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『SKET DANCE(スケット・ダンス)』 第 22 巻 「フィギュア・ドール・ペインティング!」

きょうのおやつ懐かしくも新しい──過去と現在をつなぐ味

第 22 巻の後半は、出番の すくない人物に焦点を当てる話が多いです。もう十分にキャラが多くなってきたので、これからも各人物を掘り下げていく話を描いて欲しい。

とくに、安形紗綾(サーヤ)の再登場が良かった! ストーリィ的に考えて、もっと彼女の出番は多くて当然のはずなんですけどね。

第 194 話 「弟と弟分」

加藤希里(キリ)は格好も性格も良いのに、最近は「椿佐介の下っ端」という印象が強い。なんだか もったいないな──と思っていたので、ここで大きく取り上げられたことは喜ばしかった。

同じく武光震平も出番が すくない。兄思いの彼に注目する読者が増えて、今後は登場の回数も上がるのでは? 兄よりも多く出てくるようになったりして……(可能性: 特大)。


「タチ高」こと館川高校と言えば、不良(ワル)どもの巣窟と相場が決まっています。名前を思い出したくもない最悪な悪の王・藪田のところへ、浅雛菊乃(デージー)を救いに行った話で登場しました。

スケット・ダンス』の暗黒面が にじみ出ている話だったよなぁ……。

そんな高校の女生徒から治療費を請求されて、椿佐介は詐欺だと疑わなかったのだろうか?

──たぶん、まったく椿は考えもしなかったでしょうね。話に矛盾があったとしても、自分の過失を自分で責めるはずです。その前に、素直すぎる彼の性格は(ボッスン以外の)ウソを見抜けない。


「希里と震平が悪者をやっつけた」というキレイな終わり方をしているけれど、忘れ去られた事実があります。

兄の振蔵は、回想以外には登場すらしていないし、お金も貢いだあとだし、知らぬ間に振られているし──という踏んだり蹴ったり煮たり焼いたりな話でした(いつものこと)。

それでも振蔵は、「一時でも女子と付き合えたでござる!」とかなんとか前向きに喜んでいそう。「いい人なんだけれど、恋愛の対象外」という典型的なタイプですね。

第 195 話 「お助け組懐旧談」

ボッスンとヒメコが口論をしている場面に注目です! 内容を解きほぐすと、ヒメコは「卒業後も会おう」と言っている。これはイイネ! スケット団の 3 人は、いつまでも仲良く交流して欲しいな。

第 22 巻は やけにバウムクーヘンを押していますね。作者も好物なのでしょうか。

いままでは「ばーむくーへん」と締まりのない発音で自分は覚えていたけれど、これを機に『スケダン』式の発音に切り替えました。そして、バウムクーヘンが やたらと食べたくなってくる。

──これがステマか!

ステルス・マーケティング/ ステマ/ 同人用語の基礎知識

ちなみに、自分のようなネット・ジャンキィかつ知ったかぶり村長な人間には、「ステマ」という言葉はリトマス紙です。冗談半分で使うのではなく、本気で怒ったり恐れている人は、情報弱者にしか見えません。

そんな概念なんて、紀元前からあるだろうに……。


スケット団と「お助け組」は、部員の構成・活動の内容・バウムクーヘン好き──と似た部分が多い。

ただし、理事長──サイクロプスと梅子との関係が決定的に違います。サイクは熱烈にアタックしている。そのたびに当たって砕けているけれど、その無鉄砲ぶりは すがすがしい。

ボッスンがヒメコに対して、「恋愛感情らしきもの」を抱いたことはあっても、恋心そのものを向けたことは──たぶん ありません。

ヒメコとキリが楽しそうにしている時に感じたボッスンの「嫉妬心のような感じ」も、先を越されてくやしいとか、離れて行かれるのは寂しい──といった感情だと思う。おそらく意図的に ぼかして描いてある。

ボッスンとヒメコは、ずっと良い親友でいられるはずです。お互いに別のパートナと結婚して、家族ぐるみの付き合いをするんじゃないかな。


いつもながら、広げた風呂敷や敷いた伏線をキッチリと片付ける話でした。

ただ、あまりにも こまかい部分まで拾っているので、冒頭からオチが読める危険性もある。たまには投げっぱなしの話も読みたい。

梅子が警視総監だった時代のサイク・秀一・ススムたちの話は、番外編として登場しそうな予感がしました。いまのところ梅子とヒメコとの違いが見えてこないので、そのあたりも描かれると面白い。

第 196 話 「丹生家お宅訪問!」

生徒会が中心の回は多いけれど、丹生美森(ミモリン)が前に出ることは すくない。今回も「丹生がメインの話」とは言い切れないですよね。

丹生の家にご学友の 皆様が来ることは珍しいようです。その理由の半分は、気疲れするからでしょうね。順応性のあるボッスンたちでも慣れるには時間がかかる。

そもそも、丹生に「仲間」ではなく「友だち」自体がすくなそう。どうしても家の大きさをヘンに意識されるはずです。

いつもニコニコしている丹生は魅力的ですが、たまには別の表情──たとえば怒った表情なども見てみたい。

心の底から憎みたくなる相手や、お金では解決できない問題、泣くほど悲しい事態──などに突き当たった時の彼女は、どんな感情を出すのだろう?

うってつけの相手としてチェリーがいます! 彼なら財力も何も無関係に、ゲスな言葉を投げかけるはず。「丹生というか巨■うんぬん」とか。

──ああ、そんな場面を見てみたいでゲス!

第 197 話 「ゲスリング部の危機」

第 191 話 「いたいけな果実」のヒメコとコマも、今回のデージーも、「女性として見られている」ことを強く意識したことは、おそらく初めてなのでは?

いや、デージーの場合は、上でも書いたタチ高の話で「女扱い」されているか。

不良たちの暴力的な行為と、チェリーの明るいゲス話とでは、読者にとっては受け取り方が大きく違う。でも、浅雛にとっては両方とも同じ「イヤな思い」かもしれません。


当然のようにゲスリング部は なくなったけれど、チェリーたちの活動は止まらない。むしろ部室から出たことで、仲間が増える可能性もあります。教室でゲス話に加わりたい生徒もいるでしょう。

その筆頭は武光振蔵です!

チェリーとは学年が違うけれど、弟の震平からウワサを聞いて──という感じで振蔵が入門してきそう。ますます現実世界の女性とは縁遠くなるな……。

第 198 話 「妹の悩みに悩む兄に悩む妹とその仲間たち 前編」

安形惣司郎は、いまだに勘違いし続けたままだったのかよ! 読者からすると「ああ、そんなのあったね」で済むけれど、何日も ボサミ状態の兄を見続けて、紗綾(サーヤ)も つらかったでしょうね。

ボッスンとサーヤは恋人同士──のはずだけれど、兄の件で相談しに来るまで しばらく会っていなかったらしい。その間にもボッスンは、いままでどおりヒメコとは普通に接している──。

クラスも部活も違うし、わざわざ部室まで相談しに来たところから、ボッスンとサーヤが「じつは普段から よくメールをしている」という可能性も低くなりました。

兄とカレシの件で、サーヤは二重に苦しいのでは?

修学旅行のあとでサーヤが、さわやかに明るく「ボッスン 好きだよ」と告白した場面には感動しました。よけいにボッスンの対応が頼りなかったけれど、彼らしい正直さでしたね。

『SKET DANCE(スケット・ダンス)』 第 19 巻 感想・2 | 亜細亜ノ蛾

そこからの 2 人の恋は、カタツムリとナメクジのフルマラソン並に進展が遅いと想像していたけれど、もう ちょっとサーヤを大事に扱って欲しいですね。ボッスンと作者は。


榛葉道流の恋模様を描くと、多くの読者からの反感を買いそうです。しかし、他人のために動く姿には好感が持てる。彼は恋の探偵役として優秀で格好いい!

作者は「人の役に立つ人物」を描くことが上手ですね。

それだけに、すべてを打ち壊すジョーカとしてロマンやチェリーが出てくると、画面と話に動きが出て盛り上がる。

どちらが作者の持ち味かというと──、個人的には「天然ジョーカ」だと思っています。本人は どこまで計算しているのか不明だけれど、反感を含めた反響を望んでいる感じがする。

──ようするに、やっかいな人っぽい。

HUNTER×HUNTER』の冨樫義博先生といい、『銃夢』の木城ゆきと先生といい、作品の内外で騒動を起こす作家が自分は好きなようです。

できれば各先生方には、作品の力だけで賛否両論を巻き起こす台風の眼になって欲しい。その大風に巻き込まれたいぜ……!

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