HUNTER×HUNTER 30 巻 「返答」 ありがとう おやすみなさい

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『HUNTER×HUNTER(ハンター×ハンター)』 No.30 「返答」

Due Mani Due Generazioni - Two Hands Two Generations - by Dino Olivieri
続きは また──向こうで

とうとう第 30 巻まで来ました! ──つい先日、第 11 巻の感想を書いたばかりですケド……(12 巻以降の感想も お楽しみに!)。

HUNTER×HUNTER 11 巻 「9 月 4 日」 2 – 星降る街の黒と赤 | 亜細亜ノ蛾

いつまでも続いて欲しい『ハンター×ハンター』の最新巻は、連載時に何度も読み返した話ばかりだけれど、本当に涙が止まらなかった。

通して一気に読むと、よけいに──「来る」ねぇ……。

30 巻の見どころ

この巻の裏テーマは、「引っ繰り返す」だと思う。

まず、「こんなにも強いキメラアントの王を倒せるわけがない」という絶対の真理に近いような事実が、「じつは すでに勝っていた」と引っ繰り返されました。

絶体絶命の状態に置かれた賊(ぞく)が、たった「一言」で生き延び、さらには感謝される。

一国の総帥よりも権力を持っていた者が、「無人の地」に落ちてしまう。

「村を襲った化け物」の同族が、村人から温かく迎え入れられる。

「彼女」の名前は間違っていた。

そして──、「化け物の王」の「巻き添え」に された少女は、この上なく幸せそう。読んでいる自分まで祝福してしまいました。

こんな話、神様にしか書けません!(信者)


もうひとつのテーマは「名前」ですね。さまざまな場面で いろいろな名前が、それぞれ効果的に呼ばれていました。

言うまでもなく、もっとも印象的で泣けた名前は、あの場面ですね……。

──母親の腹を突き破り、臣下や人間を食らい、人民を洗脳・選別していた王に、どうして感動できるのだろう?

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おわりに

前巻・第 29 巻が発売された直後に週刊連載が再開されて、No.311 「期限」が描かれました。29 巻までの「どうするんだよ……」が一挙に解決しそうで驚いたものです。ちょっと禁じ手に近いですよね。

HUNTER×HUNTER 29 巻 「記憶」 「視」るだけでは分からない痛み | 亜細亜ノ蛾

言ってしまえば「引っ繰り返し」は、「王は無敵だと誰が言った?」「なんだとー(棒)」という「卓袱台(ちゃぶだい)返し」したくなる展開と紙一重でした。

それなのに、年齢を四捨五入すると「0 歳」(2 桁目!?)、結婚適齢期的には「詰みだな…」な自分が、何度も何度も泣いてしまう。

本当に罪な作品ですね! 大好き!