アニメ・マンガ一覧

バクマン。 #161-2 「息継ぎとパーティー」 400 万と審査員

『バクマン。』 161 ページ 「息継ぎとパーティー」 (週刊少年ジャンプ 2012 年 05・06 合併号)

cow pug
(審査員に気に入られようと──努力を重ねた)

雄二郎が調子ぶっこいている。それは いつものことだけれど、創作の世界では「調子に乗った人間はヒドい目に会う」が鉄則です。いずれアフロにも正義の刃が振り下ろされるかも しれませんね。

浮かれている雄二郎を尻目に──もせず、新妻エイジは執筆に専念している。2 人の温度差は離れる一方です。なんとなく、近い将来に その差が致命的になりそうな気がする。珍しく雄二郎に怒鳴っているし。

そもそも、マンガ家の執筆中にピーチクパーチク話しかけること自体が、編集者として失格です。しかし、それだと絵にも話にもならないから、それは見逃しましょう。

雄二郎(と読者)の疑問にポポポポーン! と軽快に答えるエイジが小気味よかった。もしもエイジにマンガ家の才能がなかったとしても、この分析力があれば どんな現場でもトップになれそうですね。たとえば、探偵とか。

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バクマン。 #161-1 「息継ぎとパーティー」 コミックス派と下の層

『バクマン。』 161 ページ 「息継ぎとパーティー」 (週刊少年ジャンプ 2012 年 05・06 合併号)

Miniature Dollhouse Food - Three Layer Cake
(これなら下の層まで──息を継がずに食べられる)

この作品に登場する原作と作画のコンビ作家は、もうすこし増えても良いと思います。亜城木のほかは、なぜか特殊な組み合わせが多かった。

蒼樹紅と中井巧朗の場合は、人物の顔だけは蒼樹が作画しています。東美紀彦は、七峰透の会社から原作を提供されていた。どうして変わったコンビが多いのだろう?

たとえば、西尾維新先生のような人気の小説家と、売れっ子マンガ家とのタッグなども出して欲しい。

──ものすごく今さらな話だけれど、巨大な会社を立ち上げる前に、七峰は西尾先生に巨額を投じれば良かったのかも しれません。下の記事でも取り上げたように、一年に何作も書けるスーパ作家ですからね!

バクマン。 #153-3 「世界と相手」 勘弁と密度 | 亜細亜ノ蛾

ちなみに──、そんな西尾維新先生は、僕は「森博嗣系作家」って言われたいです──と語っていました。そのインタビューが収録された『森博嗣本』は、両先生のファン必携のアイテムですよ!

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HUNTER×HUNTER #330 「告白」 快方×解法×開放

HUNTER×HUNTER No.330 「告白」 (週刊少年ジャンプ 2012 年 05・06 合併号)

B365:244 Cat Nap
(優しさに包まれて──おやすみなさい)

「今後の展開で明かされそうな謎」を前回の感想で いくつか挙げました。今回の話のなかで、そのうちの 1 つだけが完全に謎解きされています。

HUNTER×HUNTER #329 「密偵」 三×参×散 | 亜細亜ノ蛾

ゴンは元どおりになって助かるのか?」と上の感想で書きましたが、肝心な謎を忘れていました。それは──、

多くの犠牲者が出ることに、キルアは耐えられるのか?

──この悩ましい問題が、アッサリと解決します!

正直なところ最初に読んだ時には、「また あと出しジャンケンかよ!」と思い、薄汚れた部屋の壁と「ジャンプ」をキスさせようかと思った。

しかし、すぐにトリックの仕組みに気がつく。最後には「やられた! ちくしょー!(満面の笑顔で)」と上質のミステリィを読んだ時のような気分に なりました。

おそらく宇宙の歴史のなかで、「だまされたい」という願望を持った生物は、食うに困らない近代の人間だけでしょうね。これからも上手に だまくらかして欲しい。

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HUNTER×HUNTER 1 巻 「出発の日」 2 – 同類 相まみえる

『HUNTER×HUNTER(ハンター×ハンター)』 No.1 「出発の日」

The Simple Things...
(じっくりと味わいたい──物語も肉も)

ようやくハンター試験の会場に着いた! ──とは信じられない場所が描かれます。

そこで登場する「弱火で じっくり火を通したステーキ 定食」なんて、間違って注文する人がいるのでは? 昼食を食べに来たはずが、いつのまにかハンターになっていた──という幸運な者がいるかもしれない。

この疑問に対しては、下の文章を引用します。

肉を一番まずく食べるのは弱火でとろとろ焼くことである。焼き肉は強火で、ぐわっと、焼かなければ美味しくない。

つまりは、まともな舌を持った人であれば、弱火で焼いたステーキなど頼まない。さすが、練りに練られた作品ですね!(たぶん何となく考えたと思う)

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HUNTER×HUNTER 1 巻 「出発の日」 1 – 少年よ、大海へ挑め

『HUNTER×HUNTER(ハンター×ハンター)』 No.1 「出発の日」

くじらたん!
(一回り大きくなって戻ってくる──その日を信じて)

あけおめことよろー(棒)。いやー(year)、年が明けましたね!(棒) 1 月 1 日という おめでたい日に、『HUNTER×HUNTER』 第 1 巻の感想を書くという喜びを全身で感じています!

「あれ? でも おかしーな もう日付は 2 日だけど……」「いやーー めでたい !!」(『HUNTER×HUNTER (6)』ネタ)

10 年以上も前から熟読しているコミックスなのに、読めば読むほど味わい深い作品です。スルメ──じゃ ありきたりだから、まるでクジラみたいに食べ尽くせない。

1 巻の前半は、言ってしまえば「登場人物と世界の説明」というだけの内容です。それなのに、どうしてこんなにワクワクするのか!

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野火ノビタ 批評全仕事 『総評』 – 『HUNTER×HUNTER』感想序文

野火ノビタ 批評全仕事 『総評』

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(作者には花束を──批評には愛を)

この暴力的な愛の文面で溢れた文字だらけの同人誌は、「感想書き」の自分にとって聖書(バイブル)です。いつまでも越えられない壁として、目の前に熱く厚く立ちはだかっている。

野火さんは現在、もう批評を書かれていないようです。繰り返し『総評』に圧倒されてきた者としては残念な気持ちが半分で、あとの半分は幸福な気持ちで満ちている。

なぜ「野火さんの批評が聞けないこと」を喜んでいるのかは、あとで説明しますね。『HUNTER×HUNTER』のファンならば共感してくれるはず。

なにしろ『総評』の配本は 13 年以上も前であるため、現在の入手は困難です。ざっくり調べたところ、この記事の最初にある表紙の写真ですら、いまでは激レアだったりする。

2003 年に日本評論社から発行された野火さんの批評本・『大人は判ってくれない』であれば、まだ手に入れやすいようです。『幽☆遊☆白書』や『H×H』・『エヴァンゲリオン』の批評も読めるはず。

さて──、中途半端な形で『H×H』の感想を始めたことを、これまで ずっと気にしていました。最初の感想は「キメラアント編」の途中からで、文体も視点もヒドすぎる。書き直したい!

2004 VOL.18 : HUNTER×HUNTER | 亜細亜ノ蛾

そこで、来年から──というか明日から、『H×H』第 1 巻の感想を書き始めます。いつかは最新刊に追いつくでしょう。

その前に、どうしても野火さんの『総評』をしておきたかった。──なぜか『SAW V』の感想で彼女の名前を挙げていますけれど。

ソウ 5 (SAW V) – テーマは「殺人と更正との差」──あるいは狂気 | 亜細亜ノ蛾

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バクマン。 16 巻 「新人とベテラン」 簡単じゃないと立ち直り

『バクマン。』 コミックス 16 巻 「新人とベテラン」

An apprehensive Butterstick
(見えそうで見えない──ようで見えている)

新年あけました あとの 2012 年 1 月 4 日に『バクマン。』 第 16 巻が発売されます!

なにしろ手元にコミックスもタイムマシンもないから、中身が分からないままにアフィ──じゃなくて紹介しましょう。いつもやっていることだから慣れたものです。

2012-01-04T23:42:41+09:00 追記

コミックスを購入したので、記事を書き直しました。この巻もネームを紹介するページが最高に面白いですよ!

16 巻の表紙は新妻エイジでした! 15 巻の感想でも書いたように、アニメを意識しているようなイラストです。普段はかなり地味ぃーな感じなだけに、ポップで良いですね!

バクマン。 15 巻 「励みと想い」 異動願と「殴りなさい」 | 亜細亜ノ蛾

この調子で次の表紙はヒロインを頼みますよ……。

16 巻の見どころ

表紙から ずっと新妻エイジのターン! が続いています。おもしろいだけではなくて格好いいし、彼を主役にした作品も作れそうですね。──一日中マンガを描いて終わるけれど。

服部の想像したエイジは、ものすごい格好で執筆していました(p.76)。特殊な趣味を感じさせる想像力ですね。ところが大場つぐみさんのネームでは、もっと ぶっ飛んだポーズで描いている。

大場ネームの面白さで言えば、ダイエットに挑む中井の体形が すさまじかった。もはや人間じゃない。まだ小畑健さんは抑えて描いていたのですね。

大場さんが描くと、高浜も「きのこヘチマ人間」です。

「福田組」の組員たちが、久しぶりにエイジの仕事場へ集まる場面も良かった。各作家の熱い思いが見える。それでもエイジは ずば抜けていて、まさにラスボスといった感じでした。コンティニューができないから無理ゲーです。

「岩瀬の回」とも言える「140 ページ」も味わい深かった。最近は出番が一段と減ってきたけれど、良いキャラだから岩瀬を活躍させて欲しいです!

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『進撃の巨人』 4~6 巻 諫山創 – 想いも不可思議な女神たち

諫山創 『進撃の巨人』

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(命の糧となる ぬくもりも──時には場を凍らせる)

これまではシナリオ運びが最上なのに、登場人物の動きが ぎこちなかった。それが第 4 巻から第 6 巻までに、ようやくガッチリと組み合わさってきた感じです。

まるで立体機動装置のようですね。同じ装置を使っていても、初心者と上級者とでは大きく動きが違ってくる。

この急成長によって、作者が描きたかった世界も具体化してきました。じつに伸び伸びと描いています。さて、その世界とは?

──個人的には、「独特な笑いの世界」だと思う。

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『進撃の巨人』 1~3 巻 諫山創 – 食物連鎖を超えた異形の斬新さ

諫山創 『進撃の巨人』

Murder Ballads
(森の小屋にも──絶望が満ちていた)

ひとことで言えば「悪趣味な作品」ですね。そして自分は「センスの良い悪趣味」が大好きだ。だから『進撃の巨人』も大好物です! 文句なしに面白い。

正しく「少年マンガしている」ことも注目すべき点です。戦闘シーンが素晴らしい。

よくある「技名を叫ぶ」→「ドンッ! と効果音」→「スタイリッシュに決めポーズ(どやぁ」みたいな、肝心の部分を描かないゴマカシで逃げていません。むしろ戦いの場面を「描きすぎ」ていて、直視しにくい。

この作品に登場する「巨人」の不気味さは群を抜いています。たとえばラスボスと思われる「超大型巨人」は、胴体も足もしっかりとした筋肉質(なにしろ筋肉が見えているくらい)なのに、腕が異常に細い。

ほかの巨人も手足のバランスがデタラメで、一目見て「ヒトじゃない」ことがすぐに分かります。まるで人間のように個性が豊かで、「生理的にイヤな顔」をした巨人が いろいろと楽しめる。

外見だけではなく設定も最悪に「いい趣味をしている」巨人については、あとで あらためて書きます。

公式サイトの「コミックス」から第 1 話が試し読みできるため、どうぞ ご覧ください。サイトの作りから『進撃』に かける意気込みが感じられますね。それだけの価値がある作品です。

進撃の巨人 公式サイト
進撃の巨人 公式サイト

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『のりりん』 1~3 巻 鬼頭莫宏 – 性格の悪さが実力差を埋める

鬼頭莫宏 『のりりん』

1999 Ford Mustang Cobra rear detail
(出会いは偶然──別れは必然)

なるたる』・『ぼくらの』といった「すこし(どころじゃなく)・ふしぎ」な作品を世に生み出し、メルヘンチックな世界を想像した少年少女の心をへし折った鬼頭莫宏先生が、まさか「自転車乗り」を描くとは思いませんでした。

生まれて初めて幼稚園のころに買ってもらったのは『ウルトラマン』が描かれたイカす自転車で、それ以降はママチャリばかりだった──という自分でも楽しめるマンガです。

新年そうそう・2012 年 1 月 6 日『のりりん (4)』に発売されるこのタイミングで、3 巻までの感想を書きます。

同じ日に発売される『なにかもちがってますか (2)』みたいな世界観になっていないか期待──もとい不安ですけれど。きっと、いままでのような「邪悪な路線」は『なにか』で描ききって、おそらく『のりりん』は平穏無事な展開でしょう。たぶん。

作者である鬼頭莫宏氏のウェブ・サイトを見ると、最近は見事にロードバイクの一色で染まっています。よっぽど好きなんだなー。

パズルピースがこんなとこ
パズルピースがこんなとこ

講談社の作品紹介ページから、『のりりん』の第 1 話が試し読みできます! 自転車の好き嫌いを置いておいて、純粋にマンガ作品の初回として最高レベルの仕上がりをご覧ください。

イブニング|のりりん|作品紹介|講談社コミックプラス

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