HUNTER×HUNTER #326 「開戦」 愛する彼を故意に落とす方法

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HUNTER×HUNTER No.326 「開戦」 (週刊少年ジャンプ 2011 年 51 号)

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(実践的なテクニックは──吊り橋理論

選挙戦に出馬している登場人物たちの、本名と姿が一気に公開されて、ネタを拾うのに一苦労です! ──勝手に自分で苦労しているだけなんですけどね。芸能人のマラソンみたいな感じ。

名前だけで名字が不明だった人物のなかでも、断トツでレオリオの本名に驚いた!

2011-12-01T01:56:25+09:00 追記

コメントをいただいて(ありがとうございます!)、いろいろと追記しました。いくらでも行間ならぬ「コマ間」が読めて楽しい!

名は体を表す?

副会長の本名であるパリストン・ヒルの名前は、あきらかにパリス・ヒルトンが元ネタですね。

【今日のトリビア】パリス・ヒルトンは有名なセレブでありながら、流出ビデオが Amazon で普通に売られてるし、なぜか『蝋人形の館』というホラー映画に出演している。

お騒がせな有名人であり、取り巻きやコネが多い点では、パリストンもパリスも一致しています。ファッションのウザ──過剰さも似ているのかな?

パリストンがトリプルハンターであることから、ハンターの世界で最も過大評価されている人物としても同じだったりして。というか、何をしてトリプルに なったんだろう?

パリス・ヒルトン – Wikipedia

ちなみに、パリストン・ヒル – Google 検索を開くと、もしかして: プリストン・ヒルと言われたりして、こんなところまでウザい!!


チードルの名前は、チードル・ヨークシャーという。「チワワ」なのか「プードル」なのか不明だった上に、「ヨークシャー・テリア」まで盛りますか! 「アキタ」とか「シバ」でも渋くてかわ美いかも。

キャッチコピーは あらゆる膿を出しつくします──って、どこから どんな「ウミ」をしぼり出すんですかッ! 「なんでも吸い込む」で おなじみのシズクとコンビを組めば、最強ですッ!(ごくり……)

──とか言うヤツはキモいよね。

旧家の お坊ちゃま?

ついに名字も判明した彼の名は──、レオリオ・パラディナイト! なんという中二なセンスのネーミングでしょうか! 「パラディン + ナイト」という感じで、高貴な印象です。昔は名家だったのかも?

当然のように、まだレオリオは医者に なっていなかった。前回の感想では、彼が会長になれば多くの人を救える──と書いたけれど、やはり彼自身の手で治したいはず。選挙の結果が どうあれ、レオリオは医師の勉強を続けるでしょうね。

HUNTER×HUNTER #325 「参戦」 医師×遺志×意志 | 亜細亜ノ蛾

そのレオリオに怒りの鉄拳を向けられたジン・フリークスは、本当に そのまま攻撃を食らっていた──のかな。これまた前回で書いたけれど、わざとパンチを受けたフリをしているのでは?


幽☆遊☆白書』の桑原和真・『レベル E』の筒井雪隆・そしてレオリオの 3 人で、いつか「いちゃもん合戦」をして欲しい。

──こうやって並べて気がついたけれど、レオリオだけ「意中の相手」がいませんね。あ、クラピカか!?(腐

歴代の猛者ども

ビスケことビスケット・クルーガーは、ストーンハンターとのこと。だから、グリードアイランドで あれだけ苦労して──、ブループラネットという「石ころ 1 個」を手に入れたのか。

ハンター世界で宝石の価値を決めているのは、彼女たちのようなハンターなのかも。「ハンター世界のデビアス」と考えると、ちょっと印象が悪いなぁ。

×印で消されているとは言え、「ハンター協会のお母さん」とビスケが形容されていて気になる。年齢的な話であれば、「お姐さん」といった表記でも良かったはず。本当に子持ちである可能性も出てきたか!?


モラウ・マッカーナーシは、シーハンターとのこと。「海狩人」だとすると、壮大で格好いい! ──けれど、範囲が大きすぎてよく分かりません。海洋生物の保護などが おもな仕事かな?

ハギャ(「ハギャって ゆうなーーーッ!」)もとい、レオルと戦っていた場面を思い返しても、とくにモラウは「水中戦が得意」という感じではなかった。しかし、彼の驚異的な肺活量は、海での活動に生かせるはず。

ふんどしを締めて漁に出るモラウとナックルの姿を想像して、笑えました。本当は、もっと近代的な「ハント」だと思うけれど。

未知数の実力者たち

謎の人物だったイックションペ・カットゥーチャは、もしかして──、いや、違っていたら申し訳ないけれど、加藤茶さんが名前の元ネタ、かな……? 名前がクシャミっぽいけれど、うーん、判断は保留にしますね(某所でよく聞くフレーズ・そう思うなら書くな)。

いやいや、それよりも、イックションペは電脳世界の住人で、本人は依然棄権中──って、そんな人物を認めて良いの? いくら何でも「選挙」なんだから、無効にするべきでしょう。

たとえるならば、アーノルド・シュワルツェネッガーが、『ターミネーター』シリーズの役名である「T-800」として立候補するようなものです。

ここから考えても、名前と同様に「たんなるネタ」として、イックションペは終わりそうな気がする。


新人のレオリオを除けば唯一の星なしハンターが、ルーペ・ハイランドです。それなりに票を集めたから、実力者には違いない。

しかし──、会員のロスト問題に切り込むなんて、死亡フラグまる出しなのでは……。もしも選挙戦に残り続けたら、不思議なことに本人がロストしそう。まだ副会長派の仕業とは確定していないけれど。

かわ美ハンターであるキューティー・ビューティーはシングル・ハンターだから、ルーペよりも格は上なんですよね。失踪者探しのほうが重要なのに……。彼女が副会長の親衛隊長だからかな。

愛憎相関図

ゾルディック家・家族の相関図だけで、いくらでも感想が書けてしまう! 選挙戦のメンバ紹介もそうですが、キャラクタの絵と文字だけで、いろいろと想像させるのが上手ですね。

意外なことに、母親のキキョウとカルトはハート・マーク同士なのか。キキョウが一方的に愛情をそそいでいるのかと思っていました。

カルトがアルカに嫉妬しているのは、キルアの愛情を一身に受けているから? それとも、別の件でしょうかね。本当は 2 人とも「弟」で、アルカのほうが「妹っぽい」から──という説を出しておこう。

カルトが幻影旅団に入団した理由は、しばらく前まで「アルカを救うため」と思われました。ところが今回の相関図によると、カルトはアルカに嫉妬している──。これが正しければ、アルカのためにカルトが動くとも思えない。

そこで、「アルカのお守りという重り(ドヤァ」からキルアを解放するために、カルトは旅団で何かを得ようとしているのではないか──と考えました。

ただし この説は、キルアとアルカの接触と、カルトの入団との順番が逆です。どのみち後付け設定になるにしても、美しくない。

それより何より、この図表の関係には、すべて「──とキルアは考えている」という注釈が 付くはずです。カルトの本心はヤキモチとは違うのかもしれない。本当は、まったく違う理由で幻影旅団に入った可能性もあります。たとえば──。

カルト:
「兄貴を── ミルキ兄さんを肥満から解放する!」
仲が良すぎる兄妹

それにしても、よっぽどキルアはアルカを愛しているのですね。自分と妹とをハートで結ぶのは、ちょっと恥ずかしい。上で書いたように、キルアの脳内で描かれた相関図だと考えると、こちらの顔が赤くなってくる。

そこは「オレが守る!→」・「好き(はぁと)→」という関係で良かったのでは? 下のイラスト集のように、完全なるシスコンですなー。

「キルアルまとめた」/「kuro」の漫画 [pixiv]

関係ないけど、下の「関係図」も おもしろかった。

VIPPERな俺 : 【画像】auのチラシがひどい件

緊迫感の表現

何気ないゴトーの行動から、ここまで読めるキルアがすごい! そしてこれが、「マンガで緊張感を描く」ということです。冨樫先生の力量が画面からヒシヒシと伝わってくる……!

キャラに「汗の記号」さえ描けば、「はいはい、ここはキャラが緊張してるんだな」と読者が読み取ってくれるだろう。──そう考えるのは、甘えたマンガ家です。

ヌルいドラマを見せられても、読者は手に汗をかかない。「大丈夫か このマンガ……」とイヤな汗をかくだけだ。安っぽい「感動的なシーン」も同じ。

『H×H』くらい物語と人物とを繊細に描いた上で、これだけの緊迫した状況が初めて成り立つのです。話も絵も、「マンガ力(りょく)」が極めて高い!

「冨樫先生は原作だけを描けばいいのでは?」という意見を聞くたびに、「分かってないなー」と強く思う。


そんなシリアスな場面だけれど、上目遣いでキルアを見つめるアマネは、自分の目には こう見えました──。

教育実習生・アマネ
「うわ……最近の小学生、かっこよすぎ!?(どきどき」
家族というモノ

アルカのことを「家族」だと考えているのは、ゾルディックのなかではキルアだけだという──。なんとも悲しい家庭です。そう思わっていない、全員の命を守れないからだとしても。

おそらく、ゴトーですら「ご主人様(ゼノ)の貴重で大切な物」と考えている。ただ、キルアには親のような感情を持っているらしいから、「キルア様の大事な家族」とは考えているのかも。執事にとっては どちらでも同じだけれど。

すくなくとも、ゴトーが裏切って、アルカをイルミに差し出すことは ないでしょう。通常は……。だからこそ、裏切られた時の反動が恐ろしい。冨樫マジックにハマっているのかもしれませんよ!

「ヒソカとキルアが交渉する→決裂→バトル開始!」──と前回までは誰もが想像する。いや、作者に思い込まされた。だから、今回の急展開に衝撃を受ける。

激突よりもルール

トラックと自動車を激突させる場面は、『幽☆遊☆白書』や『寄生獣』を思い出しました。迫力があって素晴らしい!

こんな「異常事態」でも、キルアに対する「違反 即帰宅」は解除されていません。もはや、家に帰るどころの話ではないし、イルミも おとなしく帰さないはずなのに。

この場面のゴトーの言動を見れば、キルアに対してはあからさま協力的立場であることが、アマネ(とツボネ)には丸わかりだと思う。でもそれは、最初から知られているかな。

ところで、ツボネ先生だったら、「こんなトラックなんて 放屁でも ありませんことよ……!」と片手で はたき落としそう。イルミに居場所をさぐられないために、用心したのでしょう。さすがや……(そうか?)。

愛ゆえに

キルアだけが大事なイルミは、激突事故も起こしてしまう。どこまで ゆがんだ兄弟愛なんだよ……。

この事故に巻き込ませた理由は、ただたんに車からキルアたちを降ろして、最終的にアルカと引き離すことが目的だと思う。しかし、このずいぶん 過激な衝突でキルアが死ぬ可能性もあったのでは?

──もちろん、事前に電話で警告していたし、「マンガ的に あり得ない」。当然のように、キルア──どころか全員が生き残ると考えて、イルミは計画を練ったと思う。

のぞくのは誰か

それだけ弟の実力──ではなく、「密告者」の情報をイルミは信じている。「のぞき屋」とも称されている「密告者」は、誰だろうか?

アルカのルール絡みの情報を知っていて、イルミに密告するような人物は、キキョウかミルキしかいません。下品な呼び方からして、ミルキでしょうか。

ただ、わざわざ通称で言うところから、一種の念能力かもしれない。──おお、「キルアに何かが仕込まれている説」が再浮上してきたか!?

HUNTER×HUNTER #323 「依頼」 たびたび道連れ 情はなさげ | 亜細亜ノ蛾

あるいは──、キキョウのカメラ・アイが怪しい。ハッキングされているのでは? あまりにも あからさますぎて、逆に誰もがスルーする現象かもしれませんよ。下の動画のように。

Driscoll Middle School Trick Play – YouTube

シルバ:
「ところで キキョウ いつまでマスクをかぶっているんだ?」
キキョウ:
「──はっ! いつの間に!」
シルバ:
「えー」
ひそかなる欲望

今回のサブ・タイトルは「闘る×殺る×ヤる」にしようと思ったけれど、下品だからヤめました。ヒソカの言う「殺る」(やる)は、手のサインから考えて、違う意味だと思う──人が多いに違いない……!

どちらの意味でも、イルミは怒ったはず。

いくらウソつきのヒソカでも、モノローグ(内心)までウソは つかないでしょう。そうだとすると、ゴンにも助かって ほしいという気持ちは、出来れば程度なのか……。

ゴンの実力は、まだまだ「十二支ん」には劣る──とヒソカは考えているからかな。もしくは、狂おしいまでにキルア思いなイルミを止められるか、ヒソカには確証が持てないのかも。

ヒソカが思い描いた玩具たちの中にはゼノもいるけれど、2 人は会ったことがないのでは? 当然、ゼノも強いから標的にするとは思うけれど、ヒソカの性格からして、自分の肌で強さを感じた人物だけを狙いそう。

──と思ったら、同じく対面していないはずのジンもいたから、ただの「イメージ映像」でしょうね。

敵と味方

キルアからすれば、保護する対象にアルカが含まれていなければ、「非・協力的」──ではなく、即座に敵と見なす。そこまで警戒しなければ、この先は もっと危険になるからでしょう。

最後のコマは「何か ビリビリするす !!」状態に なっていて、懐かしい一場面を思い起こさせる──。

HUNTER×HUNTER #303 『痛み』 すべてのカギはコムギ……なのか? | 亜細亜ノ蛾

たぶんキルアは、「そういえば あのハナタレ娘 どうしてるかな」と思い出したり──は、しないのだろうな……。今は そんな余裕もないし、これから先も同じだろう。

その分、自分がコムギのことを覚えておきます……。

表記について

『H×H』の登場人物は、姓と名の間を「横向きの二重線」で区切っている。ウェブ上では「=」(イコール)が使われているけれど、本来はダブルハイフンです。

しかし、ダブルハイフンは機種依存文字なので、環境によっては表示されない。そのため、このブログでは「ジン・フリークス」という風に中黒で区切ります。同じ理由で「丸の中に数字」も避けている。

おわりに

今週号の『めだかボックス』には、悲しいこととして、好きな漫画の 最終回を 読めないことが語られていました。たしかに、それは とてもとても悲しい──。

次の記事を思い出しました。

『ハンター』冨樫先生「被災地復興のためにも出来る限り長く頑張ります」 当分休載はないな!|やらおん!

コムギと同様に、もう この世界のことを知ることが できなくなった人たちは、本当に気の毒だと思う。今から何を言っても遅いし、彼らのなかに知り合いはいない。だから、「彼らの分まで読みます」なんて言えません。だから──、

ただただ、自分自身のためだけに楽しむ。

コメント

  1. 永空 より:

    私ははじめ、執事たちの中に裏切り者がいるのかとも思ったけど、あとで相関図を思い出してカルトが情報提供者なのかなと思ったり。

  2. asiamoth より:

    永空さんへ:
    カルトは今、何をしているんでしょうかねー。
    彼(女)が幻影旅団に混じっている目的は、「アルカを救うこと」と思っていたけれど、アルカには嫉妬しているし──。
    まったく逆に、キルアとアルカを引き離すため、旅団で何かを得ようとしているのかと考えていました。
    もう旅団には とっくに見切りを付けて、永空さんが言うように、イルミのために働いているのかな。
    読者以上に、冨樫先生が苦しんでいそう。

  3. 永空 より:

    カルトがアルカを助けるためにってのは私も思ってたので、相関図をみて意外に思ってました。
    相関図を見るまでは、幻影旅団に入ったのは、除念師を見るけるのに都合がよかったからなのかなとか思ってました。腕のいい除念師ならば、アルカの力を封じれると考えたのかなぁと。

  4. asiamoth より:

    永空さんへ:
    ハンター協会で唯一の(と言われている)除念師でも、ゴンは投げ出しました。
    そのゴンを(おそらく)全快にできるアルカの能力が、除念師に封じられるでしょうか……。
    今回の展開を見ると分かるとおり、確定している条件以外は何も信用できません! 前回までは、「ヒソカとキルアが交渉する」なんて思わされましたからね。
    なにより、あの相関図は「キルアが思っているだけ」だから、トラップと思ったほうが良いかも。