『ウォンテッド』(Wanted)
これは自分が自信を持ってお勧めする、満点に近い映画です!
タイトルだけ聞くと、サッパリとジャンルが分かりませんが、
「超ウルトラメチャメチャど派手なサスペンス・アクション映画!」
というところでしょうか。
まるで肉弾戦のようなカーアクションがテンポ良く展開し、スローモーションの使い方も上手で、そしてなんといっても、
「スーパアルティメットそんなんありえへんやろ逆再生!!」
が見どころです。映画の中で、これほど特徴的な逆再生シーンを使ったのは、本作以外には見たことがありません。
また、アクションばかりに注目されがちですが、ストーリィも良くできていました。ちょっとした「犯人は誰だ」的なミステリィ要素もあり、最後にどんでん返しまであります。
とにかく盛りだくさんの内容なのに、中だるみもなく、さりげなく
「人は──自分は、何のために生きているのか」
みたいなスパイスまで利いている。
これはぜひとも家族や恋人・友人たちと週末に観て、感想で盛り上がって欲しい映画です!!(日曜日の夜中に書くことではない)
あと、「洋画は字幕派!」という人も、一度は日本語版の音声を聞いてみてください。主人公の声は、なんとタレントの DAIGO さんが担当しています。これがまた、聞いたら一生忘れられなくなるような声でした。
迫力のアクションシーン
映画が始まってすぐに、
オヤジが全力疾走して──空を飛び──銃を撃ちながら──ビルに突っ込む
という場面があります。
──もう、この時点で DVD を取り出したくなりますよね? 自分は思った。
ところがところが、この直後に、上で書いた「超・逆再生」が登場するのです。これがビックリした! 何が驚いたのかというと、
「え、そんなムチャクチャなことを、大真面目な顔でやっちゃうの……?」
と正気を疑ったのです。
──『バクマン。』のシュージンは、この映画を観て「シリアスな笑い」を勉強したほうがいいと思う。
てっきり、「なるほど、超能力者の戦いなのか」と思いながら見ていましたが、
『スパイダーマン』よりはリアル寄り、『ダークナイト』よりは SF(すこし・ふしぎ)気味
という感じでしょうか(余計に分かりにくい?)
そういえば、同じくモーガン・フリーマンが出てくる『ダークナイト』もカーアクションが派手で良かったですね。『ウォンテッド』も負けておらず、
「スタイリッシュなようでいて、野獣と野獣との戦いのような」
車のぶつかり合いには、目を見張りました。
アンジェリーナ・ジョリーが出演しているため、『Mr.&Mrs.スミス』を思い出しますね。
『Mr.&Mrs.スミス』 ブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリー : 亜細亜ノ蛾
ガンアクションについても書きたいのですが、あまり書くとネタバレになるので、このあたりにしますね。続きは DVD・ブルーレイで!
声優・DAIGO の実力
自分は、テレビを観なくなってから、もう何年にもなります。そのため、芸能人の情報にはウトい。
主人公・ウェスリーの声を担当した DAIGO さんのことも、くわしくは知りませんでした。意識して声を聞いたこともないと思う。下記リンクのネタで笑ったくらいですね。
それで、ウェスリーの声を聞いた時には DAIGO さんとは知らずに、
「な、なんという──キモくてムカつく声なのか……!」
と逆に感動しました。
「スゴイ、さすがは声優さんだけあって、主人公の気持ち悪さを見事に表現している」
と感心したのです。DAIGO さんをよく知っている人でも、ウェスリーには腹が立ってくるのでは?
──ん? なんだか悪口を書いているような気がしてきましたが──、この声は大正解でした!
なぜかというと、この映画には「ダメダメなボク」が表現できて、初めて成り立つのです。それに、後半はビジュアル的にも(筋肉ムキムキ)声質も、主人公は格好良くなる。ニクい演出です。
観たキッカケ
近所のレンタル店で、レンタルのランキングが 1 位の棚に、この映画の DVD が置いてありました。
──という、オナジミの展開です。過去に何度か痛い目にあって、『地球が静止する日』はまあまあだったけれど、M・ナイト・シャマラン(ツマラン)監督の『ハプニング』はサイアクでしたからね!
地球が静止する日 – キアヌ・リーブス主演の少し不満足な SF 大作 : 亜細亜ノ蛾
そんなワケでとくに期待もせず、なんだったら見終わるまでは、タイトルすら覚えていなかったという。
DVD を再生し始めて数分後に、ようやく「──あ、コレ、映画館で告知を見たことがある」と気がつきました。時期的に考えて、『DEATH NOTE』の“L”が主人公の映画を観た時でしょうか。
『L change the WorLd』 L と子役が神がかりの演技 : 亜細亜ノ蛾
『ウォンテッド』の予告編を見た時には、「ああ、これはスベルな……」と思ったものでした。
──明らかに、「B 級くさい」のです。
そう思って(気分的にはスクリーンにポップコーンを投げつけるように)映画を見つづけていると──、
これは面白い!
設定も演出も、たしかに B 級以下に落ち着きそうなのに、キセキ的に「面白映画」の位置へと着地しているのです。一つ一つはよくあるマンネリな部品なのに、組み立て方が良かったのでしょう。
『ウォンテッド』というタイトルについて
それにしても、よく『ウォンテッド』なんてタイトルが、ほかとカブらなかったな──、
と思ったら、ありまくりだった。
まぁ、「さくら」というタイトルの歌謡曲よりは少ないケド。
おわりに
かなり楽しく観られたので、自分の庭であるウェブで『ウォンテッド』の評価を探してみると──、ものすごく低評価なのです。
自分くらいにこの映画を絶賛している人は、あまりいないようですね……。
──ああ、良かった! 自分がマイナな人間であることを再認識できて(こういうマイナ志向の人って多いよね)(←矛盾)。