『unknown/アンノウン』
超映画批評『unknown アンノウン』60点(100点満点中)
──目が覚めると廃工場。出口のない工場に閉じこめられた 5 人の男たち……。それに、途中で金属用の「のこぎり」なんてアイテムも出てきて、『SAW』みたいな展開になると思いきや、まったく雰囲気が違う映画でした。
まず、何らかの原因で 5 人全員が記憶を失っている、という状況が面白い。
1 人は椅子に縛られ、1 人は手錠で繋がれ銃で撃たれた跡がある──。いったい、ここで何があったのか。そして、なぜ全員が記憶を失っているのか。
そして、徐々に戻ってきた記憶と落ちていた新聞の記事によると、
「5 人のうち、2 人は誘拐された人質で、残りは誘拐犯」
であることがわかるのです。じつに、サスペンスやミステリィのファン垂涎のシチュエーション!
びっくりするようなどんでん返しがあったり(お約束だが見抜けないはず)、最後まで楽しめる作品です。
極限状態で芽生える友情
この映画で最も面白かったのが、5 人の中で次第に友情に似た感情が芽生えるところですね。
──いやいや、2 人は被害者であることはわかっているのに、なぜ? と思うでしょう。
5 人が力を合わせようとするきっかけは、廃工場から脱出するため。日が暮れる頃には、残りの誘拐犯が工場に戻ってくるので、人質の 2 人は殺されることが予想できます。
しかし、だったら残りは生き残るのに、なぜ全員が協力するのか? そのあたりの心理描写がよかったですね。一歩間違えると安っぽい人間ドラマになりそうですが、本作はよくできていると思います。
映画のような状況になったら、自分も同じように思うかも。たとえ、自分が加害者でも被害者でも。
どんでん返し
ラストにどんでん返しがある、と書くとネタバレになるのですが、本作の真相は見抜けないでしょう。
5 人の「正体」がわかった後で、それぞれの行動を思い出すと、ちゃんと自分の「本性」通りに行動しているのが興味深い。ラストで「生き残るために必要な本能」の話が出てきますが、記憶を失っても「何となく合わないヤツ」はすぐにわかる、という。
しかし──本作で本当に「悪いヤツ」って、誰だったんだろう……。見終わったあとでちょっと考えてみるのも、面白いですね。
