HUNTER×HUNTER一覧

HUNTER×HUNTER 3 巻 「決着」 1 – 手で つかんで確かめる幸せ

『HUNTER×HUNTER(ハンター×ハンター)』 No.3 「決着」

Late for Work / Tarde pa'l trabajo
(とてもじゃないが──彼には見せられない風景)

3 巻目ともなると登場人物は勝手に動き出します。だんだんと作者の言うことを聞かなくなってくる。

オレとクラピカが 勝って 前進だ !!」というレオリオの言葉を聞いて、自分の名前を抜かされたキルアがカチンと来る描写は、もう自動的に出てきたでしょうね。

「この人物は こういう性格なんですよ」というエピソードをわざとらしく入れるよりも効果的です。こういう細かい描写をはさむバランス感覚が冨樫義博先生は優れている。あまりにも多すぎるとウザったいし、すくなすぎると味気ない。

それでも、ゴンの性格描写は かなり抑えている感じがします。登場の場面も非常にすくない。おそらく意図的に描いていないのでしょうね。まだまだゴンの底が見えてこない。読者にも──作者にも。

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HUNTER×HUNTER 2 巻 「霧の中の攻防」 2 – 球を追い続けるような人生

『HUNTER×HUNTER(ハンター×ハンター)』 No.2 「霧の中の攻防」

Show Off
(1 人だけ勢いよく燃える──そんな人生も良い)

ゴンとキルアで、ネテロ会長への接し方が あからさまに違っていて楽しかった。「いい性格をしている」同士のキルアとネテロは、会話をするたびに衝突しそうです。どんどん ぶつかって欲しい。

ネテロが持ち出した「ゲーム」の話は、普通だったら、「ほかの受験生よりも実力の劣る少年たちのために指導した」という場面として描くはずです。つまりは修行シーンですね。

ところが、本当に会長は退屈なんで 遊び相手を 探してただけなんですよ! これにはビックリだ。

ある意味では、子ども 2 人を一人前のように扱っているのかな。「大人げない」とも言うけれど。

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HUNTER×HUNTER 2 巻 「霧の中の攻防」 1 – 時には落ちることも正解

『HUNTER×HUNTER(ハンター×ハンター)』 No.2 「霧の中の攻防」

spam musubi
(未知なる味の探求は──また今度に しよう)

コミックスの最初に描かれているイラストには、本編にも表紙にも無関係な、幼い女の子が登場します。容器に入ったプリンらしき物を食べているだけなのに──なんだかグロテスクに見える。『レベルE』を思わせる ふんいきです。

ハンター試験の不気味さを感じさせる──。

ページをめくると、リアルなタッチで描いたサトツ試験官が現れました! 「サトツには口があるのかどうか問題」の答えが得られる貴重な絵です。ありがたやー!

ほかの試験官や受験生のリアルな絵も見られて、「単行本では毎回おまけが あるのだな」と──この時は信じていました。信じるのは勝手だ。

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HUNTER×HUNTER #330 「告白」 快方×解法×開放

HUNTER×HUNTER No.330 「告白」 (週刊少年ジャンプ 2012 年 05・06 合併号)

B365:244 Cat Nap
(優しさに包まれて──おやすみなさい)

「今後の展開で明かされそうな謎」を前回の感想で いくつか挙げました。今回の話のなかで、そのうちの 1 つだけが完全に謎解きされています。

HUNTER×HUNTER #329 「密偵」 三×参×散 | 亜細亜ノ蛾

ゴンは元どおりになって助かるのか?」と上の感想で書きましたが、肝心な謎を忘れていました。それは──、

多くの犠牲者が出ることに、キルアは耐えられるのか?

──この悩ましい問題が、アッサリと解決します!

正直なところ最初に読んだ時には、「また あと出しジャンケンかよ!」と思い、薄汚れた部屋の壁と「ジャンプ」をキスさせようかと思った。

しかし、すぐにトリックの仕組みに気がつく。最後には「やられた! ちくしょー!(満面の笑顔で)」と上質のミステリィを読んだ時のような気分に なりました。

おそらく宇宙の歴史のなかで、「だまされたい」という願望を持った生物は、食うに困らない近代の人間だけでしょうね。これからも上手に だまくらかして欲しい。

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HUNTER×HUNTER 1 巻 「出発の日」 2 – 同類 相まみえる

『HUNTER×HUNTER(ハンター×ハンター)』 No.1 「出発の日」

The Simple Things...
(じっくりと味わいたい──物語も肉も)

ようやくハンター試験の会場に着いた! ──とは信じられない場所が描かれます。

そこで登場する「弱火で じっくり火を通したステーキ 定食」なんて、間違って注文する人がいるのでは? 昼食を食べに来たはずが、いつのまにかハンターになっていた──という幸運な者がいるかもしれない。

この疑問に対しては、下の文章を引用します。

肉を一番まずく食べるのは弱火でとろとろ焼くことである。焼き肉は強火で、ぐわっと、焼かなければ美味しくない。

つまりは、まともな舌を持った人であれば、弱火で焼いたステーキなど頼まない。さすが、練りに練られた作品ですね!(たぶん何となく考えたと思う)

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HUNTER×HUNTER 1 巻 「出発の日」 1 – 少年よ、大海へ挑め

『HUNTER×HUNTER(ハンター×ハンター)』 No.1 「出発の日」

くじらたん!
(一回り大きくなって戻ってくる──その日を信じて)

あけおめことよろー(棒)。いやー(year)、年が明けましたね!(棒) 1 月 1 日という おめでたい日に、『HUNTER×HUNTER』 第 1 巻の感想を書くという喜びを全身で感じています!

「あれ? でも おかしーな もう日付は 2 日だけど……」「いやーー めでたい !!」(『HUNTER×HUNTER (6)』ネタ)

10 年以上も前から熟読しているコミックスなのに、読めば読むほど味わい深い作品です。スルメ──じゃ ありきたりだから、まるでクジラみたいに食べ尽くせない。

1 巻の前半は、言ってしまえば「登場人物と世界の説明」というだけの内容です。それなのに、どうしてこんなにワクワクするのか!

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野火ノビタ 批評全仕事 『総評』 – 『HUNTER×HUNTER』感想序文

野火ノビタ 批評全仕事 『総評』

2011-12-31_225801_Canon EOS 7D_28-75mm
(作者には花束を──批評には愛を)

この暴力的な愛の文面で溢れた文字だらけの同人誌は、「感想書き」の自分にとって聖書(バイブル)です。いつまでも越えられない壁として、目の前に熱く厚く立ちはだかっている。

野火さんは現在、もう批評を書かれていないようです。繰り返し『総評』に圧倒されてきた者としては残念な気持ちが半分で、あとの半分は幸福な気持ちで満ちている。

なぜ「野火さんの批評が聞けないこと」を喜んでいるのかは、あとで説明しますね。『HUNTER×HUNTER』のファンならば共感してくれるはず。

なにしろ『総評』の配本は 13 年以上も前であるため、現在の入手は困難です。ざっくり調べたところ、この記事の最初にある表紙の写真ですら、いまでは激レアだったりする。

2003 年に日本評論社から発行された野火さんの批評本・『大人は判ってくれない』であれば、まだ手に入れやすいようです。『幽☆遊☆白書』や『H×H』・『エヴァンゲリオン』の批評も読めるはず。

さて──、中途半端な形で『H×H』の感想を始めたことを、これまで ずっと気にしていました。最初の感想は「キメラアント編」の途中からで、文体も視点もヒドすぎる。書き直したい!

2004 VOL.18 : HUNTER×HUNTER | 亜細亜ノ蛾

そこで、来年から──というか明日から、『H×H』第 1 巻の感想を書き始めます。いつかは最新刊に追いつくでしょう。

その前に、どうしても野火さんの『総評』をしておきたかった。──なぜか『SAW V』の感想で彼女の名前を挙げていますけれど。

ソウ 5 (SAW V) – テーマは「殺人と更正との差」──あるいは狂気 | 亜細亜ノ蛾

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HUNTER×HUNTER #329 「密偵」 三×参×散

HUNTER×HUNTER No.329 「密偵」 (週刊少年ジャンプ 2012 年 03・04 合併号)

world through her eye
(雲よりも──ずっと向こうを見る目)

前々回と同様に、血に飢えた狩人によって獲物が命を奪われました──。あの人の活躍が今でも目に浮かぶようですが、今はもういない。いままで本当に ありがとう──。

それはチャッチャッと脇に置き、こまかい謎が増えてきましたよね(軽っ)。そのなかでも今後の展開で解決しそうな謎を挙げてみます。

  • ゴンは元どおりになって助かるのか?
  • ハンター協会 会長は誰になる?
  • キルアがアルカを開放する方法
  • 「密告者」(のぞき屋)の正体

どれも「答え」は まだ描かれていません。ただ今回の話を読んで、「密告者」の正体が だんだんと見えてきました。あとで書きますね。

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HUNTER×HUNTER #328 「手配」 その一針が動かす証拠

HUNTER×HUNTER No.328 「手配」 (週刊少年ジャンプ 2012 年 02 号)

Ladies Pincushions.
(役に立つから──最期まで大事に使おう)

読み終わった瞬間に次回が待ち遠しい! ──毎週そう思っていますが、今回は とくに強く思いました。なにしろ、次から次へと話が つながっていく。

ただ、「グリードアイランド編」も「キメラアント編」も ちゃんと話を畳んでくれているので、その点は安心して読めますね。できればカナリアとアマネの未来についても、キッチリと描いて欲しい!

それ以前の話──クラピカやネオンたちも、ちゃんと結末を見せてくれるのかな……。

2011-12-16T13:03:15+09:00 追記

とんでもない事実に気がついてしまいました……。今回 初めて登場した念能力は、下の画像が元ネタかもしれません! また冨樫先生がアンチに非難されちゃう!!!?

ボケて(bokete): (タイトルは伏せました☆)

(いろいろと本文も加筆・修正しました)

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HUNTER×HUNTER #327 「謎々」 こびりつく愛がネック

HUNTER×HUNTER No.327 「謎々」 (週刊少年ジャンプ 2012 年 01 号)

2008.11.26 - 1967
(きっちり 22 枚──首をそろえて お返しする)

みなさま、新年明けまして おめでとうございます!

──という小ボケは置いておいて、新年 01 号も「ジャンプ」は面白い! そして『H×H』も すごかった! 久しぶりの戦闘シーンが描かれ、緊張感が誌面から伝わってきます。

バトル・シーンが描かれたのは、ネテロと王・ゴンとピトーとの戦い以来でした。どの戦いも、悲しい終わり方をしている。今回も同様に……。

少年誌におけるバトル・マンガの常識・「最後に主役がスカッと勝つ!」は、『H×H』には通用しない。

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