『バクマン。』 90 ページ 「芸術と商品」 (週刊少年ジャンプ 2010 年 29 号)

(一般的なパーティのイメージ)
大好評(※脳内調査)4 回目の「今週の『ジャンプ』さいこうー!」で取り上げるのは、『LOCK ON!』です。
このマンガは、始まって数回は読む気が起きませんでした。絵がぎこちないし、地味な印象だし、なにより主人公は「プロの天才カメラマン」なのに──、
──カメラの持ち方がヘン!
主人公の「真田映(さなだ うつる)」は最初、左右から両手で包み込むようにカメラを持っていました。これは、絶対に初心者しかやらない持ち方です。ウェブ上に山ほど「カメラを持った人」の写真があるのに、勉強不足でしょう。
というか、こういうことは編集者が(編集者も)チェックするべきです。キチンと仕事しなさい!
たとえば──、「天才 F1 ドライバ」がレース中にずっと──左手でシートベルトをにぎっていたら、ものすごく違和感があるでしょう。あるいは、「天才ギタリスト」がギターを──テニスのラケットみたいに持っていたら、まじウケる。
そして、「天才マンガ家」がマンガも描かずに──自分の子どもと FF キャラばかり育てているなんて──、
──あれ? なんだかものすごくリアリティあるな……。
いつの間にやら、映はカメラマンらしい持ち方に変わりました。おそらく読者か知人からツッコミが入ったのでしょう。
そして、ちゃんと『LOCK ON!』を読んでみると──面白い! ストーリィ展開もしっかりしているし、自分の好きな頭脳戦も多く、じつは絵柄も読みやすいのです。「少年マンガしている」という感じなんですね。
こんなにも面白いマンガが、最後尾の近くに載っているとは──今の読者には見る目がない! と言いたくなる(その前にアンケートハガキを送れ)。
「カメラをどう持つかとか、マンガなんて『たかが作りモン』だからドーデモイーだろう?」という人もいるかもしれませんが、作り物だからこそ──、
──何から何まで、作者は作る必要がある。
マンガは絵にして見せないと、字に書いて読ませないと、読者に何も伝えられません。主人公の名前もタイトルも重要なのです。
──やっと『バクマン。』につながったな……。
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