シューテム・アップ – 鉄の人参と石の心臓を持つ男

『シューテム・アップ』 (Shoot 'Em Up)

IMG_6051
(思わず口が曲がる──硬さ)

お下品でスカッとするアクション映画です!

『シューテム・アップ』は、同じくクライヴ・オーウェン主演の『シン・シティ』とフンイキが似ている。どちらも「教育上よろしくない」場面が多いです。本作品は R-15+ではないけれども、子どもには見せないほうが良いでしょう。

『シン・シティ』 豪華な監督と出演者たち : 亜細亜ノ蛾

クライヴ・オーウェンは、汚れ役を演じると「(泥)水を得た魚」のようにイキイキとしますね。しかも知的に見えるところが高得点です。『インサイド・マン』でも彼は格好良かった!

インサイド・マン – 銀行強盗が狙う「光るもの」は必ずしも金ならず : 亜細亜ノ蛾

頭を空っぽにして、「クライヴ・オーウェン、かっけェー!」「モニカ・ベルッチ、キレー!」というだけでも楽しめる映画です。しかし、意外とストーリィを複雑にひねっている。監督・兼・脚本のマイケル・デイヴィスが、話を作っている間に愛着が湧いてきたのでしょうね。

続きを読む


ハンコック – 孤独ゆえに世界一強いヒーロー

『ハンコック』 (Hancock)

Another Frank Stencil
(孤独な者が──ここにも一人)

メチャメチャ面白いアクション映画です!

主人公のジョン・ハンコック(ウィル・スミス)は超人的な力を持つ人物で、悪者を退治する。しかし、その際に少々──いや多々やり過ぎてしまうために、悪者以上に被害を出すことも多い。そのため、ハンコックは街の市民たちから嫌われている。──という話です。

いままでにもアンチ・ヒーローは何人か見ましたが、ここまで「ならず者」を前面に押し出した超人は珍しいですね。ダーク・ヒーローの代表格であるバットマンとは大違い。

しかもハンコックは、普段着まる出しで空を飛び、悪人と戦うのです。ここが新しい! ウィル・スミスの格好良さが、変なボディ・スーツで台無しになったりしないのです。──後半までは……。

最後まで「ウィル・スミス、かっけェー!」で押し通しても満足なのに、途中でサプライズが用意されていました(スパゲティのことではなく)。これには驚きましたね!

──まぁ、あのファンタジィ映画(クリックでタイトル判明)と同じ手ではありますが、不意打ちでビックリしました。

上映時間が 92 分間とコンパクトなことも好印象です。この短い時間の中に、ド派手なアクション・犯罪者たちの懺悔・愛と平和への思い・せつない終わり方──などなどが盛り込まれている。次回作を思わせる終わり方なのもニクい!

家族や恋人と一緒に、何度も観たい映画です!

続きを読む


パーフェクト・ストレンジャー – 不幸な日の連続だけは我慢できない

パーフェクト・ストレンジャー (Perfect Stranger)

The swallowed man by the Golden Sand
(見ず知らずの人──水知らずの土地)

なかなか良くできたミステリィ映画です。

あらすじは──。仕事熱心で美人な記者であるロウィーナ・プライス(ハル・ベリー)は、特ダネを権力者にツブされて、新聞社を辞めてしまう。さらにロウィーナは、幼馴染みが殺されたことを知る。犯人の目星をつけた彼女は、友人のため・記事のために潜入調査を開始する──。

ロウィーナの標的となったのは、「広告王」のハリソン・ヒル(ブルース・ウィリス)です。『ダイ・ハード』シリーズとは異なるシブくて(スケベで)キザな演技が見ものですよ。

『ダイ・ハード 4.0』 非道な主人公が武士の情けを : 亜細亜ノ蛾

公式サイトを見ると、ラスト 7 分 11 秒まで、真犯人は 絶対わからない──などと書かれています。自分も分かりませんでした。ネットでは「こんなのすぐに犯人が分かる」なんて書き込む人が多いですが、半数以上は観たあとの感想でしょう。

パーフェクトストレンジャー | PERFECT STRANGER

じつを言うとこの映画は、マジメに事件の真相を追って推理するよりは、フンイキを楽しむ映画ですね。こう書くと「ムードのある映画」に聞こえますが、違います。「ヘンテコなフンイキ」を味わう映画ですね。どいつもこいつも、変人すぎる。

日本で言うと、ちょっと謎に力を入れた「火曜サスペンス劇場」というところです。

続きを読む


バクマン。 #102-4 「画家と漫画家」 くだらないとやり甲斐

『バクマン。』 102 ページ 「画家と漫画家」 (週刊少年ジャンプ 2010 年 43 号)

Poodle Statue
(くだらない──ではなく、下りられない?)

白鳥シュンは、どうしてマンガ家のアシスタントになろうとしたんでしょうね。彼の母親は、マンガを読むことすら禁止しそうです。

同じように、「亜豆が声優を目指した理由」もよく分からない。

彼ら・彼女らの事情は、秘密のままで描かれないでしょうね。アレコレ想像する楽しみとして、取っておきましょう。

亜豆:
「声優の山本圭子さんにあこがれて……」(『サザエさん』の花沢さん・『天才バカボン』のバカボン役など)
白鳥:
「友だちに借りた『殺し屋 1』と『シグルイ』にハマっちゃって……」

え、えええーーー!?

続きを読む


バクマン。 #102-3 「画家と漫画家」 いい結果と契約作家

『バクマン。』 102 ページ 「画家と漫画家」 (週刊少年ジャンプ 2010 年 43 号)

Schotzy's Bath
(家族の一員として──手伝った結果がこれだよ!)

今回の白鳥は、珍しく柄物のシャツを着ています。何だか複雑な柄になっている。このシャツを見ていると、某(棒?)・元首相を思い出しました。

そんな装備で大丈夫か? と言いたくなるところですが、着る人が着れば様になるのです。

続きを読む


バクマン。 #102-2 「画家と漫画家」 木人高秋とよちよち歩き

『バクマン。』 102 ページ 「画家と漫画家」 (週刊少年ジャンプ 2010 年 43 号)

2010-05-22_15-17-14_Canon EOS 7D_f3.2_1-125s_iso800_75mm
(よちよち歩き──どころか暴れ回っていた子)

亜城木夢叶コンビはいつも、サイコーがムチャなことを言って、シュージンがなんだかんだ言いながらも最終的に同調する。『HUNTER×HUNTER』のゴンとキルアによく似ています(髪の色も)。

でも、キルアと違ってシュージンは、けっこう考えなしの行動が多いような……。今回、とっさに考え出した「木人高秋(きど たかあき)」というペンネームの決め方も、かなりテキトーですね。

シュージンは誰とでも気兼ねなく話すけれども、サイコーは人見知りをする。この 2 人の性格からして、シュージンが少しでも離れると、サイコーからすれば遠くへ行ったように感じるでしょうね。

これでサイコーが女々しかったり、「女の子は苦手」だったりすると──なんというか「そのまま」なキャラになります。しかし、彼は結婚のために誰よりもがんばる、根性屋さんだった。その性格設定が面白い。

続きを読む


バクマン。 #102-1 「画家と漫画家」 恋太と速筆

『バクマン。』 102 ページ 「画家と漫画家」 (週刊少年ジャンプ 2010 年 43 号)

Spread the love and peace
(ラブとピースは──形だけで終わらせないように)

今週号の『バクマン。』は、センタ・カラーでした。

『バクマン。』のカラーページは、アニメの情報とタイトルです。自分の部屋には「電源を含めてコードが何もつながっていないテレビ」という詩的な物体しかないので、アニメは見るとしても DVD 待ちですね……。

タイトルのほうは、「『バクマン。』にありがちなこと」な感じで、サイコーだけが描かれている。

毎週毎週この作品の感想を書いていて、何兆回も「サイコーとシュージンは」とタイプしています。そのワリには、『バクマン。』のビジュアルイメージって、「サイコーだけ」が多い気がする。コミックスの『バクマン。 (1)』と『バクマン。 (8)』などなど──。

コンビを組んでいるのに、仲良く一心同体で描いているのに、孤独を感じる。──今週の話は、サイコーのさみしさが詰まっていましたね。

──というところで、普通の感想サイトなら終わるのでしょうが、ここからが感想の本番だ……。

続きを読む


ベンジャミン・バトン – 老いていて求めれば若くして豊かな人生

『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』 (The Curious Case of Benjamin Button)

The work of my hands
(似ているようで異なる──かけがえのないボタン)

笑って泣いて楽しめる、大傑作です!

あらすじだけを聞くと、いかにも「お涙ちょうだい」の悲劇のように思える。そして、ラストにはシンミリとして終わります。

しかし、これは「世の中には、かわいそうな人がいるね」という映画ではありません。もしも映画の途中でそう思った人がいたら、ちょっと反省したほうが良いかもしれませんね……。

この映画は、人生を楽しんだ男女の話です。

あらすじは──、ベンジャミン・バトン(ブラッド・ピット)は老人のような姿で生まれ、成長とともに外見は若返っていく。彼は生まれてすぐに父親に老人施設へ捨てられ、クイニー(タラジ・P・ヘンソン)という黒人の女性に育てられる──。

もう、全力で悲劇的に描いて来そうでしょ?

ところが、ベンジャミンの姿──普通の赤ん坊と同じ大きさなのにシワだらけの全身と顔を見た、老人施設で介護を受けている老女は、驚くでもなくこう言います。

ウソみたい。──死んだ主人にそっくりだわ!

この場面は、声を出して笑いましたね。強えェー! おばあちゃん、強いなー!! そう、舞台は老人たちが静かに最期を求める場所です。酸いも甘いもかみ砕いて飲み込んだ人たちばかりいる。いまさら、恐れるモノなどないッ!

たぶん、世間的な評価は、悲劇的になっていく後半部分に集中していると思います。でも、自分にはすくすくと成長していくベンジャミンを描いた、喜劇的な前半が最高に面白い。167 分間もある映画ですが、もっと長く観たかった。

ベンジャミンが生まれてから十数年が過ぎて、「やや若返った老人」の姿で出会った、ある少女・デイジー(ケイト・ブランシェット)が登場してからは、一段と話が深まっていきます。

恋をしたくなる映画でしたね。

ここからは、より詳しく映画の感想と、最後に自分が立てた「ある仮説」を紹介します。自分はもう、「普通に面白かったかどうかを 5 段階で評価する」みたいな感想ではなく、「オレオレ解釈」を楽しむ領域に来ている……。

続きを読む


インサイド・マン – 銀行強盗が狙う「光るもの」は必ずしも金ならず

『インサイド・マン』 (Inside Man)

court (терен)
(内側か否か──「それが問題だ」)

スタイリッシュな怪盗モノ映画でした!

ただし──、スタイリッシュ(粋・いき)でスマートなのは、「怪盗」の容姿ではありません。彼の頭脳と心意気ですね。映像はどちらかと言うと汗臭い・泥臭い場面が多いのに、怪盗が見せる切れ味によって、画面がビシッと締まります。

怪盗と対決する捜査官も小粋でしたね。

先ほどから「怪盗」なんて呼んでいますが、実際は銀行強盗なのです。銀行を襲うなんて成功率の低い事件を起こすようなバ■だ、と思って接していた捜査官が、途中から犯人の実力を肌で感じる。

銀行強盗のリーダであるダルトン・ラッセル(クライヴ・オーウェン)とニューヨーク市警のキース・フレイジャー(デンゼル・ワシントン)との頭脳戦が見ものです。

あらすじは、こんな感じです:

──マンハッタン信託銀行に 4 人組の銀行強盗が入り込み、行員と客を人質にとって立てこもる。担当の捜査官が説得するが、なかなか犯人の要求は満たせない。一方、銀行の会長から派遣された弁護士がやってきて──。

なぜ、弁護士──マデリーン・ホワイト(ジョディ・フォスター)がかかわってくるのか。観客には明かされますが、捜査官には理由は知らされません。だんだんと、観ている側にも「ただの銀行強盗ではないな」と分かってきて、いっそう盛り上がってきます。

この映画の最大の見どころは、「どうやって犯人グループが銀行から逃げるのか」。大きなトリックは 2 つで、そのうちの 1 つが素晴らしい。そのトリックは、『イーグル・アイ』と同様に、ハッキリと画面に示されています。

みなさんも、トリックの答えを考えてみてくださいね。

イーグル・アイ – 冷酷で非道な正義のヒステリー女 : 亜細亜ノ蛾

続きを読む


イーグル・アイ – 冷酷で非道な正義のヒステリー女

『イーグル・アイ』 (Eagle Eye)

Just Expressing Her Opinion
(イーグルの目──よりも強いモノとは)

これは面白いサスペンス・アクション映画でした!

さえない男であるジェリー・ショー(シャイア・ラブーフ)の元に謎の女・「アリア」(ジュリアン・ムーア)から電話がかかってきて、なぜかこれから起こるデキゴトを予言される。彼女の指示どおりに従わないと、そのたびにヒドい目にあう──、といった内容です。

同じくアリアに巻き込まれた女性──レイチェル・ホロマン(ミシェル・モナハン)がいて、このレイチェルとジェリーの接点が見えない。はたしてアリアの目的と、2 人の男女の役割とは何か? ──といったミステリィ的な要素も楽しめます。

サスペンス(スリルを味わう)映画の中にも、ミステリィ(謎解き)要素を期待する人は、逆にダマされるかもしれません。あまりにも正直に「正解の映像」を見せてくるので、ミステリィ・ファンは「まさかアレはないな」と見逃すのです。

アクションと謎とのバランスが、ちょうど良いですね。このバランスの良さは、『ウォンテッド』を思い出します。両方とも、絶対にオススメできる映画ですよ!

ウォンテッド – 使い古された手法が新しいアクション映画の傑作! : 亜細亜ノ蛾

『イーグル・アイ』は、アクションも見どころが多いです。むしろ、何も考えずに、ポップコーンとダイエット・コークを両手に持って観るのが正しいのかも。

トンネル内で車が吹っ飛ぶ場面があり、同じような見せ場を持つ『ダイ・ハード 4.0』を超えたかも──と思わせる迫力でした。

『ダイ・ハード 4.0』 非道な主人公が武士の情けを : 亜細亜ノ蛾

ほんのりイイ感じのラヴ・ストーリィ要素もあり、家族愛もあり、盛りだくさんなのにスマートに仕上がっています。家族や恋人と一緒に、あるいは一人で観るのも楽しい映画ですよ!

続きを読む