TAK – 可逆圧縮音声ファイルの欠点を改善した形式

シェアする

TAK (Tom’s lossless Audio Kompressor)

Akihabara Street
(ここが TAK の聖地──なのか?)

最近、自分がずっと頭を悩ませているのは、ここ一年近く「むしょく透明」であること………………もそうですが(思ったよりもダメージ大)、

可逆圧縮音声ファイルの形式をどうするか

というのも、愛用のミュージックプレイヤ・「foobar2000」のバージョンを 1.1.x に上げたあたりから、音声ファイルの取り扱いに問題が出てきたのです。

具体的には、foobar2000 v1.1.2 だと、「(tta+cue).mka」(Matroska)形式のファイルの一部は、タグの更新ができなくなった

ただし、更新ができる MKA ファイルもあります。音声ファイルを作成したツールによって、状況が変わるのでしょう。いちいち確認しているヒマはないけれど……。

そこでこの際、ほかのファイル形式へ変更していくことにしました。まだ下記の 2 形式が混在していますが、最終的には TAK で統一すると思う。

  • TAK: 圧縮・展開が速く、ファイルサイズも小さい
  • FLAC: TAK よりサイズは大きいが、もっとも普及

「可逆圧縮の音声ファイルと言えば FLAC」というくらいに多くのユーザが使っているし、情報も多いけれども──、世界的に有名な携帯型の音楽プレイヤ・iPod ですら、かんたんには聴けません(──あ、iPod ユーザなら Apple Lossless があるか……)。

それなら、プラグインひとつで foobar2000 もWinamp も対応が可能で、メリットが多い TAK をお勧めしますよ!

ここから先は、将来を期待できる TAK について、くわしく書いていきます。とくに、foobar2000 と EAC の愛用者はどうぞご覧ください。

foobar2000 で TAK を作成

TAK ファイルを作成するには、まずは、公式サイトの「Download」から、エンコーダをダウンロードしてきましょう。

TAK
TAK – Thomas Becker Softwareentwicklung

保存した圧縮ファイルを適当な場所へ解凍して、「\Applications\Takc.exe」(Tak.exe ではない!)の位置を覚えておいてください。

foobar2000 の Converter(曲名を右クリック→ Convert…) を使って TAK へ変換する際には、次のように設定しましょう。

  • エンコーダー: (Takc.exe の場所を指定)
  • 拡張子: tak
  • パラメーター: -e -p2e -ihs – %d
  • フォーマット: lossless (or hybrid)
  • 最大ビット数: 24
  • エンコーダー: TAK
  • ビットレート: (空白)
  • 設定: p2e

foobar2000: Converter の設定例 (TAK)

すべて決め打ちで書いていますが、パラメータ(圧縮の設定)は、一考の余地があります。

TAK の圧縮設定

圧縮の設定をどうやって決めるのか──。これは、難しい問題です。自分もかなり悩みました(いまも迷っている)。

TAK の設定について、日本語で読める情報の中では、下のページが非情に分かりやすい!

音声データのつくりかた 第5回 (まとめ) #各論

このページでも紹介されている下の表が、各形式の比較にもってこいです。エンコード / デコードの Time(時間)や Compression(圧縮率)で並べ替えができる

synthetic soul – Lossless Codec Comparison

自分が選んだ「Tak – p2e」は、圧縮率が 63.946% とまずまずサイズが小さくなり、エンコードは 53 倍・デコードは 126 倍と高速です。

これが「Tak – p4」まで上げてしまうと、エンコードが 24 倍の速度まで落ちるのに、圧縮率は 63.585% ── 0.4% 弱しか変わらない。

時間がある時には、ほかの形式も含めて検討してみると面白い──かも。

EAC から直接 TAK

CD のリッピングには、かなり以前から「EAC」を使っています。すみずみまで親しんでいるツールですが、意外にも CD(WAVE)から TAK への変換は、すんなりといきません。

下記のサイト(英語)が参考になります。

EAC and TAK – Hydrogenaudio Knowledgebase

タグ(APEv2 Tag)をファイルに埋め込むツール・Wapet の導入がカギでしょう。

EAC を常用している人なら、これくらいはラクラクに乗り越えられるはず(日本語訳: 質問はおひかえください)。

foobar2000 で TAK を再生

下のプラグインさえ導入すれば、TAK ファイルは普通に再生できます。タグの編集も mp3 などと同様に行える。Matroska での苦労は、なんだったんだ……。

foobar2000: Components Repository – TAK Decoder

ちなみに、foobar2000 v1.1.x でプラグインをインストールする場合は、自動インストールがお勧めです。下のページを参照してください。

# 自動インストール/v1.1 インストール特設ページ – foobar2000 Wiki*

foo_matroska の問題

foobar2000 は v0.9.x のころから、Matroska コンテナを扱うプラグイン(Component)「foo_matroska」をバージョンによっては受け付けなかったり、相性が良くなかった。

それが、v1.x から急に、プラグインなしで Matroska を読み込むようになったのです!

──と思ったら、上記のようにタグを更新できません……。どうもこの「foobar2000 と Matroska」問題は根が深そうで、今後もバージョンアップごとに一喜一憂しそうです。

ロン毛:
「A西先生…… !! MKA が使いt」
カーネルサンダース:
「あきらめたら?」
foobar2000 v0.8.x のメリット

安定感なら v1.x が圧倒的に上ですが、機能的には v0.8.x が好きです。

何が良いかというと、「圧縮ファイルの中にあるファイルでも、タグの変更ができる」。これはおそらく、完全に foobar2000 独自のデータベースで音声ファイルを管理しているからですね。たしか、MKA も普通に扱えたはず(うろ覚え)。

v0.9.x からは、「タグの更新 = ファイルの更新」となってしまいました。foobar2000 は、圧縮ファイルの「読み」ができるけれども、「書き」はできない。

音声ファイルを直接書き換えるのは、メモリの不具合や HDD の不良・停電などがあった場合に、破損のおそれがあります。

──それを言い出したらコンピュータなんて使えないけれど、データベースのファイル 1 つだけなら、バックアップも容易なのに。

余談

かなり苦しいけど、タイトルはゲーテから借りました。

欠点を改め、過ちを償う事は最高の幸福である。

世界の幸福に関する格言、名言集 – Kunstmarkt von Heinrich Gustav – Yahoo!ブログ

──うん、原形ないよね……。

この言葉遊びのためにストックしてあるゲーテの名言は、まだまだ 150 くらいあります。文献をあされば、何倍にもふくれあがるでしょう。飽きるまでは、続けようかな。