『マイティ・ソー』 (Thor)
ドタバタ劇のコメディでもあるアクション映画です!
北欧神話の神々を題材にしたアメコミが元になっているため、困った人(神)ばかり出てきます。日本にいる八百万(やおよろず)の神様も荒ぶっていますが、どちらも人々の味方でいてくれるうちは ありがたい、けれど……。
本作品の主人公は『アベンジャーズ』でも活躍します。そして、『アイアンマン』シリーズとも深く関わっている。とくに、『アイアンマン 2』で謎すぎたラストの場面がそのまま『マイティ・ソー』でも出てきますよ!
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主人公のソーを演じたクリス・ヘムズワースは、芸歴の浅さを感じさせない演技を見せてくれました。映画の『トロイ』で主役だった ブラッド・ピットに似た好青年です。
ソーの弟であるロキは、トム・ヒドルストンが演じました。彼もハリウッドでは新米だけれど、シェイクスピア劇の舞台を経験していて、この作品の世界観や監督と相性が良い。ミステリアスな役で見事に魅了してくれました。
監督はケネス・ブラナーで、シェイクスピア俳優としても有名です。オペラのような要素のある『マイティ・ソー』にはピッタリですね!
ヒロインのジェーン・フォスター役はナタリー・ポートマンがキュートに演じています! 『ブラック・スワン』とは別人のようでした。「普通の美女」としての彼女が見られるだけで貴重かも!?
Reviewer: あじもす @asiamoth,
王道展開と不可解な行動
主人公のソーを中心にして物語を見ると、じつにストレートな「王道」の展開でした(王様だけに)。
- 「オレ、最強!」という高慢なソーが、
- アスガルドを追放されて、
- ジェーン・フォスターに骨抜きにされながら、
- しだいに王としての風格を備えていく
ところがロキの視点から見ると、けっこう複雑──というか意味不明の行動に見えてしまいます。
- 「みんな兄上ばっかり見て! キー!」
- 「なんかオレ、体がヘンだよ……?」
- 「とーちゃん、どういうことやー!?」→真実を知る
- 「うまいことやって王になったわー」
- 「敵さん、アスガルド攻めてもエエでー」
- (そして、なぜ彼を倒す……!?)
ロキの出生からすると、最後には敵になるのだろうな──という展開が中盤から見え見えでした。しかし、その心理の奥底には「父と兄に認めて欲しい」という当然の欲求がある。
だからロキが あの人物を父親の目の前で倒したことには意味があるのだけれど、なんだか唐突に思えたし、その後の行動とは矛盾して見えます。「呪われた血に操られている」みたいな設定のほうが分かりやすかった。
女神たち
──と、そんなストーリィ上のアレコレや、ホーガン役に浅野忠信さんがサラッと出演していることや、「オーディン役のアンソニー・ホプキンスは恐かったなー」よりも、
ヒロインたちの かわいさが目立っていました!
とくにナタリー・ポートマンが素晴らしい! 子役時代の『レオン』から光っている女優さんですが、何かと危うい性格が内側からにじみ出ている。『クローサー』でも つねに爆発寸前です。
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本作品でのナタリーは、終始「かわいらしい お嬢さん」という感じでした。ナイフのように とがった危険性が彼女の内に秘めた魅力ではありますが、時には隠すと光が増します。
ダーシー役のカット・デニングスも最高でした! セリフの 98 割は「ムニョムニョ」言っているだけですが、作品の ふんいきを柔らかくしていましたね。
『ヱヴァンゲリヲン: 破』のファンとしては、メガネっ娘のダーシーの吹き替えは、ジェーン・フォスター役の坂本真綾さんに演じて欲しかったな。
おわりに
「ホークアイ」ことクリント・バートン(ジェレミー・レナー)がシレッと登場していたり、『アイアンマン』のトニー・スタークの名前が出てきたり、各作品の関連性を強調していました。
「S.H.I.E.L.D.」のエージェントであるフィル・コールソン(クラーク・グレッグ)も数多く登場したけれど、ソーやジェーンから見ると、完全に「悪の組織」みたいで笑えます。たしかに『アイアンマン』でも印象は良くなかったなー。
ということで、『アベンジャーズ』の公開前に、あわてて関連作品を観ています。『キャプテン・アメリカ』の感想は明日に書ける──はず。