新・萌えるヘッドホン読本
前回は、本書の中でも「ヘッドホン娘」のイラストを中心に紹介しました。
『新・萌えるヘッドホン読本』 感想・2(イラスト編) : 亜細亜ノ蛾
今回は、いよいよ本書の主役、ヘッドホンを取り上げます。
「ヘッドホンの入門書」として本書を購入した人は、専門用語が多くて分かりにくいところも多いと思います。しかし、「ジャンル別評価」の表を見れば、だいたいの傾向がつかめます。
ハッキリ言って、オーディオ機器の音の違いを聞き分けるのは、素人には無理です。
「無理……たぶん無理……っていうか不可能……おそらく無理……いや……絶対に無理だな……無理無理……無理…………」
ref.: 賭博堕天録カイジ 1 (1) (ヤングマガジンコミックス)
なんとなくの「好み」や「使い勝手」で決める場合がほとんど(そして、それが正しい道だったりする)。
自分が知っている範囲でしか選べないと、本当に良いものを探すのは難しい。「SF を語る者は、最低でも 1000 冊読んでからにしろ」とか、あの辺の話ですね。
そこで、せっかく『新・萌えるヘッドホン読本』という素晴らしい本が手元にあるので、単純に「ジャンル別評価の得点が高いもの」を妄信的に信頼して紹介します。──本の感想なのかなんなのか、分からないページになりそうですが……。
SONY MDR-EX90SL
まず、なんと言ってもコストパフォーマンスが高いのが SONY MDR-EX90SL !
本書は、ものすごく分かりやすい順番でヘッドホンが登場します。
──それは、価格の順。正確な順番ではありませんが、ほぼ「実売の価格帯」で並んでいます。下は 3,000 円以下から、上は 20 万円以上まで……。
その中でも、本機はかなり前のほうに出てきます。定価が 12,390 円で実売価格が 7,000-8,000 円と、ヘッドホンとしては、まあまあの値段。
しかし、その実力は価格以上! ──というフレーズはよく聞きますが、本当に安い物のほうが良かったら、高級な物は不要のはず。しかし、オーディオの世界は、お金を出せば良い音が聴ける──、とは限らない世界です。
ジャンル別評価によると、「オーケストラ:8.0, ジャズ:9.0, ロック:10.0, ポップス(アニソン):10.0」という高評価! 高級機でもなかなか 9 点を超える評価がない中、かなりの高得点──どころか、全機種の点数を確認しましたが、最高得点でした(ほかに同点あり)。
天下のソニーが、本機のために特別ページを作るところからも、その意気込みを感じます。
MDR-EX90SL | スペシャルコンテンツ | ヘッドホン | ソニー
『新・萌えるヘッドホン読本』ではレビューがありませんが、本機の兄弟として、さらに高音質を追求した MDR-EX700SL も注目です。この兄弟ふたりとも、自分がいま一番欲しいヘッドホンなんですよね。
──まったくの余談ですが、通常のヘッドホンはメス、カナル型インナーイヤーはオス、という感じがします。物理的、というか性的な意味で。
MDR-EX700SL | スペシャルコンテンツ | ヘッドホン | ソニー
また、本書に開発者のインタビューが載っていて、開発秘話など興味深い話が聞けます。
Sensaphonics Prophonic 2XS
数あるヘッドホンの中でも、異色中の異色が本機です。
イヤーモニター|Prophonic 2XS|センサフォニクス
価格は 99,750 円(以上)! と「目が飛び出るほど」の値段ですが──。
これは、「本体価格 +耳型技術料 +送料込み」の価格です。そう、なんと、自分の耳の形状に合わせた耳型から作る、完全オーダーメイド!
そのため、耳型を採取できる地域にお住まいの方しか、ご注文をお受けできません
、というほかにない仕様になっています。個人的にビックリしたのが、我が町・四日市市でも耳型を作ってくれる場所があるところ。製品の特性上、「ちょっと試聴に行ってくる」ことができないのは残念ですが。
さて、本機のジャンル別評価は「オーケストラ:9.0, ジャズ:9.5, ロック:9.5, ポップス(アニソン):9.0」という、高得点でバランスが良い結果です。
さらに、遮音性を高めるための徹底的なこだわりが、高音質につながっているそうです。詳しくは、下記のページをどうぞ。
トドメに(?)、Sensaphonics を愛用する、国内外のアーティストをご覧ください。音楽が好きなら、少なくとも 10 人以上は知っている名前が見つかるはず。
ULTRASONE edition9
本書で一番の高級機です。しかも、限定 500 台! という貴重な一品。
ULTRASONE(ウルトラゾーン): edition9ヘッドフォン
幸い、Amazon には 2 台の在庫がある(2008/07/14 現在)ので、お早めに──って、軽々しく言える価格じゃないですが。
ジャンル別評価は「オーケストラ:10.0, ジャズ:9.5, ロック:9.0, ポップス(アニソン):8.5」。高級機だけあって、高尚な(?)音楽が似合うようです。
惜しいのが、ウェブ上のレビューで言われているとおり、「高級感」がないこと。購入者の方々によると、普通のプラスチック製ヘッドホン、という感じらしい。
たとえば、STAX SR-007A(と専用のドライバ・ユニット)のような、「いかにも高級機」──に見えないことは、目立ちたがり屋さんには致命的でしょう。「分かるヤツだけ分かればいい」という人なら、気にしないと思いますが。
まとめ
ヘッドホンの中でも最高級機を取り上げましたが、なんと、Amazon の「この商品を買った人はこんな商品も買っています」リストの中に、本書が並んでいます。たぶん、本書の購入が先で、ヘッドホンを購入したのでしょう。
なんというか──、痛快ですね。自分が見た限り、オーディオ機器の「この商品を──」のリストの中で、ほかのオーディオ誌を見たことがありません。
ぜひとも第二弾・三弾を作って欲しいですね。できれば、数万円で買える機種を中心にして、いろんなヘッドホンのレビューが見たいです。
おまけ: 少女 + 何か
「おにゃのこ + 何とか」は常に正しい! 強い! 使える!(何に?)
──と思っている自分です。
あと、念のために書いておくと、「おにゃのこ」は「女の子」のことです。なんと、Wikipedia にも(わざわざ)書いてある!
オトコ(男の子、じゃなくて)にとって、「おにゃのこ・女の子・少女」というのは、それだけで特別な存在。けっして彼女たちに「なる」(be)ことはできず、「する」(do)(というか play?)なんて、無理。
ref.: 404 Blog Not Found:代表的!=典型的 – 書評 – 代表的日本人
──多くの場合は、触れるなんてできない。場合によっては、実際に「見る」ことすら許されない。──ということは、「現実に存在してなくね?」と思ってしまう。そんな、神聖な存在です(たくさんの、いかがわしい例外は置いておくよ!)。
なので「オレたち」は、ネットで彼女たちを愛でるのです。ただ見る、ただ集める、ただ reblog るのです。
──そんな、「存在が神」とか「生まれてくれただけで、ありがとう」と言いたくなる女の子に、さらに何かを足すと、さらに良い。
メガネや制服など「物理的」に足すのも良いし、ツンデレや文化系など「属性」を足すのもオツ。
本書では、ヘッドホンをプラスして、1 つのジャンルを確立しました。さて、この先、どんな「○○娘」が出てくるのでしょうか──?