HUNTER×HUNTER #292 『思惑』 王の誉め言葉

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HUNTER×HUNTER No.292 『思惑』 (週刊少年ジャンプ 2010 年 07 号)

There's a hole in my pants! (by elvis_payne) (by elvis_payne)

今週号も、概要を書くと 3 行・100 文字でまとまりそうな内容でした。「ネテロと王の戦いは続いている」でもいいくらいです。それでも面白い! 何だこれは!!

冨樫義博というマンガ家をひと言で言うと、「圧倒的にマンガがうまい」ですね。

この作者は、何でもないことを強烈に面白く描いたり、とんでもないことをアッサリと描いたり、緩急の付け方・コマの使い方が上手なのです。

冨樫先生に対して「(原稿を落とすくらいなら)原作をやればいいのに」という、皮肉めいた批判モドキをよく見かけますが、「3 年 ROM ってろ!」ですね。3 年後も、まだネテロと王が戦っていそうだけど……。

ある感情

王から敵への憎しみ無き 賞讃の見開きページは、ぶっ飛んでますね! さすが冨樫先生、『レベル E』の「娘の心の中」や『H×H』ユピー戦みたいに、狂った世界観へ突入するのか……。

──と思いきや、この絵にはモチーフがあるようです。

これはどうやら、冨樫先生の出身地である新庄市のお祭りに出てくる「山車若連」にヒントを得ているようですね。

2010-01-18 – 『幽☆遊☆白書』~仙水と樹の亜空間~

新庄市のお祭りと山車(だし)については、こちらをどうぞ。

まったく関係はないけれど、我が町・四日市市の大入道くんは、全高9m、からくり人形では日本一といわれているらしいです(関係ねェ!)。

第46回 大四日市まつり 2009 公式サイト

そんなことはさておき、ボスとボスとの大事な一戦の最中に、地元のお祭りネタをはさんでくるという、発想がスゴい! この、急に精神世界を描く表現は、ほかの作家さんではマネができないでしょう。太刀打ちができるのは、『銀魂』の作者くらいかな。

狂気にすら 近い感情

百式観音での攻撃には、両の掌を合わせる動作が必要です。それは明らかな弱点でありながら、王よりも素早い。

ゲンスルー対ゴン戦の直前に、ビスケの特訓を受けたゴンは、反射的に防御する技を身につけました。原理的には同じ事をネテロは行なっているのでしょう。ただし、ゴンよりも何倍・何十倍も動きが速いはず。

拳を通じて相手を知る。バトルマンガではおなじみの、熱い展開です。打撃を受け続けることで、ネテロの修行していた期間を王は見抜きました。生まれて間もない王が、その時の長さを感じ取るのは、やや不思議ですけれど。

予想通りだがな

ネテロの計画には穴が多い。今のところ、下記の条件を満たした敵にのみ有効だと思います。

  • ドラゴンダイブで素直に運ばれてくれる性格で、
  • 打撃による攻撃(百式観音)が効いて、
  • 飛び道具を使わない相手

つまり、もしも「シャウアプフが王」だったら、会長の計画は元から成り立たない。

百式観音の攻撃は「蝿の王(ベルゼブブ)」ですり抜けるはず。いま戦っている半・密室で鱗粉をまかれるのもマズい。それに、そもそも、おとなしく連行されないでしょう。「どうして、私が人間達(あなたたち)の言うことを聞かなければならないのです?」などと拒否する姿が目に浮かぶ。

また、モントゥトゥユピーの「爆発」なら、百式観音の掌打を食らいながらでも、反撃ができるでしょう。

そう考えていくと、会長が勝てそうなのは、「黒子無想(テレプシコーラ)」での攻撃が間に合わなかったネフェルピトーくらいです。ただ、ピトーのオーラの量と発想の応用が利くところ(「玩具修理者(ドクターブライス)」でブレーキ)からすると、まだまだ奥が深そう。

──というか、百式よりも高速に放てる技、例えば「目から光速でビームを出せる」という能力者が王か護衛隊にいたら、「アウトーー !!」だったと思う。

詰める もんなら 詰んでみな

王の分析どおりだとすると、すでに「詰み」を待っているだけの状態で、ネテロは王の余興に付き合わされているようなものです。しかし、ネテロも戦いを楽しんでいる。──なぜか?

百式の零という切り札をネテロは持っている。おそらく、この技(技なのか?)こそが、計画の要(かなめ)なのでしょう。

ネテロの自信からすると、これまでの打撃とは根本から異なる攻撃かもしれませんね。──ただ、そうすると、一撃目で使わなかった理由が分かりません。あの「壱乃掌」を放った瞬間が、王に一番スキがあったと思います。

もしかすると、いまの場所でしか使えない技なのでしょうか? または、発動に時間がかかる技かもしれません。

コメント

  1. 永空 より:

    百式の零というのは、百式観音の全ての手による掌打を受けてなお、立ち向かってくる相手でないと発動しないというような条件付けがされているとかってことはないですかね?
    正確無比に最善手を打ち続け、その末に百の手を使い切った後でないと発動しないという。
    「名前」のことを持ち出して王を挑発したのも、このような条件をクリアしないと発動しない技だったからなのでは。

  2. asiamoth より:

    なにそれ! メチャメチャ面白そうな技の発動条件ですねー!
    格闘ゲームの超必殺技に使えそうなアイデアです。
    でも、真実はこんな感じだったりして。
    ネテロ「だれが百式観音の掌は百までだと言った?」
    王「なん……だと……!?」
    ネテロ「ワシの百式観音は 10 万 8 千掌まであるぞ! 」
    王「(えー、もうやだ……)」