冨樫義博一覧

HUNTER×HUNTER #337 「懺悔」 食材×贖罪×救済

HUNTER×HUNTER No.337 「懺悔」 (週刊少年ジャンプ 2012 年 13 号)

Heart felt いつか見た少女と──いま初めて向き合う

「輪廻転生」(生まれ変わり)を強くは信じていない人でも、なんとなく「魂の存在」を感じている人が多い。とくに ゆるふわな宗教観を持つ日本人なら、その傾向が強いと思う。

自分は、「一寸の虫にも五分の魂」という言葉が昔から恐かった。数センチメートほどの小さな虫にも、半分ほどの魂入っているなんて、大きすぎるのではないか──と。

ところが、自分の思っていた以上に「五分」とは すさまじく巨大な単位だった……!

──と本編を読んでいない人には何のこっちゃ分からない前書きはこれくらいにして、『H×H』の感想をどうぞ! 今回も すごかった……!

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HUNTER×HUNTER 7 巻 「これから」 2 – 水を見て水をあける

『HUNTER×HUNTER(ハンター×ハンター)』 No.7 「これから」

Aztec double-headed snake - British Museum
双頭の蛇も──もはや崩れ去る寸前

第 7 巻の後半は、「二面性」をテーマに感想を書きました。「善と悪」とか「陰と陽」みたいな話ではなく、作者の芸達者ぶりを称賛するという、いつものノリです。

たとえば No.061 「決戦」の扉絵は、リアルなヒソカの描写と、コミック・タッチな 4 人との対比が面白い。「週刊少年ジャンプ」に掲載された時はカラーになっていて、とくにヒソカの顔はドキッとするほど生々しかった。

この「リアル寄り」・「マンガ寄り」の画風を描き分けられることが、冨樫先生の特長の 1 つですね。

個人的に一番すごいと思うのは、ヒソカのように「リアル寄りのコミック・タッチ」という難しい絵柄を体得しているのに、「ほっぺたやアゴが とんがったマンガ絵」を主体に描いていることです!

どんな絵柄が読者にウケるのかを、魂で把握している。

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HUNTER×HUNTER 7 巻 「これから」 1 – 攫う×習う×繋ぐ

『HUNTER×HUNTER(ハンター×ハンター)』 No.7 「これから」

İğneden ipliğe...
人と人とを繋げる──赤い糸と意図

記念すべき第 1 回目の人気投票が行なわれました!

結果は第 1 位のキルアと 2 位のクラピカが断トツで、3 位のゴンよりも 4 倍以上の票が入っています。4 位にヒソカ、5 位にレオリオ──と順当な結果で、票を入れたファンの層が目に浮かぶようですね!

これがインターネットの調査だったら、ハンゾーやミルキが上位を独占して、「フ」の付く女子が涙目──となったに違いない。

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HUNTER×HUNTER #336 「解除」 洞察×恫喝×慟哭

HUNTER×HUNTER No.336 「解除」 (週刊少年ジャンプ 2012 年 12 号)

158/365 In the mood for dancin'...
帰れる家が あるのは良い──崩壊寸前でも

今回は もつれた糸をほどくように、スルスルと謎が解けていきました。またトリックを見抜けなくて くやしい!(にっこり)

たとえに出した「もつれた糸」と同様に、「ほどけた姿」(答え)は見れば分かる。それなのに気がつかなかった。いつもながら その見せ方がすごい!

バクマン。』で、何話か連続する「シリーズ物」の話がありました。あらかじめ謎の伏線を序盤で見せておいて、最後に解く──という作り方をする。シュージンは 5 話連続の話を書きました。

バクマン。 #97-1 「ラストと暗号」 犯行予告とデザートのプリン | 亜細亜ノ蛾

今回の『H×H』を読むと、最低でも 10 話以上も前からワナが仕掛けてあったと分かります。それも、放置しておいた「伏線モドキ」を無理やり つなげたのではなく、最初から回収するための伏線を張っている。

そりゃ、何十週も休む必要がありますよね!

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HUNTER×HUNTER #335 「決定」 シャイや謝意より誠意

HUNTER×HUNTER No.335 「決定」 (週刊少年ジャンプ 2012 年 11 号)

Shy
照れながらでも──ちゃんと謝ろう

巻末の作者コメントで冨樫義博先生は、前回・前々回と「週刊少年ジャンプ」のシステムを批判した──とも取れる発言を残しています。

今回は何に対してバッシングするんだろう──とワクテカしながら見てみると、なんと感謝の言葉が刻まれていました。

いつも応援有難うございます。大変な時、とても励みになります。(空白)〈義博〉

ほかの先生よりも文字数が すくない点(「そこまで考えてられっか!」)と、感謝する対象が不明瞭な点(「おまえらアンケートのハガキ送れよ!」)に、先生のパンク精神を感じる。──とか言う人はいませんか!?

今週号も載っていて ありがとうございます──という気持ちを込めて感想を書きました!

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HUNTER×HUNTER 6 巻 「ヒソカの条件」 2 – 右腕とダンス

『HUNTER×HUNTER(ハンター×ハンター)』 No.6 「ヒソカの条件」

as red as... 手品のタネは──隠し場所に気をつけよう

第 6 巻の後半は狂気の舞踏会でした。これまでにも あっけなく命を落とす人間が描かれたけれど、そこには恐怖感が ありません。よっぽど主要の人物が亡くならない限り、すぐに忘れてしまいます。

すべてを消し去る死より、狂乱の生のほうが恐ろしい。

過去に怖い話の記事で書いたように、けっきょく「生きている人間が一番怖い・恐い」という結論になります。どんなに工夫をこらした「洒落怖」(しゃれこわ)な話でも、幽霊や悪魔が出てくると──冷めてしまう。

H×H』で恐怖の象徴と言えば、なんといってもヒソカです。ゴンにとって「初めての相手」ですからね……(恐怖の対象として)。

そして、ヒソカを生み出した作者が一番恐ろしい。

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HUNTER×HUNTER 6 巻 「ヒソカの条件」 1 – 不自然な案内ガール

『HUNTER×HUNTER(ハンター×ハンター)』 No.6 「ヒソカの条件」

お中元
飲むと美味い──切るのはマズい

第 6 巻は おまけページが楽しかった! 妻・武内直子姫が夫・冨樫義博王子にインタビューしています。

──読んでいるほうは状況の設定だけで照れくさくなってくるけれど(自分で「王子」て!)、ご本人は喜んで描いていたのかな(「けけけ」と)。その浮かれ気分が作品に影響されない点は さすがですね。

HUNTER×HUNTER』・『レベルE』『幽☆遊☆白書』の題名が決まるまでの壮大なドラマが、この おまけによって明かされました。とても ここには書ききれないけれど──、

ひと言で言えば「その場の思いつき」らしい。

ただ、冨樫先生のことだから、どこまでが本当なのかは分かりませんけどね! たとえば何年か あとに次回作が発表されて、上に挙げた 3 作のタイトルと合わせ・並べ替え・ノイズを消し・あるいは足すと──、

てんで性悪キューピッド』に なるのでは!?

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HUNTER×HUNTER #334 「完敗」 トラの意を狩るネズミ

HUNTER×HUNTER No.334 「完敗」 (週刊少年ジャンプ 2012 年 10 号)

Mouse and Tigerいつか分かり合える──という幻想

今週号の『HUNTER×HUNTER』はセンタ・カラーです! テレビでアニメも放送中の今、さぞかし楽しげなイラストが見られる──

──などという甘ったるい考えは夢だった。

巻末の作者コメントも不吉です。先週号は巻末コメント・今週号はサブタイトルについて、冨樫先生は疑問を感じ始めているらしい──。ベタすぎるし考えたくないけれど、こんなセリフを想像してしまいます。

冨樫義博:
「もう これで 終わってもいい だから ありったけを」

同じことを「キメラアント編」で何度も思わされたので、あと 100 巻は続くと信じていますけどねッ!

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HUNTER×HUNTER #333 「鳴動」 捻る×寝る×尋ねる

HUNTER×HUNTER No.333 「鳴動」 (週刊少年ジャンプ 2012 年 09 号)

Have a Heart Desaturated Free Creative Commons手から生まれる──かけがえのない奇跡

パリストンが副会長になったのは、わずか 3 年前でした。意外と最近だけれど、ネテロが「十二支ん」を集めたのは、もっと前だと思うんですよね。かなり以前から「十二支ん」同士の交流も あったように見えます。

とくにジンとチードルとは「10 年来の仲」といった感じで、以前に けしからん妄想までしてしまいました。──どんな女性とでもジンは、「夫婦ゲンカ」みたいな口調になりそうですけどね。

HUNTER×HUNTER #331 「X 日」 この世は閉じられている | 亜細亜ノ蛾

幻影旅団のように欠員が出たところを、パリストンで埋めたのかもしれません。あるいは、「十二支ん」自体は以前から結成していて、いなくなったのは副会長なのかな。

その場合は おそらく、「たまたま」メンバが行方不明になったり、「偶然にも」亡くなったりしたのだろうなぁ……。

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HUNTER×HUNTER 5 巻 「ジン・フリークス」 2 – 想像できない夫婦生活

『HUNTER×HUNTER(ハンター×ハンター)』 No.5 「ジン・フリークス」

Easter Pug両親の良いところを受け継いだ──自慢の子

5 巻の後半は、目まぐるしく状況が変化します。そのため、過酷な状況に気がつかない人も多いでしょうね。キルアがどんな状態だったか、もう一度よく思い返してみよう。

マンガや小説・映画など創作の世界では、時間をかけて描写するほど「これは すごい状況だ!」──と読者が思う傾向にある。探偵小説で長々と「謎の解明編」が描かれたり、戦闘中に敵がベラベラと必殺技の解説を始める理由です。

冨樫先生は、そんな小手先のテクニックで引き延ばしたりしない。──本当のところは、飽きっぽい性格だからかもしれないけれど。

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