキなふんいきの作品だけれど、後半の展開は誰にも読めない。「ある事件」をきっかけにして、だんだんと世界が壊れていく感じです。

まさか、この映画がこんな終わり方をするとは……。

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料理マンガにおける「味見」 – 適切な味見は愛らしいキスのように

料理マンガと味見

Prarie Dog Love, #2
(「味見」で済ますことは──善か悪か)

つい先日のこと──。バーテンダをやっている女友だちに、こんな質問をしました。

「バーテンダは、カクテルを作る時に味見をするの?」

すると友人は、こう答えました。

「わたしは、必ずテイスティング(味見)をする。たとえ熟練したバーテンダでも、いつも 100% のカクテルを作るのはむずかしいし、わたしの技量はまだまだだから」

語られた内容とは逆に、彼女の口調と表情から、プロの意識と自信が感じられます。いい話を聞けて、すがすがしい気持ちになりました。


──自信に充ち満ちた、彼女の重い言葉。

──その上にフロートする、「むしょく」透明な自分。


両者は混ざり合わないことによって、初めてカクテルが完成する(いやいや、働けよ)。

参考: カクテル #カクテルの作成技法 – Wikipedia


上の質問をしたきっかけは、バーテンダの彼女に貸してもらった『バーテンダー』です。このマンガは大好きで、過去に感想を 2 つも書きました。

『バーテンダー』の主人公である佐々倉溜(ささくら りゅう)は、カクテルの作成中にテイスティングをしません(修業時代は別)。彼の作るカクテルの味は「神のグラス」と呼ばれている──という佐々倉のことだから、長年のカンだけで完全に味が把握できるのでしょうか?

とはいえ、ほかの人物も同様に味をみない。だから、現実世界でも同じなのかな──と思ったのです。

自分の知らない世界が友人の口から語られるのは、本当に面白い。インターネットなどで知る情報よりも、自分の血肉になっていく。


ここから先は話の範囲を広げて、カクテルだけではなく料理全般を描いたマンガでの味見について、思うままに書いていきます。

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バクマン。 #111-4 「口出しと信頼」 完璧な読切と合宿した甲斐

『バクマン。』 111 ページ 「口出しと信頼」 (週刊少年ジャンプ 2010 年 52 号)

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(この世でもっとも──パーフェクトな種族)

今回のラストは最高に良かった!(←ダブルミーニング)

ミステリィ読みとしては、素晴らしいトリックに出会ったあとの「ちっくしょー! まただまされた!(満面の笑みで)」という心境でしたね。最初の一回だけしか味わえないため、この感覚は貴重です。人生で、何度巡り会えるか……。

手の込んだ伏線の張り方をしなくても、心理描写の見せ方だけで読者の印象を操作する──。かなりの高等テクニックでしたね。

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バクマン。 #111-3 「口出しと信頼」 余計なものと白紙のページ

『バクマン。』 111 ページ 「口出しと信頼」 (週刊少年ジャンプ 2010 年 52 号)

Blank Sheet of Paper
(無限の可能性を秘めた──白い紙)

今回は、平丸の天才ぶりが見られました。

平丸は、何も努力をしなくても、面白いマンガを描ける。そして、それを当然のことと思っています。彼ほどマンガの才能に恵まれているのに、そのことに感謝しないマンガ家も、ほかにいないでしょう。

たとえば『ドラゴンボール』では、「最初から強かったキャラクタ」には出生の秘密がつきものでした。じつは戦闘民族の生まれだったり、どこかの王族だったり。

もしかしたら、平丸の親は天才マンガ家なのでは?

吉田:
オメーは自分の 家族の事なんて 知らねえ筈だ まだ 何もな
平丸:
どういう────… …意味だよ…?

(最近の『BLEACH』ネタ。どうでもいいけれど、意味だよ…? って口調は萌えキャラみたいだぞ、一護)

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バクマン。 #111-2 「口出しと信頼」 1 人で暴走と 2 人が別行動

『バクマン。』 111 ページ 「口出しと信頼」 (週刊少年ジャンプ 2010 年 52 号)

Charging Bull
(暴走か!? ──それとも、モー走か)

最近は、サイコーとカヤが急接近です。

2 人きりで仕事場にいるサイコーとカヤの姿は、かなり親密そうに見えて、なんだかドキドキしてしまう。

「少年マンガだから『あやまち』はない」と油断しがちですけれど──、『DEATH NOTE』で「あやまちだらけ」の夜神月を描いた作者ですからねっ!

何かあっても、おかしくはない(ことはない)。

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バクマン。 #111-1 「口出しと信頼」 後釜と文章力

『バクマン。』 111 ページ 「口出しと信頼」 (週刊少年ジャンプ 2010 年 52 号)

日本立體橡皮(釜飯)
(「鳥」も「釜」も──おいしい印象しかない)

今週号も『バクマン。』は面白かった!

何度も書き続けていますが、大場つぐみ先生は「印象のコントロール」が上手です。同じキャラクタでも、場合によっては印象が大きく変わる。現実世界でも、そうそう同じ印象の人はいません。それでいて、各キャラにはブレない芯が通っています。

──まぁ、「氷の仮面をかぶった蒼樹」や「暗黒面に墜ちた白鳥」・「きれいな中♯」といった変わりすぎの例外もありますけれど……。

今週号のラストで、印象の変化をお楽しみください。

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Amazon にてカメラ・レンズがセール中! 貪欲な知性で買いまくれ!

Amazon.co.jp セール・バーゲン・お買い得情報

Yotsuba is having a yard sale!
(できれば──かわいい売り子がいるともっと良い)

Amazon.co.jp: セール・バーゲン・お買い得情報をチェックしていますか? 家庭用電化製品やホーム用品・DVD・ゲームなど、あらゆるジャンルのセールをいつも行っていますよ。

今回は、カメラ・レンズ製品にしぼって、お得な情報をお送りします。

一番の目玉は、キヤノンのキャッシュバックですね。ただ、適用条件が分かりにくいため、ここから詳しく説明していきます。

とくに、値段がこなれてきた Canon EOS 7D を狙っている人は、注目のキャンペーンですよ!

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プラダを着た悪魔 – 生活のために仕事をして、愛のために努力する

『プラダを着た悪魔』 (The Devil Wears Prada)

PRADA BOUTIQUE AOYAMA
(プラダは悪魔に──シャネルは……)

最高に面白いドラマです!

Wikipedia の説明によるとストーリィは、ジャーナリスト志望の主人公が悪魔のような最悪の上司の下で直向きに頑張る姿を描いた物語である──とのこと。しかし、映像を見た印象からはズレています。

主人公の 1 人であるアンディことアンドレア・サックスは、アン・ハサウェイが生き生きと演じています(名前がややこしい?)。

正直なところ、『パッセンジャーズ』でのアン・ハサウェイの弱々しい・たどたどしい演技にホレて本作品を手に取り、期待せずに観ました。結果はバツグンに面白くて、嬉しい誤算です。

パッセンジャーズ – 空での真相を求めて心の世界をさまよう : 亜細亜ノ蛾

もう 1 人の主人公──ミランダ・プリーストリーは、「大女優」の代名詞であるメリル・ストリープが最高の演技を見せてくれました。

本作は、ミランダの「美しい生き方」が見どころです。

『プラダ』を観る前の自分みたいに、「アン・ハサウェイかわいいー! メリルはきっと、いじわるなオ■サンなんだろうな、フン!」という第一印象を持ってしまい、ミランダに注目しないと、大きなソンをしますよ!

(注: ■の中には「ク」が入る)

作品のイメージとあらすじからして、下のような内容だと思う人も多いでしょう。しかし、自分が受けた印象は大きく異なりました。

  • 仕事に不慣れな主人公が、しだいに大きな仕事を覚えていくサクセス・ストーリィ
  • 華々しいファッション業界にひそむ、きびしい現実を鋭く描く作品
  • 洋服には無頓着な女性が、ファッションの奥深さに目覚めていく
  • ハンサムな新しいカレシと結ばれるシンデレラ・ストーリィ

本作品を見終わった人の中で、上の箇条書きを見て「──えっ、このとおりじゃないの!?」と思った人が大半のはずです。たしかに、上で挙げた要素はすべて本編に出てくる。しかし、その映像の裏には、別の意味が見えるのです。

日本でのキャッチコピーは、映像から受けた印象だけで作ったのだと思う。下の 3 つともスベっている。けっして、こういう話じゃない! このコピーによって、余計なイメージを持たされそうです。

  • 恋に仕事にがんばるあなたの物語
  • こんな最高の職場なら、死んでもいい!
  • こんな最悪の上司の下で、死にたくない!

プラダを着た悪魔 – Wikipedia

しかし──、あえて、上で挙げてきたような印象を持ったまま、『プラダ』を観て欲しいですね。見る人が見れば、良い意味で裏切られる。たとえ上記のイメージどおりに見終わっても、充分に楽しめます。

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ペイチェック 消された記憶 – 記憶も夢も愛も売って生きられるか?

『ペイチェック 消された記憶』 (Paycheck)

Close connection - Verbundenheit
クリップを武器にする男は──ひとりじゃない)

『バクマン。』好きにおすすめの SF 映画です。

なぜここで『バクマン。』の名前が挙がるのか、不思議に思った人もいるでしょう。あらすじを聞くと、ピンと来る人は来るかもしれません。

時代は近未来で、コンピュータ・エンジニアのマイケル・ジェニングス(ベン・アフレック)が主人公です。市販の電化製品などを解析して、新しい製品を生み出すことが、彼の仕事となる。ただし、機密保持のため、ひとつの仕事が終わるたびに、働いた期間の記憶を消されてしまう

大企業の幹部であり親友のジミー・レスリック(アーロン・エッカート)から、マイケルは大きなプロジェクトを持ちかけられた。3 年後にプロジェクトを成功させたマイケルは、その間の記憶を消去される。報酬として巨万の富を得るはずが、なぜか 手に入れたのは「19 個のがらくた」だった──。

このストーリィの面白いところは、仕事のあとで記憶が消去される点です。言いかえれば、契約期間中の時間と記憶とを引き替えにして──「脳を売って」報酬を得ている。このあたりが、『バクマン。』に出てきた劇中作・『この世は金と知恵』に似ています。

また、この映画はとてもマジメに作られていますが、ところどころ「なんでやねん!」と突っ込みたくなる。監督を始めとして、制作者側は真剣にやっているからこそ、逆に笑えます。──おお、「シリアスな笑い」ですよ!(強引)

ヒロインのレイチェル・ポーターは、大好きなユマ・サーマンが演じています。彼女は『パルプ・フィクション』や『キル・ビル』の印象が強くて、すぐに クエンティン・タランティーノ監督の顔が浮かぶ。

アクションやラブ・シーンなど見どころが多く、ストーリィは斬新で面白い。なぜか全体的にチープな香りがするけれど、映画ファンには好きな空気です。どちらかと言うと劇場で観るよりは、自宅のテレビでゆっくり観たい映画ですね。

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