イーサン・コーエン一覧

ノーカントリー – 最後に老人が望むのは平穏な日々──なのか

『ノーカントリー』 (No Country for Old Men)

Beef!
(つながれたまま生きるか──それとも)

アレックス』と同じで、あらすじを書くだけなら 2 行で終わってしまうけれど、ずっと心に残る映画です。映像的にも内容的にも、「暴力的な映画」という点で両者は共通している。

『アレックス』 悪意と悪趣味の固まりのような超暴力映画 : 亜細亜ノ蛾

ずばり! 『ノーカントリー』は、こんな映画です:

あらすじ:
「ギャングの金をパクったら、
おかっぱ頭のターミネーターが追ってきたでござる の巻」

言ってしまえば「これだけ」の内容の映画なのに、最後まで観客を引っ張っていく引力が すごい。その力の正体とは──。

ハビエル・バルデムが演じている、殺し屋のアントン・シガーが、素晴らしく不気味でした! この風変わりな殺人鬼の魅力で、122 分間の大半が成り立っている。

ジャンルで言えば「スリラー映画」に入りますが、ホラーと思って観たほうが分かりやすいでしょう。「家族愛」や「夫婦愛」も一応は出てくるけれど、いっさい期待せず、仲の良い友だちか恋人と・あるいは 1 人でゆっくりとお楽しみください。

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バーン・アフター・リーディング – 恋人の欠点は美点──と思いたい

『バーン・アフター・リーディング』 (Burn After Reading)

[serie] La musique s'enflamme 2/4
(「焼いた CD」の取り扱いには──ご注意を)

最高に面白いコメディ映画でした!

『バーン──』には、とにかくヘンテコな性格の人たちが出てきます。しかし、ふざけた演技はしていない。奇妙な人たちが、マジメに生きているから面白いのです。

ゆかいな彼らを紹介しましょう:

上の説明で「好き」と書いてあるところは、「マニア」や「バカ」と読み替えて構いません。他人からみればドーデモイーことに、人生のすべてを賭けようとしている。そこに笑いが生まれるのです。


ブラッド・ピットの演技には、とくに注目ですね! こんなにおバカな彼は、見たことがない! 『ファイト・クラブ』や『セブン』のシリアスな彼とは大違いです。

『オーシャンズ』シリーズでブラッド・ピットとコンビを組んでいるジョージ・クルーニーも、まったく違う表情を見せている。『バーン』では、下品なトークで盛り上げてくれます。

残念ながらこの 2 人は、本作品では一瞬しか共演していません。お見逃しなく!(おそらく、見逃しようがないと思うケド)

全体的にノンキなふんいきの作品だけれど、後半の展開は誰にも読めない。「ある事件」をきっかけにして、だんだんと世界が壊れていく感じです。

まさか、この映画がこんな終わり方をするとは……。

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