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『心の鏡』に『アルジャーノンに花束を』の原点あり

#### キイスって知ってる?
ダニエル・キイス、という作家の名前を知らない人でも、『アルジャーノンに花束を』や『24人のビリー・ミリガン』という著作を知っている人は多いでしょう。しかし、『アルジャーノン──』が*元々は短編だった*ことは知らないのでは?
その『アルジャーノン──』の短編が載っているのが、今回紹介する『心の鏡』です。

心の鏡

心の鏡

  • ダニエル キイス、 Daniel Keyes、 稲葉 明雄、 小尾 芙佐
  • 早川書房
  • 1999-11
  • ¥ 756
  • Book


SFなので[早川さん](http://horror.g.hatena.ne.jp/COCO/?word=%2a%5b%e4%bb%8a%e6%97%a5%e3%81%ae%e6%97%a9%e5%b7%9d%e3%81%95%e3%82%93%5d “Horror & SF – Coco’s Bloblog”)も読んでいることでしょう。──いや、Science Fictionというよりは「*すこし・ふしぎ*」な話が多いので、どうかな。
──それはさておき、収録作品から特に面白かった物を紹介。

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千夜一夜を共にする本

#### 怪しげなタイトルの意味は
誰にでも、何度も読み返す本があるのではないでしょうか。
asiamothの場合は、これ。

森博嗣のミステリィ工作室

森博嗣のミステリィ工作室

  • 森 博嗣
  • 講談社
  • 2001-12
  • ¥ 750
  • Book


森博嗣さんが影響を受けた100冊の本を紹介する「ルーツ・ミステリィ100」や、自作の紹介、昔に書いたマンガも載っています。森ファン必携! お腹いっぱい! うーん、もう一杯! な一冊です。
自分は、寝る前の少しの時間で、何度も拾い読みしています。──怪しげな記事のタイトルは、つまり、そういうこと。
#### 「ルーツ・ミステリィ100」
特に「ルーツ・ミステリィ100」が面白い。ミステリィ以外の作品も多く紹介されており、バリエーション豊富な内容です。
自分の中では、本を紹介する時のお手本にしています。ミステリィファンのためを考えて、*ネタバレになることは書いていない*のに、その本を*読みたくなるような紹介*なのが凄い。ブログで本の紹介をする際、うっかりすると*学生の読書感想文*みたいに「あらすじを書いただけ」になりがちな人に読んで欲しいですね(あらすじはあらすじで需要はあると思うが)。
どの作品にも愛が感じられる書き方で、ちょっと空いた時間に読むと心が洗われます。ある作品の紹介で「散歩のように読む」とか「*心の刃物を研ぐことのできる作品*」とありましたが、自分にとっては『ミステリィ工作室』がそれに当たりますね。毎日の散歩、のように読んでいます。
──そして、もうお気づきの通り、このブログで紹介している本のほとんどは、「ルーツ・ミステリィ100」に出てきます。100冊を読み終わることはできるのか──。
#### この記事のタグ(偽)
[実は千夜一夜ってたかだか三年弱][マンガは難解ス][萩尾望都さんのファンも是非]


魚になって読む本

#### 風呂で読める文庫100選
まだまだ暑いですが、秋の夜長が待ち遠しくなる本の紹介です。


お風呂で読める本 | フロンティアニセンお風呂で読める本 | フロンティアニセン

タイトル通り、風呂場に持ち込めるような水に強い素材が使われています。
[販売タイトル](http://www.f2000.co.jp/book_title/index.html “販売タイトル | フロンティアニセン”)を見ると、数々の名作に混じって、夢野久作氏の『瓶詰地獄』が! ──まぁ、『ドグラ・マグラ』を風呂で読んだらのぼせそうなので、このあたりの短編がいいのかも。
#### アサマシ!
──そして調べてみると、普通にAmazonで売っていたというオチ。

瓶詰地獄

瓶詰地獄

  • 夢野 久作
  • フロンティアニセン
  • 2004-11-01
  • ¥ 1,050
  • Book


#### Via:
[本日の一品 風呂場やリゾート地の息抜きに。「風呂で読める文庫100選」](http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/todays_goods/30565.html “本日の一品 風呂場やリゾート地の息抜きに。「風呂で読める文庫100選」”)
#### この記事のタグ(偽)
[タイトル通りだと煮魚][久作と混浴ハァハァ][わざわざシャワーかけなくてもいいだろ]


暗中模索ミステリィ『ウッドストック行最終バス』

#### 古くて新しい
『ウッドストック行最終バス』は20年ほど前の作品ですが、いままでにないような新しい感覚で読めるミステリィ作品でした。
密室や時間差を使わなくても謎を深める書き方ができる、というのが面白かったです。
#### あらすじ
ヒッチハイクした車に乗り込んだ女性のうち、一人は殺害され、もう一人は行方不明になります。その後、誰も名乗りでない、というのがメインの謎。
──誰が彼女を殺害したのか?
──また、もう一人の女性はどこへ消えたのか?
その謎に立ち向かうのが、モース主任警部とルイス部長刑事。モースがホームズで、ルイスがワトソンと思って間違いないです。
変わっているのが、凶器から指紋を調べたり、被害者の女性の体内に残った体液を分析したり──というシーンが*全く出てこない*ところ。科学捜査が発達していないような、昔の話でもないのに。
この小説は、モースの*捜査方法が独特*なのが特徴です。ちゃんと足を使った聞き込みもしますが、ほとんどがモースの妄想を元に話が進んでいきます。頭の中だけで推理を進めていくのはよく見ますが、この作品ではそれが徹底されているのが面白い。

ウッドストック行最終バス

ウッドストック行最終バス

  • 大庭 忠男、 コリン デクスター
  • 早川書房
  • 1988-11
  • ¥ 714
  • Book

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齋藤孝『発想名人』──発想法の本に非ず

#### どんな本?
齋藤孝氏の本は、一時期ハマって結構読みました。──まぁ、そろそろ*倦怠期*ぎみ。
そんな中、手に取ったこの本は、いわゆるビジネス実用書ではなく、エッセイ集です。
タイトルからすると[アイデア革命](http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/redirect?tag=asiamoth-mt-22%26link_code=xm2%26camp=2025%26creative=165953%26path=http://www.amazon.co.jp/gp/redirect.html%253fASIN=4478750076%2526tag=asiamoth-mt-22%2526lcode=xm2%2526cID=2025%2526ccmID=165953%2526location=/o/ASIN/4478750076%25253FSubscriptionId=08PWFCAAQ5TZJT30SKG2 “齋藤孝のアイデア革命”)のようですが、そのものずばりの「発想法」は出てきません。いくつかヒントになる文章は出てきますが。
そのため、斉藤氏の本で多く語られる、
* 情報を*三色*(赤青緑)で色分け(三色ボールペン)
* 一枚の紙を複数人で*共有*(マッピング・コミュニケーション)
* 何より*身体が基本*(英語を話す身体・呼吸法)
という*メソッド*は控えめで、多くの学生や芸能人との交流から生まれたエッセイで構成されています。
美輪明宏さんとの話が、特に面白かったです。あと、黒柳徹子さんはやっぱり「*誰にも止められない*」とか(笑)。

発想名人

発想名人

  • 齋藤 孝
  • 文藝春秋
  • 2003-08-08
  • ¥ 1,050
  • Book

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山口 雅也『ミステリーズ』『マニアックス』

#### 今頃読み終わる
山口 雅也氏の『マニアックス』を読み終わりました。タイトル通り、*マニアックな人たち*が出てくる短編集です。
「マニアック」の解釈は人それぞれだと思います。巻末の《LINER NOTE》によると、
> Maniacという言葉は、日本ではもっぱら、「熱心な愛好家」という意味で使われているが、英語圏では端的に「狂人」という意味で使われることも結構多いようだ。
とのこと。
日本人の「当たり障りのない物言い」と欧米人の「はっきりとした言葉遣い」の差、というところでしょうか。この作品では、どちらかというと後者が多く出てきます。
『マニアックス』は、同じ著者による『ミステリーズ』の姉妹編、という位置づけになるようです。しかし、『ミステリーズ』がミステリィの短編集なのに対し、『マニアックス』はホラーの短編集でした。『ミステリーズ』と同じように読もうとすると、ちょっと肩すかしを食らうかも知れません。

ミステリーズ―完全版

ミステリーズ―完全版

  • 山口 雅也
  • 講談社
  • 1998-07
  • ¥ 700
  • Book

マニアックス

マニアックス

  • 山口 雅也
  • 講談社
  • 2003-05
  • ¥ 680
  • Book

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空前絶後のトリック『衣裳戸棚の女』

#### なんてったってトリック
**独創的なトリック**が出てきます。
──というとネタバレのようですが、おそらく、そう聞いていてもトリックを見抜く人は少ないでしょう。
もし、この作品のトリックを見抜ける人がいるとしたら──
* *ワンセンテンス*も読み逃さず──
* *行間*を最大限に補完し──
* 話の*前後関係*を全てつなぎ合わせ──
* *書いてあることと書いていないこと*を見抜ける──
──そんな人でしょう(夜神月とかLとか?)。
きっと、そういう人は『アクロイド~』を前知識なしに読んでも
「──あ、やっぱり」
で終わることでしょう(でもそれって、すごくつまらないぞ!)。

衣裳戸棚の女

photo

著者: ピーター・アントニイ

My rate [stars]

by. labs.hail2u.net/amazon/asamashi/

まさに《独創的なトリック》!飄々とした老探偵の言動も楽しい作品。


トリックばかりではなく、老探偵のユーモアたっぷりの語り口も面白かったです。

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『デスノート』小説版「Lはそんなこと言わない」

ミステリィ読みって

「うーん、やられた!また騙された!」

何故か、口元をにんまりと歪めながら本を閉じる。

──多くのミステリィファンは、その一言が言いたいためにミステリィを読むのでは?

少なくとも、asiamothは、そうです。

そして、小説版『デスノート』は、「やられた!」という一冊でした。デスノートだから、というだけではなく、一冊のミステリィとしても楽しめる作品です。

ネタバレにならないよう、感想を書いてみました。

DEATH NOTE アナザーノート ロサンゼルスBB連続殺人事件

photo

筆者:西尾 維新 大場 つぐみ 小畑 健

出版社:集英社 2006-08-01

My rate [stars]

『デスノート』としてもミステリィとしても楽しめる作品。最期に「やられた!」と叫ぶこと請け合い。

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森博嗣・入試問題・参考書

自分の好きな作家、森博嗣さんの日記で、入試問題に関する面白い文章がありました。
[MORI LOG ACADEMY](http://www.ne.jp/asahi/beat/non/morilogacademy/ “MORI LOG ACADEMY”) 10/16(日)、【国語】 入試問題微妙
>今年の春、関東の某有名理系大学で、拙著『工作少年の日々』が入試問題(国語)として出題された。もちろん、たとえ作者であっても、この種のものは事前には知らされない。したがって、許可を得るどうこうといったことはなく、また著作権にも触れないことになっている。ただし、試験後にその問題を一般公開する場合や、問題集などに載せるときには許可も必要だし、著作料も支払われる仕組みのようだ(最近、受け取った)。
>[MORI LOG ACADEMY](http://www.ne.jp/asahi/beat/non/morilogacademy/ “MORI LOG ACADEMY”)
という「へぇー」なトリビアがありました。
また、作者自ら問題を読んでみたが非常に難しいとの発言が(笑)
さらに、書いた本人も、具体的な意味をあまり考えずに書いているので、びっくりした。どういう意味だったのか思い出せないとのこと。
自分も、国語の試験問題で
「(下線 3)このときの作者の気持ちを書きなさい(三十文字以内)」
みたいなのを見て
「締め切りヤバス (´Д⊂ つづき だれか たのむ」
みたいなことを書こうと思ったことが、何度もあります。(※注: asiamothの学生時代、2chはありません)
国語の試験問題になった作者の気持ち、がWeb上で公開されている、というのも珍しいかもしれません。

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ロバート・サブダの超絶飛び出す絵本

[Hugo Strikes Back!: 買ったもの](http://hugo-sb.way-nifty.com/hugo_sb/2005/08/post_35e8.html “Hugo Strikes Back!: 買ったもの”)
いわゆる「飛び出す絵本」の超豪華版。
是非、[フジテレビキッズオフィシャルオンラインショッピングサイト](http://shop.fujitvkids.co.jp/kids/event/ehon/ “フジテレビキッズオフィシャルオンラインショッピングサイト”)の動画ファイルを見て欲しい。
子供だけではなく、大人向けのプレゼントにも良さそう。