社会・人生・一般一覧

『文学部唯野教授』 異形の物が棲む大学と謎のヒロイン

『文学部唯野教授』

これは凄まじい一冊です。

タイトル通り、大学教授の唯野(ただの)が主人公。彼が大学に内緒で小説を書いていることや、親友が海外出張費を不正に使用したことが、後になって問題になってくる。大学内の利権争いや、いくつかの事件が絡み合い、最後は(いつものように)ドタバタに──。

というのが大きなあらすじですが、何といっても、話の合間に挿入される「文芸批評論」の講義が圧巻。

唯野が講義を進めて行く場面が、何ページにもわたって書かれています。小説自体が全部で 9 章あり、講義の数も 9 つ。全部通して読むと、批評論についてよくわかる、気がします。

続きを読む


冷めにくい「サーモマグ」「ウォールマグ」、テヅカモデルノ

冷めにくいマグカップ

Astroboy!外での ひとときにも──お供にしたい

コーヒーを飲みながらネット、が至福のひとときな自分です(このブログの批判を見たときを除く)。

面倒なことが嫌いで味オンチのため、コーヒーの味や いれ方は語りません。今回は、コーヒーカップの話です。

自分はコーヒーのブラックをホットで飲むことが多い。どんなに美味しいコーヒーでも、冷めると酸味が出てマズくなる。そのため、最近は「一口、二口分だけカップに入れる」ようにしていますが、それでも時間が経つと冷めていまいます。

コーヒーを冷まさずに飲むことはできないだろうか? ──と探して見つけた「サーモマグ」と「ウォールマグ」を紹介します。

2012-01-27T18:16:12+09:00 追記

リンク切れが多かったので修正し、サーモスの「真空断熱マグ」シリーズについて追記しました。こちらも おすすめ!

続きを読む


『ほぼ日刊イトイ新聞の本』 ネット社会の必読書

『ほぼ日刊イトイ新聞の本』

これは面白い! 初版は 2001 年の刊行で、その後に加筆して 2004 年に刊行された文庫版を読みました。

糸井重里さんが、(埋蔵金の発掘をしながら)「ほぼ日」をなぜ始めたのか? という話から、ようやく軌道に乗り始めたあたり(2001 年)まで、そして文庫版で加筆された 2004 年では最近の「ほぼ日」について語られています。

ほぼ日刊イトイ新聞ほぼ日刊イトイ新聞

「ほぼ日」の面白いエピソードだけではなく、ビジネスの話、人生の話、遊びの話など、この本からいくらでも拾えるものがあります。

なにしろ日本語の達人が書いた本なので、ものすごく読みやすい。糸井さんの文章は、簡単な言葉でわかりやすく、深い話を書くのが特徴。この本も、全く難しい言葉は書いてないのに、ものすごい情報量を吸収できました。

糸井重里 – Wikipedia

続きを読む


フリクションボールとハイテック C コレトとクリップオン

フリクションボール

消せるボールペン、フリクションボールと「パイロットのハイテック C コレトの替え芯を、ゼブラのクリップオンに移植」する話。まずはフリクションボールから。

PILOT | フリクションボールPILOT | フリクションボール

いままでの消せるボールペンは、「消しゴムでインクをこすり取る」という、鉛筆と同じ発想。しかし、フリクションボールは、まったく違う。

「フリクションインキ」には消色温度が設定されているため、筆跡をボディ後部の専用ラバーで擦ることで生じる摩擦熱によりインキの色が無色に変わり、筆跡を消すことができます。

PILOT | フリクションボール

ということで、本体に普通の消しゴムのようなものがついてきますが、それは摩擦熱を起こすため。「消しゴムで消す」のと似た感覚で色が消えるので、違和感なく消すことができます。

色々な方法で消す

温度が上がれば消える。だったら摩擦熱以外でも消えるのではないか──。そう思って実験を行った人がいます。

豆腐の角: 摩擦熱で消えるボールペンを摩擦以外の熱で消してみる(前編)

豆腐の角: 摩擦熱で消えるボールペンを摩擦以外の熱で消してみる(後編)

これは面白いですね! 実験のためとはいえ、付箋紙を「レンジでチン」したり、フライパンで炒めるなんて、ここ以外では見られません。

それに、最後に冷凍庫で冷やす実験は必見。なんと、消えた文字が復活しています

続きを読む


『七つの怖い扉』 井戸から消えない死体

2ch には良くできた創作が、いわゆる「コピペ」として出回っています。可愛い AA(アスキーアート)もいいですが、ちょっと背筋が寒くなるような、怖いコピペが好きです。

中でもお気に入りが、これ。

ある日、泣き声がしゃくに障ったので妹を殺した、死体は井戸に捨てた

次の日見に行くと死体は消えていた

5年後、些細なけんかで友達を殺した、死体は井戸に捨てた

次の日見に行くと死体は消えていた

10年後、酔った勢いで孕ませてしまった女を殺した、死体は井戸に捨てた

次の日見に行くと死体は消えていた

15年後、嫌な上司を殺した、死体は井戸に捨てた

次の日見に行くと死体は消えていた

20年後、介護が必要になった母が邪魔なので殺した、死体は井戸に捨てた

次の日見に行くと死体は消えていなかった

次の日も、次の日も死体はそのままだった

これは「オチ」の一行が無いバージョンで、初めて見たときに「なぜ?」を考えるのが恐ろしかった。その後、最後の一行があるバージョンを見て、「なぁんだ」と思いました。やはりこれは、上記のままで終わっている方が美しい。

『七つの怖い扉』

つい最近、このコピペの元ネタがあることを知りました。阿刀田 高氏の『迷路』という短篇です。

さっそく、収録されている本を探し、『七つの怖い扉』を読みました。タイトル通り、七人の作家が書いた、七つの短篇が載っています。

photo

七つの怖い扉 (新潮文庫)
阿刀田 高 高橋 克彦 小池 真理子
新潮社 2001-12
Yahoo! ショッピング: 七つの怖い扉ad
楽天ブックス: 七つの怖い扉

ゆがんだ闇 七つの危険な真実 記憶の隠れ家 翠迷宮 堪忍箱

by G-Tools , 2007/07/18

続きを読む


『土を喰う日々』 畑と相談し、リスを見る日々

『土を喰う日々』

『土を喰う日々』を読みました。『美味しんぼ』ファンにはおなじみの一冊で、山岡 士郎が日本で一冊だけ読むに値する、と言っていた本ですね。

あらすじ – 美味しんぼ塾ストーリーブログ: 第33巻

著者の水上 勉(みずかみ つとむ)氏はすでに故人だったのですね、知りませんでした……。

水上勉 – Wikipedia

本書は、軽井沢に住む著者が「畑と相談して」、日々の食事を工夫する様子を書きつづった一冊です。

裏表紙や後書きで「クッキング・ブック」と紹介していますが、レシピはほとんど出てきません。子供時代に禅寺で暮らした著者だけあって、食というものの考え方が深く語られています。

「梅干の生命は人のそれより長い」

感慨深かったのが、梅干しの話です。

著者の家には大正十三年に漬けた梅干し(!)がいくつかあったそうで、「五十三年も生きていた梅干しに、泣いた(p.106)」そうです。しかし、そのことをフィクションと取った読者から(わざわざ)電話がかかってきた、という話がちょっと悲しい。

自分の漬けた梅干しを「作品」と呼び、梅干しが入った瓶を眺め、「これらのぼくの作品がぼくの死後も生きて、誰かの口に入ることを想像するから(p.110)」嬉しいという著者の姿を思い浮かべると、梅干しというものを見る目が変わってきます。自分も、梅干しが好きなので、漬けてみようかな……。

リスの夫婦

作家のところには、話になる動物がやってくるようです。

庭にやってくるリスの夫婦の話が面白い。別に飼っているわけではないので、すべて著者の主観ですが、短篇が一作かけそうな出来事がありました。続きは Web で、ではなく、ぜひ本でどうぞ。


『もの食う人びと』 辺見 庸氏、飽食の国から飛び出す

『もの食う人びと』

日本が飽食の国と言われるようになったのは、いつからでしょうか?

──と、朝食べたドーナツ風パン(売れ残りのため 5 個で 100 円の安売り)を思い出しながら、何となく考えるのでした。自分が幼い頃(1970 年代)は、ひもじい思いをすることが多かったです。三食の内、一食が「レタスだけ」だったり。──あ、それって自分の家が貧乏だっただけか……。

しかし、そんな自分の貧しかった時代なんかより、もっと餓えている人々が世の中にはたくさんいることを、『もの食う人びと』で改めて知りました。この本は、著者が世界中を周り、体当たりで知った「食」の現実が書き記されています。

決して「グルメ本」の類ではなく、貧しい国に住む人たちの食生活が中止です。しかし、よくある「だから、もっと私たちは食べ物を大事にしましょう」というような意見が書いていないのがよかったです。──まぁ、この本を読んで、それで何も感じないような人間にはなりたくないな、と。

続きを読む


舞城王太郎 『阿修羅ガール』 残酷な主人公の恋心

『阿修羅ガール』

ちくしょー、また騙された! 舞城王太郎め!(満面の笑みを浮かべながら)。という読後感でした。

減るもんじゃねーだろとか言われたのでとりあえずやってみたらちゃんと減った。私の自尊心。

返せ。

『阿修羅ガール』 p.9

──などという、主人公の可愛らしい(?)独白から始まるので、てっきり、女子高生のほのぼの学園生活物語が始まるのかと油断していたら──背後からいきなり刺された感じ。主人公の周りで、次々と(文字通り)奇想天外な事件が起こるのでした。「先の読めない展開」という使い古された言葉が似合う一作です。

続きを読む


『小さいこいとばを歌う場所』を「ほぼ日ストア」で購入

『小さいこいとばを歌う場所』

『小さいこいとばを歌う場所』

カノジョへのプレゼントを探していると、素敵な物を見つけました。『小さいこいとばを歌う場所』という本です。

糸井重里が、ほぼ日刊イトイ新聞に書いた1年分の原稿(……)から、心に残る「小さいことば」を抜き出し、1冊の本にまとめました。(……)

詩と、ユーモアと、たくさんのヒントが詰まった「ベスト・オブ・糸井重里」ともいえる1冊。

また、糸井による写真連載「気まぐれカメら」からも41点の写真を選んで掲載しました。

ほぼ日刊イトイ新聞 – 小さいことばを歌う場所

ほぼ日刊イトイ新聞 – 小さいことばを歌う場所から「立ち読み」して、すぐに買うことに決めました。自分も欲しかったので、二冊。

糸井重里さんの言葉は、とてもわかりやすいです。簡単な言葉を組み合わせ、表現をするのがとても上手い。自分もマネしたいです。

『小さいこいとばを歌う場所』とiPod

ほぼ日ストア

この本は「ほぼ日ストア」でしか取り扱いがないので、さっそく注文。

ほぼ日刊イトイ新聞 – ほぼ日ストア

他の商品も面白そうですが、品切れが多い! 「ストア」の名にふさわしくない在庫状況ですが、商品の紹介ページを見て、納得。こりゃ売れるわ、と。

冷房病対策なのか、夏向けのハラマキとブランケットもありました。可愛らしいデザインですが、こちらも品切れ。

ほぼ日刊イトイ新聞 -ほぼ日ごきげんハラマキ

べんりなぬの」も欲しかったけど品切れ! ──というか、これって……単なるバンダナでは? 「全然違うよ。全く関係ないよ。」

ということで、注文した『小さいこいとばを歌う場所』が届くのが楽しみ。届いたらブログに感想を書きます。


デイヴィッド・ハンドラー 『殺人小説家』

『殺人小説家』

人気のハーフボイルド・ミステリィ(© 森 博嗣)の 8 作目です。デイヴィッド・ハンドラーは『100人の森博嗣』で「この一見ソフトなハーフボイルドこそ、現代のハードボイルドの頂点だと思われる」と書いてあったので、興味を持って読みました。

photo

殺人小説家
デイヴィッド ハンドラー David Handler 北沢 あかね
講談社 2005-06
楽天ブックス: 殺人小説家
ビーケーワン: 殺人小説家ad

ブルー・ブラッド 天使と罪の街(下) 天使と罪の街(上) クリスマス・プレゼント コフィン・ダンサー〈上〉

by G-Tools , 2007/06/26

続きを読む