『世にも美しい日本語入門』
『世にも美しい日本語入門』は、『世にも美しい数学入門 』の続編というか、姉妹書のような一冊です。
藤原正彦(ふじわらまさひこ)さんが、彼の小学校時代の恩師である安野光雅(あんのみつまさ)と対談し、日本語の美しさについて語っています。
数学者と画家が日本語について語る、ということが少し意外な気もします。しかし、二人が惹かれる「美」というものの根底には文学がある、とのこと。
冒頭から、
美しい日本語に触れないと、美しく繊細な情緒が育たない。恋愛さえままならない。文学に一切触れず、「好き」と「大好き」くらいの語彙しかない人間は、ケダモノの恋しかできそうもない。
『世にも美しい日本語入門』 p.11
──と、ドッキリするような事が書いてあります。厳しさを感じるのですが、そこにあるのはただ、美しさへの誘いだけ。逆に読めば、文学に触れて繊細な情緒を育て、豊かな恋愛を楽しみましょう、と。
それにはやはり、古典や古語、文語体に触れるのが良いそうです。この本で紹介されている古典、たとえば森鴎外の『即興詩人』を読みたくなりました。
- 世にも美しい日本語入門 (ちくまプリマー新書)
- 安野 光雅 藤原 正彦
- 筑摩書房 2006-01
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by G-Tools , 2007/08/17