『HUNTER×HUNTER』 No.343 「勧誘」
懐かしい人物が 2 人(3 人?)も再登場です!
あまりにも久しぶりすぎるし、もう舞台が大きく変わるから、今後は当分 出てこないかと あきらめていました。とくに そのうちの一人は、最後にしゃべったのは いつだったっけ?
ヒントは、ゴレイn …… ゼパイr …… モタリk ……!(じゃないことだけは確実だ)
強引な勧誘
いきなりパラディナイトさんの登場で うれしかった!
レオリオ・パラディナイトは、アイザック・ネテロ亡き今、ハンター協会においてパリストン・ヒルと人気を二分する大スターですからね!
チードル・ヨークシャーもレオリオには一目置いて目をかけていたようです。レオリオの性格を読んで挑発的だったり学校へ手回ししたり、チードルは準備万端でした。
「選挙編」でレオリオを見くびって情報収集を怠ったことをチードルは反省したのでしょう。
──ん? この書き方だと、チードルというか「十二支ん」の人望が ないように見えますね。でも実際、レオリオの勧誘は人気を利用した政治的な利用の意図が 128% でしょう。
アイザックが上にいない十二支んはカリスマ性に欠けるし、「オレも十二支んに入りたかった!」という嫉妬に狂う憎悪も常に向けられているはず。
犬と騎士
「(丁寧な口調なのに)高圧的で要求ばかり投げかける」チードルには、かつてのクラピカとレオリオの やり取りを思い出しました。
「是非とも 私達に力を貸して いただきたいの
」と(少年マンガには見かけない演出で)花を背負って話すチードルは、いつもの敬語ではなく お嬢様言葉みたいでドキッとさせられます。
全身が完全防備のチードルと年中スーツのレオリオは、お似合いのカップルになれそうですね! 同じ医療チームで働いていれば、お互いに助け合う状況も来るはずです。
レオリオは、名前どおりにチードルの「ナイト」となれるか……!?(その場合、ぜっっったい尻に敷かれるね)
ふたたびケモミミ問題
思い出すと言えば──。
チードルが電話をかける姿は、当然のようにネフェルピトーが脳裏に浮かびました。そう、半人半獣キャラの最大のテーマである「頭の上にあるケモミミは飾りなのか問題」ですよ!
HUNTER×HUNTER #304 『魔法』 キルアの謝礼とピトーの謝罪 | 亜細亜ノ蛾
チードルは、頭の横に耳が ついているようです。
アイザックから十二支んの役割を授かったあとで、おそらく全身整形したのでしょう。最初から魔獣だった可能性は薄そうです。
ネズミの本性
パリストンの腹の底が見えてきました。
いままでは悪人か どうかは不明でしたが、パリストンは連載が始まって以来の大悪人です!
ゾルディック家や幻影旅団は、目的があって そのための手段として殺人を行なう。キメラ・アントたちは、ある程度は本能で人を食う(遊び半分の者も多かったが)。
ところがパリストンは、自分の幸福感のために全人類を標的に しようとしています。
パリストンの本性を軽く流すジンもキていますね!
たしかに、誰でも愛憎の感情は表裏一体です。パリストンが語る「人に 憎まれると 幸せを感じ 愛しいものは 無性に傷つけたく なる
」感覚は、人間社会で揉まれていれば何度か心をくすぐられてしまう。
ただ、「世界を滅ぼしかねない『遊び』をもくろむ人間」の欲望に対して、「程度に よるだろ
」と一言で片付けるジンがスゴかった!
子どもが読んだ時の反応を考えるとモヤモヤします。
大人だったら上記の欲望は理解できるけれど、中高生あたりの多感な時期に知ったら、ちょっと人間不信に陥るかも しれません。
『幽☆遊☆白書』の樹(いつき)が語る名言、「「キャベツ畑」や 「コウノトリ」を信じている 可愛い女のコに無修正の ポルノをつきつける時を 想像する様な 下卑た快感さ
」ですね。
火事とケンカは
江戸っ子が見た目どおりでワロタ。
『ど根性ガエル』の梅さん似な彼が感じた「寸止めなのに攻撃された」表現は久しぶりに見ました。ジンは、それほど すさまじい戦闘力だったのか……!
ただしジンの攻撃は、「相手に幻覚を見せる念能力」という可能性もあります。しかし、ビヨンド・ネテロが集めた実力集団だったら「凝」で見抜けるはず。たぶん、ジンは本当にケンカが強いのでしょう。
(全員に幻術をかけたのなら、それはそれで ものすごい能力だけれど)
沈黙の彼女
セーラ服を着た女子高校生ロボっ娘(?)が気になる!
もう一体、ロボット(型スーツ?)が いましたよね。ロボっ娘 JK は彼(?)よりも強いのか、それともロボットを操作する能力者とか?
ジンの評価によると、この部屋にいる人物の中では、腕っぷし
の強さはロボ子が一番らしい。 パクノダやコルトピみたいに「戦闘能力は そこそこだが、念能力の希少価値が高い」人物に見えるのに。いや──。
意外とコルトピ先輩もパワー・キャラだったりして。
- クロロ
- 「コルトピ あのビル 1 棟 壊せるか?」
- コルトピ
- 「50 は平気」
- クロロ
- 「そ、そうか(さすがコルトピさん……!)」
報復に燃える眼
そして、いよいよクラピカの出番ですよ!
あいかわらず短気で怒りっぽくて、初対面のミザイストムにも最初からケンカ腰です。まるでヤクザみたい(当たっている)。
クラピカは、いつの間にか事務所を構えていました。
そう、ネオン・ノストラードが能力を奪われた今では、あの組に所属している意味は ありません。
クラピカの組は、組員が合法な稼業だと説明しています。しかし、クラピカ自身は「緋の眼」を追うために、汚い仕事にも手を染めているに違いない。
どちらにせよ、ミザイの念能力を見破れる組員が 1 人しか いないようでは、この組の程度は かなり低いですね。念能力者が相手の用心棒が、こんなチンピラに つとまるのかな……。
さて、その「凝」を使った組員は、ノストラード組にいたリンセンに似ています。
ただしリンセンは、ほほが こけていました。マフィアでは心労が絶えなかったけれど、いまでは犯罪集団から足を洗って ごはんがススムくんなのかな(?)。
ネオンが消える家
ノストラード組は どうなったのだろう?
クラピカが抜けたあとでも、センリツやバショウは仕事を続けている かもしれません。一人は「闇のソナタ」を探すため、もう一人は(おそらく)金のため──。
ただ、ネオンはクラピカに暗殺された可能性も ある。
なぜなら、クラピカが もっとも憎むべき人物は同胞たちを殺した幻影旅団であり、その次がゲスな趣味を持った人体収集家だからです。緋の眼を欲しがったネオンは、確実に当てはまる。
普通の少年マンガでは考えられませんよね。しかし 冨樫 義博先生なら描きかねない──!
カキンの第四王子
であるツェリードニヒ・ホイコーロだって、生け捕り──いや直接 手を出さずに緋の眼を奪えば良いところを、消してしまって国際的な大問題に発展するのでは?
警告と拘束
ミザイストム・ナナも勧誘活動です。
どうしてもミザイには『闇金ウシジマくん』のイメージが強いから、「勧誘」よりは「取り立て」に見えてしまう。むしろミザイストムが この事務所のボスみたいな感じ。
「密室裁判(クロスゲーム)
」は拘束する念能力です。
サポートに回ると強そうですが、完全に相手を念で覆ってしまうため、こちらから攻撃は できないのかな?
おわりに
十二支んにピッタリな 2 人の増員でした。
猪突猛進で無鉄砲な「亥」のジンの後釜にはレオリオ、計算高くて裏の顔を持つ「子」のパリストンにはクラピカ、という後任に なるでしょう。
おもしろいことに、「子」と「亥」の性格は 4 人とも持っています。正反対のようで似た者同士
な相性の良いコンビで、どちらが欠けてもバランスが崩れてしまう。
人物の多面性を描けることが、冨樫先生の特長です!
今のところ「単純バカ」な一面しか見えてこないカンザイ(寅)や「梅さん」だって、そのうちに複雑な性格が見えてくる──のかなぁ……。
タイトルの「招待×正体×照対」は、なんとな~く内容を表わした言葉遊びです。
こんな機会でもなければ、「照対」なんて一生 使わなかったと思う。そして明日には忘れている。
