HUNTER×HUNTER 29 巻 「記憶」 「視」るだけでは分からない痛み

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『HUNTER×HUNTER(ハンター×ハンター)』 No.29 「記憶」

Free Bruno Bear pattern is done !
(人形は人形らしく──もう おやすみ…

『H×H』の最新刊は、まさに激動の 1 冊でした。キメラアントと討伐隊との戦いで積み上げられた話を、すべて ひっくり返すかのような展開の連続です。

まるで仏様のようなネテロ会長が、今回の表紙を飾りました。地獄があるなら またあおうぜ──と心の中で言い残して去った彼と、まっ先に再開したのは誰でしょうか……?

29 巻の見どころ

「ゴンさん」の巻と言っても良いでしょう。コミックス派の人は、ようやく「ゴンさん」の意味を知ることができましたね。──この言葉をネットで見て、コラージュは見ていない人は、ごくごく少数だと思うけれど。

キルアの「神速(カンムル)」など、「一時的なパワーアップ」という描写は よく目にします。感情の爆発によって体形が変わり・力を増すのは、ユピーとも似ている。

しかし、おそらくゴンの場合は一度限りで、二度と使えない。そもそも、念能力すら封じられた可能性があります。ネテロの最期のように、すべての力をふりしぼった状態かもしれない。戦線復帰どころか、日常生活すら支障が出るのでは?

まさか、「グリードアイランドへ行って、『大天使の息吹』と『魔女の若返り薬』を使ったら問☆題☆解☆決(やったね!)」──という展開では ないだろうなぁ……(でも可能だよね)。


「見どころ」ではなく、見みたくなかったのは、ピトーとユピーの散り際でした。たしかに人類にとっては憎むべき存在・駆除する対象ですが、あまりにも むごたらしい……。

ゴンにしてみれば「カイトの教えどおりに始末しただけ」というところが、余計に切ないですね。

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おわりに

一番気になる所は、最後のパームとイカルゴの会話です。討伐隊たち──いや、人類にとって大丈夫な要素は、何一つ見当たりません。

「ジャンプ」本誌ではカゲのようにも見えましたが、コミックス版で見直すと、王が鼻血を流していたのは間違いないようです。つまりは──、メルエムもユピーも被爆していたのかもしれません。「薔薇」の正体が原子爆弾なのかどうかは、まだ分かりませんが……。

ただ、パームの「淋しい深海魚(ウィンクブルー)」でプフの視点から「視」たとしても、王の容体は通常どおりに思えたはずです。たぶん、王の記憶障害すら気がついていない。いったい何が、彼女を安心させたのでしょうか……?

そして、読者も安心して続きが読めるのだろうか……。