『マルホランド・ドライブ』 不可思議な世界と二人のヒロイン

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『マルホランド・ドライブ』(Mulholland Dr.)

変なタイトル──と言うと、実在の地名なので失礼ですが、内容はもっと変でした(笑)

あのデヴィッド・リンチ監督作品だけあって、謎な演出の連続で、何度も「──あれ?」と思うシーンが出てきます。「最後に謎は全て解き明かされる」というような、ミステリィ的なオチを期待してみると、痛い目に遭いますよ。

ツイン・ピークス』(とくに映画版のほう)や『ロスト・ハイウェイ』同様、「わからない系」の作品ですね。『ツイン・ピークス』ファンにはお馴染みの「あの人」も出ますが、彼のシーンで ますます謎が深まります。

──しかし、ビックリすることに、この映画にきっちりとした解釈を付けている人が何人もいます。それは後述しますが、まずは、このとても不思議な作品を味わってください。

とくに不思議なことは起きていないのに、なんだか不安になってくる。──いや、「何か」が起こっているんだろうけど、画面には現れない。得体の知れない恐怖が、じわっと画面から漂ってくる──。そんな雰囲気が最高で、好きな人にはたまりません。

そうそう、それに、ヒロインの二人、ナオミ・ワッツローラ・ハリングが とてつもなく美しいだけではなく、■■■なシーンもあったりして、ソレだけでも二時間半の元は取れますよ(最低な勧め方だ)。

photo

マルホランド・ドライブ
ナオミ・ワッツ ローラ・エレナ・ハリング ジャスティン・セロウ
ポニーキャニオン 2002-08-21
楽天ブックス: マルホランド・ドライブ

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by G-Tools , 2007/12/21

二人のヒロイン

何度も言いますが、ヒロインが二人とも素晴らしい!

女優を夢見てハリウッドにやってきたベティ・エルムスを、ナオミ・ワッツが じつに初々しく演じています。

好きな女優さんだし、名前をよく聞くので、大ベテランかと思っていましたが、『マルホランド・ドライブ』以前は無名時代が長く続き、どうしようもなく落ち込むこともあった、とのこと。

ナオミ・ワッツ – Wikipedia

──そうか、本作のベティは、彼女自身の姿が少し入っているのかも知れませんね。

もうひとりのヒロイン、リタを演じたローラ・ハリングもまた、じつに美しい!

「妖艶」という言葉は、彼女のためにあるのではないか、というくらい。あまりにも美しいので、自動車事故のあとで泣きじゃくっているのに、メイクが一切 乱れていないくらい。──と、あまりにキレイなので皮肉の一つも言いたくなります(笑)

リタの本名は後半まで不明なのですが、「カミーラ」という あまりにもピッタリな名前なので、笑いました。女吸血鬼みたいな名前で。──と思っていたら、スンマセン、それ、「カーミラ」ですた。

カーミラ – Wikipedia

「リタ」と「カミーラ」で、まったく違う性格の人物を演じているのに注目です。リタの泣き虫っぷりも可愛らしいし、カミーラの悪女っぷりも捨てがたい……(何の話だ)。

謎は解けた?

さて、自分は この映画を「謎解き映画」と思っていないので、とくに解釈らしい解釈なしで楽しめました。しかし、まぁ、「スッキリしたい」という欲求もあるので、他の人が この映画をどう見たのか、探してみました。