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『AVP2 エイリアンズVS.プレデター』(Aliens vs. Predator: Requiem)

前作は、「強そな奴は だいたい友達」思考なプレデターと人間の、種族(と性別?)を超えた友情を描く、感動作でしたね(嘘八百)。

「子供が遊びで話す『スタローンとジャン・クロード・バンダムはどっちが強い?』」(『ストーンオーシャン 7 巻』 p.129)みたいな話を、大の大人が大真面目に作った「愛すべきバカ映画」でした。

それでは本作も、心温まるハートウォーミィな(超スーパー、みたいな)映画に仕上がっているのかと思いきや──。

冒頭で、いきなり親子がエイリアンに襲われているのを見て、「ああ、監督は本気だな」(何がだ)と感じました。いくら非情なエイリアンが相手とはいえ、子供は うまいこと逃がすだろう、というか、「最期」のシーンはカメラに映さないだろう、と思っていたのに……。チェストバスターが「こんにちは」するシーンって、いつも笑えるんだけど、さすがに子供の場合は引きましたね。

また、本作に登場するプレデター、「ザ・クリーナー」は かなり今までと性格が異なり、こいつも本気。「目に付く奴は だいたい敵」と ばかりに、エイリアンも人間も差別なく狩りまくり。人間を餌にしてエイリアンを おびき出す場面もあって、容赦ないです。

──そう、なんとなく前作のお祭り騒ぎで忘れていましたが、両シリーズとも「SF の皮をかぶったスリラー(ホラー)」だったんですよね。本作では、その「宇宙には恐い奴がいる」感覚が味わえました。どっちも、恐いぞー。

両シリーズのファンが思わずニヤリとするシーン、例えば「最後の戦いの前にマスクを取るプレデター」などが多く出てきて、かなり満足できる作品──

──という感想を すべて叩き壊す、驚愕のラスト 10 分がなければ、良かったのになー……。良くも悪くも「アメリカの大作映画」でした。

主人公は誰?

けっこう直線的な筋道のストーリィながら、ちょっと わかりにくかったのが、

「人間側の主人公は誰?」

というところ。

てっきり、オタクっぽい男子高校生と、「幼なじみで最近めっきり女らしくなった学園のヒロイン」(ベタだなー)のカップルが主人公と思いきや──。

まぁ、「誰が主人公だ?」と考えるのも一つの楽しみ、と考えながら見ましょう。一応、エンド・クレジットの一番目のキャストが主人公だと思いますが、最後のほうまで わかりませんでした。

──あ、そうそう。上記の女子高生ヒロインですが、

「みんなが決死の表情で建物内に立てこもっている中、一人だけ きれいなドレス」

と浮きまくっているシーンが、個人的にツボでした。無駄にセクシィなだけに、笑えます。

ザ・クリーナー

宇宙でもエコが流行っているらしい。

新登場のプレデター、「ザ・クリーナー」は、エイリアンの駆逐を生業(なりわい)にしていて、人類にエイリアンの存在を知られないよう、倒した獲物や犠牲者を「不思議な青い薬(どうやら無限にでてくる模様)」で お掃除するのでした(土に還るかどうかは不明)。

──というのが、作中では一切語られず、パンフレットなどにしか書いていません。なにしろ、本作では状況を説明してくれるような人物が いませんからね。まぁ、画面を見て なんとなく感じ取る、その上で「うちゅーじんのやることは、ワケわかんないなー」と理解すれば OK。

それにしても こいつは非情で、ザクザクと人間狩りを行ないます。全然、人間の味方じゃない。エイリアンと犠牲者は薬で消すくせに、自分が狩った人間は吊るしておく、という不可解(かつ不快)な行動に出たりします。

クリーチャーの世界でも、ジェイソンみたいに、空気読めない奴が流行っているようです。

ref.: 『フレディ VS ジェイソン』 ジェイソンは空気読めない子 : 亜細亜ノ蛾

プレデタリアン

さて、宇宙最強最悪・完全生命体──だったはずのエイリアンが、『AVP』シリーズでは単なる害虫 扱い。

それではエイリアンのファンは納得できないよ! ということで登場した(?)のが、新種エイリアン「プレデタリアン」。──そのままやん! とツッコミが入りそうな名前と外見で、想像通り、両種の良いとこ取りになっています。

もともと、素早さはエイリアンの方が上(まるでゴキ■リのように)、力はプレデターの方が上、という感じでしたが、プレデタリアンは その両方を兼ね揃えています。

しかも、プレデターから賢さをも受け継ぎ、それを種の繁栄だけに費やす──。具体的に、その頭脳を どう使ったか、病院で明かされるわけですが──、これはトラウマになりそう。

いくらザ・クリーナーでも、こんな奴、どうやって倒すんだ? と誰もが疑問に思うところですが、本作では、とてつもなく恐ろしい方法(映画として)で解決するのでした。それは──。

ラスト

はたして、このラストで満足できた人は いるのだろうか?

──あ、念のため書いておくと、エンド・クレジット直前の会話ではなくて、その ちょっと前の「アレ」ね。まぁ、この会話のシーンも取ってつけた感がアリアリでしたが……。

なんというか、プロの SF 作家が物語を作るときに「やってはいけないオチ」として編集者から口酸っぱく言われそうなオチですよね。ジャンプで言うところの「戦いは これからだ! ──応援ありがとうございm(ry」みたいなオチの方が、まだ良かったのでは?

あと、すごく残念だったのが、前作までの教訓や知識が、まったく活かされていないこと。『プレデター2』の時点で「プレデターは何度も地球にやってきている」ことが わかっているし、『エイリアンVS.プレデター』で両種族のデータを取っただろうに──。

やっぱり、あと 10 分くらい時間を割いて、「軍が秘密裏に開発した対宇宙生物兵器」てきな物を でっち上げて、エイリアンを一掃、ザ・クリーナーには お帰りいただく──というので良かったのでは?

それは『AVP3』に期待しますか……。

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